女王学園の冒険32
「じゃぁゥチがクエストについて説明するね。。。ちょぉ大好きだったのに。。ゥチのことゎもぅどぉでもぃぃんだって。。。どぉせゥチゎ遊ばれてたってコト。。。。もぅこのキャラマヂ無理。。。リスカしょ。。。」
変なしなを作りながら裏声で話し始めたニレに、他の四人から総ツッコミが入った。
「えっなにそれは(困惑)……つうか無理なら止めなさいよ」
「やだ……引くほど気持ち悪い」
「不愉快過ぎて危うく消し炭にする所だったわ」
「しね^^」
想像を超えた不評ぶりに、ニレは唇を尖らせた。
「えー?ちょっとした冗談だったのにひどくない?……ま、いいや」
クエストというのは女王学園のみならず、学園都市が運営している職業訓練であり、ボランティアであり、はたまた市場を指す。
学園都市の学生ならば全員が参加可能であり、指定された仕事を熟して報告する事で報酬を得る事は勿論、学園都市の何処の学校でも通用する単位にもなるという便利なシステムだ。
ただし、クエストで取得できる単位だけでは勿論卒業は出来ない。
「先ずクエストを請けるのに欠かせないのがこのアプリ『クイーンズオーダー』って訳」
ニレはアプリを起動した状態の携帯端末を皆に見せた。
そこにはクイーンオーダーのトップページが標示されていて、リンクが張られた騒がしい文字や広告達がひしめき合っていた。
「思った以上に色々あるわね……」
四人が想像以上の情報量に圧倒され戸惑っていると、ニレはすいすいっと慣れた手つきでサイト内のリンクを辿っていく。
「そんで未経験にも出来る金策だったら、やっぱこういう系かなと」
ニレが見せたページには素材収集系のクエストがズラリと表示されていた。
恋が携帯端末の画面をスワイプしてクエストの一覧を流し見しながら感嘆の声を上げた。
「素材収集だから、要はこれを持ってきて納品すりゃいいって話だよな?わかりやすくて良い」
「そうなんだけど、実は収集系のクエストにも二種類あってね……」
「この『恒常募集』っていう項目かしら?」
「そう。素材収集クエストには個人とか民間の企業がやってる一回限りのやつと、クイーンズオーダー運営が常に出してる恒常募集っていうのがあるんだ。恒常募集は運営が締め切るまでずっと納品し続ける事が出来るんだよ」
ルビーが目を光らせた。
「……んんー??でもこの買い値、どれも相場よりちょっと安いわよね?」
「まぁそこは仕方ないよ、でも販売経路を持ってない個人が素材だけ大量に持ってても捌ききれないでしょ、通販とかじゃ限界あるし」
「なるほどねえ、そういう意味では足元見られてるって事ね」
「おお!聞いてみるもんだな。ありがとうな、ニレ」
「いえいえ、これくらい気にしないでよ……というか、私から皆に提案があるんだ」
「提案?」
「ここにいる五人で素材収集行ってみない?素材収集はチームで行った方が効率がいいし、それにちょっとしたアテがあるんだ」
「いいのか?そこまでしてもらってよ?」
「ふむ……試しで一回やってみるのも面白いかもね」
「そうねえ、付き合ってあげてもいいわよ……今月のお小遣い、ちょっと心許なかったし♪」
幸いな事に皆、ニレの話に興味を持ってくれたが、メゾーレだけは難色を示した。
「……私は遠慮しておきます。ジュラルバーム家の者が不用意に街の外を出歩く訳にはいきませんもの」
大体メゾーレへの借金を返済するという話なのに、どんな顔して付いて行けば良いと言うのか。
「……あのー、お嬢様?」
「なにか?」
氷の令嬢モードになったメゾーレが冷たい視線でニレを見返した。
「……お嬢様、体育とか実習系の授業、かなりサボってますよね?単位大丈夫ですか?多分一緒に来た方が良いと思うんですけど」
「えっ?…………えっ???」
その後計算してみた結果、絶妙に単位が足りない事が発覚したメゾーレも半ば強制的にクエストに参加する事になった。




