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ハジマリノヒ  作者: うぐいす
女王学園の冒険
293/298

女王学園の冒険23

 入学式から一か月程時間が経ち、そろそろクラスメイトとも打ち解けて仲良しグループでも出来ようかという頃。

例の五人が一緒になったクラスでは未だにクラスの中で浮いてるヒトが三名いる。


 一人目はこの学園都市を統治するジュラルバーム家の一人娘、メゾーレ・ジュラルバーム。

といっても彼女がクラスメイトと馴染もうとしないのは社交性の欠如というよりも本人の意思なので、どうしようもない。

メゾーレはこれでも独断でジュラルバームの最高戦力である騎士団を動員出来る権力を持っている。

そんなヒトが『寄って来るな』と態度で表しているのに、誰が近づけようか。


 そのあまりの取り付く島の無さは学生達の間では既に有名になっていて『氷の令嬢』なんて裏で勝手なあだ名を付けたりしては、こそこそ噂されたり、勝手に非公式のファンクラブが出来たりしている。

メゾーレが友人を作りたがらないのは別に彼女の性格に問題がある訳ではなく、相手を慮っての事だ。

その原因は彼女の母親『拷問女王』(トーチャークイーン)マリィ・ジュラルバームにある。

街を統べる拷問女王は、悪い意味でスーパー自由人であり、学園都市になった現在も公開処刑が行われたり、女王に逆らった者が拷問される様子を生配信したりとやりたい放題だ。

というか娘であるメゾーレですらおしおきと称して拷問を受けた事がある。

兎にも角にも、そんな母親の姿を見て育ってきたメゾーレは母親を大層恐れており、それが自分以外の他人に及ぶ事も同じ位に恐れていた。

『氷の令嬢』と呼ばれ、他人を遠ざける少女の悲劇は自身が両親の異常性を全く引き継がなかった事だ。


・・・


 クラスで浮いてるヒトの二人目はマイ・アズマット。

彼女はこの前のバス襲撃事件での戦いっぷりを収めた動画が何故かネットに流出してしまって、尻尾から敵の身体に毒を撃ち込んで、過剰再生を起こして肉団子になった敵を短剣でメッタ刺しにしながら半狂乱で嗤う衝撃映像は一時期ネットで話題になり、広く拡散されてしまった。

それは当然クラスメイト達の知るところであり、その衝撃映像を乗り越えて彼女と友達になりたいという勇者は居なかった。

マイ本人も他人に対しては興味が薄いのも相まって気にしていない様だ。


・・・


 栄えあるぼっちの三人目は獅子群 恋。

新月街からやってきたデカい強面のヤンキーで獅子の因子が発現した逞しい体躯と、それがさらに本人の態度のデカさと目つきの悪さが究極融合してしまい、とにかく悪目立ちする。

それにプラスして新月街下層の孤児院から『お情け』の慈善事業で『たまたま』女王学園に入学できたに事などに対するやっかみなんかも合わさって「努力してないくせに」「生意気」「目ざわり」「スラムの貧民はここに相応しくない」とクラスメイトのみならず、学園都市全体から嫌われている。


 入学初日から早速喧嘩を売られ続け、その全てを買い、なおかつ勝利し続けている。

入学から二週間目に勃発したジュラルバームのヤンキー三大勢力が手を組んだ『獅子群恋討伐連合』総勢300名との大喧嘩には騎士団も出動する大騒ぎになり、その噂は盛られまくり、学園都市のヤンキー達の間では生ける伝説になりかけている。

そうしたら今度は恋を倒して名を上げようとするチャレンジャーが何処からか湧いて出て来た。

憧れのヒト、ストメアの背中に追い付きたいあまり『売られた喧嘩は絶対に買う』という信条を自分自身に課している恋は、今も喧嘩の連勝記録を伸ばし続けている。


・・・


 さらに最悪な事にマイと恋は隣の席になっており、お互いが気に入らないらしく仲が悪い事だ。

二人が殺し合いみたいな雰囲気になる度に学級委員長になったクオリア・ルビーとメゾーレのお目付け役のニレ・タリスマンが仲裁する事でなんとかクラスの平和が保たれていた。

クラスメイトのモブたちは思った。


(俺、もしかして前世で悪い事したのかな……?)

(私が一体、何をしたっていうのよ……)

(クラス替えー!!!早く来てくれ―!!!間に合わなくなっても知らんぞーッ!!)


しかしそれを実際に口に出して言える者は無く、クラスの雰囲気は相変わらず危ういままだった。

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