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DFrontier夢遊辺境  作者: V-CO
第一夢章:明晰夢

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夢章一 7『辨夢』

「それで……俺が連接体になるとしたら、何をすればいいんだ?」


 真夢の声が書架の間に広がっていった。


 コロリアは彼を見つめ、蛍光色の瞳が微かな光の中で一瞬留まり、そして静かにうなずいた。


「どうやら決心がついたみたいね。」


 そう言って、コロリアは背を向け、背後にそびえる高い書架へと歩いていった。


 彼女の足音はとても軽く、靴底が地面に触れる音はほとんど聞こえなかった。


 そしてその時、真夢は彼女の足が裸であることに気づいた。白い足の甲が書架の間の微かな光の中で、小さな陶器の表面のように見えた。


 コロリアは一つの書架の前で立ち止まり、手を上げてその中から一冊の本を引き抜いた。その動作はゆっくりとしており、指が背表紙を滑らせてから、正確に一冊の端を挟み込んだ。


 軽く数ページをめくり、最終的に一つのページで指を止めた。


「——このページの内容をすべて覚えてほしいの。だってここを離れたら、あなたはこの本を二度と見つけられないんだから。」


 コロリアは振り返り、その本を真夢に差し出した。


 背表紙が真夢の方へ向けられており、まるで両手で受け取るべきものを手渡すかのようだった。表紙は濃い紅色で、表面にはほとんど光沢がなく、細かい紋様があるのがかすかに見えた。


 真夢は手を上げ、しばらく迷った後、それを受け取ることにした。


「なっ————」


 指先が背表紙に触れた瞬間、奇妙な感覚が彼の指を伝って這い上がってきた。それはまるで砂漠の中で水の流れに触れたかのような感覚だった。


 正確に言えば、それは水だと思ったが、すぐにその水の感触は炎の温度へと変わった。二つの矛盾する質感が、彼の手のひらの同じ皮膚の上で同時に広がっていった。まるで誰かが彼の神経の末端に、二つの全く異なる文を同時に書き込んだかのようだった。


 本全体は深い色の革で作られているように見えたが、手のひらに触れる感触はどうしても革には思えなかった。むしろ柔らかな風、あるいは固体に圧縮された空気のようだった。軽くて滑らかで、手から滑り落ちそうな錯覚を伴っていた。


 開かれたページに目を落とすと、そこには脳の解剖図が描かれていた。線は精細で、多くの注釈が記されている。かつて医学生だった真夢にとって、この構造はあまりにも見慣れたものだった。彼は目を閉じても、その領域の名前と対応する機能を言うことができた。


 しかし図の周囲には、彼にはまったく解読できない文字が散らばっていた。それらの文字の筆跡は奇妙で、既存のいかなる言語の書記体系にも似ていなかった。中には砕かれて再び組み合わされたような小さな図案のように見えるものもあれば、複雑な幾何学模様のように見えるものもあった。


「これは……」


 真夢は頭の中でそれらの文字を何度も反芻してみたが、その意味を理解することはできなかった。


「あなたに読めなくて当然よ。だってこの本はそもそも現実世界には存在しないんだもの。だからそこに記されている内容も、あなたたちの現実世界に存在する文字じゃないのよ。」


 真夢が少し呆けているのを見て、コロリアが説明した。


「……」


 真夢は顔を上げなかった。彼の視線は依然としてそれらの文字に留まり、目でゆっくりとその輪郭をなぞっていた。


 そして彼の視線は図の中のある領域で止まった。


「海馬体……?」


 本の内容のいくつかの箇所が脳の海馬体を指し示しており、真夢の視線もそこで止まった。


 真夢はこの部分の重要性をよく知っていた。それは大脳皮質の内側、側頭葉の深部に位置し、主に短期記憶の保存・変換や空間認識を担当する。大脳辺縁系の構成要素であり、現在経験している出来事——時間、場所、人物、感情などを含むすべての内容を長期保存する役割を担っている。それがなければ、過去は空白になり、現在の一瞬一瞬は次の瞬間には完全に忘れ去られてしまう。


「そうよ。これは図書館でいうところの検索目録みたいなもの。それを失えば、本はそこにあっても呼び出せなくなってしまう。そしてあなたの目標の一つは、その検索目録を安定して稼働させ、他の人々がそれらの『本』を呼び出せるようにすることよ。」


 コロリアの声が彼の思考の端で響いた。


 それを聞いて、真夢は再びページの内容に視線を落とし、より多くの情報を得ようとした。


 しかし文字が違うため、真夢にはこのページが何を伝えようとしているのかを推測することがどうしてもできなかった。だがまったく成果がなかったわけではない。真夢は気づいた——ここの文字の一部は海馬体に関係しているだけでなく、海馬体と密接に連携する別の構造を指し示すものもあったのだ。


「扁桃体……」


 側頭葉の内側、海馬体のすぐ前方に位置する。外界から大脳新皮質に入力される様々な情報に対応した情動を生成し、情動記憶を符号化し、注意の統合や身体の他の機能を調整する役割を担っている。


「つまり、このページは何を伝えたいんだ?まさか、ただこれらの脳組織の役割を分析させるためだけじゃないよな?」


「もちろん違うわ。」


 コロリアの口元がわずかに上がり、真夢を称賛するような表情を浮かべた。


「もしあなたに退屈な医学知識を分析させるだけだったら、私がここに現れる必要なんてなかったもの。」


「じゃあ、一体何を伝えたいんだ?」


 真夢は本を差し返した。明らかに、彼はコロリアが伝えたいことを理解できず、また深く理解する気もなかった。


「人間が夢を見るとき、この二つの組織は脳内で踊るように絶えず動いているの。一つは夢の中で絶えず活動し、もう一つは内容を再生してキャッシュを削除している。あなたがこのことを夢の内容と結びつけて考えれば、もっと違った答えに辿り着くはずよ。」


「夢と結びつける……か。」


 真夢はその言葉を低く繰り返した。そして視線を下ろし、さっきまでその本を握っていた自分の指に落ちた。


「……確かにそうだ。」


 真夢はゆっくりと口を開いた。


「入眠時には前頭前野背外側皮質がオフライン状態になり、扁桃体は理性や論理の制約を完全に受けなくなる。だからこそ、夢の中での恐怖や怒り、狂喜や落下感は、現実の体験よりもはるかにリアルで激しいんだ。」


「賢いわね。」


 コロリアの声には明らかな称賛の響きがあり、目も先ほどより輝いていた。


「あれは夜になると、監督のいない即興俳優みたいなもの。あらゆる感情を最高潮まで引き上げちゃうの。」


「それなら——」


 真夢の視線が地面から上がり、再びコロリアの顔に落ちた。


「——海馬体は新皮質に向けて記憶を再生し、同時に時間的な印を残す。鋭波リップルを通じて、現実世界の情報を夢の中で高速再生し、その後パターン分離と強制忘却——つまりREMの二つの段階を経る。これがこの二つの組織と夢の内容を結びつけたものってわけか?」


 コロリアはすぐには答えず、静かに数秒間そこに立っていた。そして彼女の口元がゆっくりと上がり、より明るい笑みを浮かべた。


「賢い!とても賢いわ!それが、ほとんどの人の夢が寄せ集めで因果律がなく、目覚めた後にはすぐに忘れてしまう理由なのよ。正直言って、あなたの能力は私の想像以上だわ。」


 真夢の答えを聞いて、コロリアはまるでとてつもない宝物を見つけたかのように、目を輝かせて興奮した様子を見せた。


「でも、それが俺が連接体になることと何の関係があるんだ?これはせいぜい現代科学の知識に過ぎないだろう。」


 口元を押さえて笑うコロリアに、真夢は困惑しながら尋ねた。


「もちろん関係あるわよ。」


 コロリアは視線を落とし、手にした本を見つめた。


「だってその科学理論のうちの一つが、あなたには当てはまらないんだもの。気づかなかったの?」


「——!」


 それを聞いて、真夢の瞳孔が微かに収縮した。


 彼はうつむき、さっきまでその本を握っていた自分の手を見た。そして、彼自身が口にしたあの言葉たちが、彼の頭の中で再び並べ替えられ始めた。


 REM段階、夢の忘却、高速情報再生、パターン分離、強制忘却——


 それらはすべて自分には当てはまらない。彼は夢の内容をすべて覚えている。細部も、順序も、色も、匂いも。彼は高速再生や強制忘却を経験したことがない。ただ等速で、安定して情報を受け取っている。まるで他の誰かが早送りで映画を見ている間に、彼は通常の再生速度に設定されているかのようだった。


 それに、彼の学んだ知識によれば、後半の夜に頻繁に目覚めることは、海馬体のファイル整理を中断することになり、長期的には記憶問題を悪化させるはずだ。しかし彼は自分の記憶が損なわれたと感じたことは一度もなく、むしろより鮮明になっているとさえ思っていた。


「……」


 頭の中で整理がついた後、真夢は沈黙した。


「どうやら理解したみたいね。自分がどれだけ特別なのか、私がもう一度詳しく説明する必要はある?」


「……」


 真夢は答えなかった。彼の視線は自分の手のひらに落ちており、まるで今までじっくりと見たことのない物を見ているかのようだった。


「あなたのような能力を持つ人間は、【夢喰い】の症状を完全に回避することができるの。それが私があなたを訪ねた二つ目の理由よ。」


「……【夢喰い】?」


 コロリアの言葉を聞いて、それまで落ち込んでいた真夢は一瞬で冷静さを取り戻した。


「そう。この症状を持つ者は、無意識のうちに自分の精神を蝕んでいくの。あなたに理解できる言葉で言えば、彼らはまずREMの第二段階——フィルタリングと分離のプロセスを失い、次にREMの第一段階——再生機能を徐々に停止させていく。最終的には夢と現実の間を永遠に彷徨い、主体性を完全に喪失してしまう。」


 主体性の喪失。


 真夢は頭の中でその言葉を反芻した。彼はそのような症例を見たことがある。教科書で似たような状況を読んだこともあるし、先輩たちが話すのを聞いたこともある。しかしそれらの記述では、それらの症状は特定の神経疾患や精神疾患の末期症状として分類されていた。どの教科書も「夢喰い」という言葉でそれを説明してはいなかった。


 一度主体性を失えば、自分自身の精神の王ではなくなる。『自分は誰か』を定義できなくなり、『何を望むか』を主張できなくなり、『自分の境界はどこか』を確認することさえできなくなる。根源記憶の崩壊は、あなたを完全に消滅させる。あらゆる感情が無限に増幅され、自己意識が徐々に解離され、最終的にはただの【空殻】になる。


「つまり……俺がすべきことは、他の人が夢喰いにならないようにすることか?」


「違うわ。」


 コロリアは首を振った。


「あなたが世界中の何十億人もの人間を救えるわけがない。世界中のすべての優秀な医者を集めても、全員を救うことなんてできない。あなたに課せられたのは、別の任務よ。」


 そう言って、コロリアは再び手にした本を開き、指をページの間で滑らせてから一つのページで止めた。そして本を裏返し、ページの内容を真夢の方に向けた。


「これは……人か?」


 真夢は目を細めた。ページには人体の全身図が描かれていたが、輪郭はぼんやりとしており、水でにじんだ墨絵のように曖昧だった。


 よく見ると、そのプロポーションがどこかおかしいことに気づいた。四肢が異常に長く、頭蓋骨の形も正常な人間とは違っていた。顔にはかすかに一本の線が走っているように見え、よく見るとそれは耳の付け根まで切り裂かれたかのような口だった。ただしこの生物には耳も、目も、鼻もなかった。


「いや、これは一体……」


「『人』と理解しても構わないわ。でも彼らは本質的にもう『人』とは言えない存在よ。彼らには【夢喰い】という専用の呼称があるの。彼らはしばしばあなたたちの親しい友人や家族に成りすまして、夢の中で交流し、生活しているの。」


「【夢喰い】……」


 SF小説にしか出てこなさそうな言葉だった。


 真夢はその言葉を低く繰り返した。彼の視線は依然として、ページの上にあの輪郭の曖昧な全身図に留まっていた。そのバランスを欠いた四肢と空虚な顔のラインが、彼の視野の中でゆっくりと沈み、彼の頭の中で段階的に消化されていった。


「つまり、人が夢喰い現象に陥る一方で、夢喰いという生物が存在するということは、その生物が夢喰い症状の患者を狙って傷つけるということか?」


「それだけじゃないわ。」


 コロリアの視線がページから上がり、真夢の顔に落ちた。


「彼らはその機会を利用して患者の身体に侵入し、主体性を乗っ取るの。そして夢を繁殖媒体として、少しずつ同類の数を増やしていくのよ。」


「なに————」


「そう、彼らは現実に入り込むのよ。」


 それを聞いて、真夢の背筋に明らかな冷たさが走った。


 夢が現実に介入する。


 もしコロリアの言う夢喰いが本当に、夢の中で知り合いに成りすます存在だとしたら——「夢で知り合いに会った」というあの経験のうち、どれだけが本物の知り合いで、どれだけが……別の何かなのだろうか?


 しかもこの生物は、夢喰い症状の患者の主意識を乗っ取るために夢を利用し、そのまま現実に入り込み、人間として現代社会で生活するという。それも本当なら、現実の親しい友人や家族は、まだ『人間』と言えるのだろうか?


「今のあなたの顔、まるで幽霊でも見たみたいな顔してるわよ。」


 コロリアの声が聞こえた。それが慰めなのかからかいなのか、真夢にはあまり判断できなかった。


「慣れればいいわ。初めてこんなことを知るんだから、その反応は普通よ。」


「……」


 真夢が唇を動かし、何かを言おうとしたその時————


【——————————————————!】


 鋭い音が彼の聴覚を一瞬で貫いた。


 その音は先ほどのあの貫通的な呼び声とはまったく異なっていた。今度のはより耳障りで、より急促で、何か金属製の器具がガラスの表面を繰り返し擦るような音だった。


「うっ————」


 真夢は本能的に両耳を塞いだ。しかしその音はそれによって弱まることはなく、むしろ彼の手のひらを貫通して、直接頭蓋骨の内部で共鳴しているかのようだった。瞬時に、真夢は膝の力が抜けるのを感じ、身体が前方へ傾き、片手で冷たい地面を支えた。


 そして彼は、書架が歪み始めるのを見た。遠くの背表紙が水面に映った影のように揺らぎ、端から波打ち、引き伸ばされ、砕け散った。その波紋は視野の縁から中心へと広がり、通過した場所のすべての形が解体されていった。


 同時に、自分の身体が少しずつ歪み、部位の感覚が少しずつ希薄になっていくのを感じた。


「コロリア……これはどういうことだ……?」


 真夢が顔を上げると、もともと目の前に立っていたコロリアの姿はすでに消えていた。彼女が立っていた場所には、小さな空っぽの光の領域だけが残されていた。藍灰色の長袍も、墨色の長い髪も、あの蛍光色の瞳も——それらすべてが消え去っていた。


 再び周囲を見渡すと、書架の群れが地下へと沈み始めていた。あの高くて見上げても終わりの見えない書架たちが、ゆっくりと不可逆的に下降し、背表紙の文字や記号が水面に飲み込まれる影のように、一層ずつ消えていった。


「これは————」


 言葉が終わる前に。


 最後の感触が彼の足の裏から引きはがされた。彼はある方向へ——あるいは存在しない方向へ——一瞬だけ落下しているのを感じた。


 そして、すべてが空白へと戻った。


 ——何もかもが、なくなった。

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