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DFrontier-夢遊辺境  作者: V-CO
第二夢章:共夢

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夢章二 21 『静止する二人』

 通りを抜け、人混みをかわし、位置を確かめる。それがカクと真夢が夢映を探す途中で繰り返した行動だった。


 通り全体で、馬車の車輪が石畳を軋む音が時折響く以外に、最もはっきりと聞こえたのは真夢自身の足音だった。靴底が地面を叩くリズムは、周囲の通行人の落ち着いた歩調とは明らかに異なっていた。遠くから短い破裂音がかすかに聞こえたが、真夢にはそれを深く考える余裕はなかった。


 周囲から次々と視線が投げかけられた。立ち止まって見送る者もいれば、一瞥してすぐに手元の作業に戻る者もいた。しかしどのような視線であろうと、真夢には構っている暇はなかった。今唯一重要なのは、夢映を見つけ出すことだった。


 しかし、一つの疑問が彼の頭から離れなかった。夢に入った瞬間からずっと付きまとっている疑問だった。


 なぜ夢映が百メートル以上も離れた場所に現れたのか?


 前回のホテルでは、二人は一メートルほどの距離で眠りにつき、夢の中でもほぼ同じ位置に現れた。今回は現実ではわずか数歩の距離だったのに、夢の中ではこれほど大きな隔たりが生じている。


 入夢の途中で何かが狂ったのか、それとも現実の二人の間に何らかのズレが生じているのか?


「顔色がどんどん悪くなっているニャ。そんなに心配していると、判断を誤るぞ。」


 肩の上でカクが身を低くして言った。四本の爪が交互にバランスを調整し、彼の肩から滑り落ちないようにしている。


「分かっている。だが、ここはまだ未知の領域だ。一秒ごとに危険が増す。だから今は目の前のことを片付けるのが先決だ。」


 真夢はカクに答えながらも、歩幅を緩めることはなかった。


 この調子ならすぐに夢映を見つけられる。合流し、情報を交換し、この区域の特異性を把握し、突破口を見つけ、目覚めて現実に戻る。その手順は頭の中で二度も繰り返されており、彼はほとんどその既定のルートに従って前に進んでいた。


 そう考えているうちに、無意識に足がさらに速くなった。カクは不意に横へ滑りそうになった。


「うわあ————! もっとゆっくり走ってくれ!」


「ゆっくりしている暇はない。こんなところで時間を浪費していれば、いつか必ず何かが起きる。クローリア! あとどれくらいだ?」


「すぐそこ、交差点を左に曲がったところよ。」


 その情報が耳に入るや否や、真夢は交差点に向かって駆け出した。


 両側の建物が視界の端で急速に後退し、やがてどうでもいい残像へと変わっていった。目標に近づくにつれて霧はますます濃くなり、石畳の隙間には薄い湿り気が浮かび上がり、足元の感触が先ほどとは微妙に変わっていた。


 しかし、近づけば近づくほど、胸の不安は膨れ上がり、息苦しささえ感じ始めた。走りすぎたせいなのか、それとも緊張が喉元まで這い上がってきたのか、真夢には確かめられなかった。


「うっ……」


 真夢は息を呑み、無意識に歩調を緩めた。


 ゆっくりと、足取りが次第に鈍り、やがて止まった。


「……どうしたニャ?」


 足下の動きがなくなったことに気づいて、カクが首を傾げて彼を見た。


 真夢の視線は前方の白く渦巻く霧に釘付けになっていた。数秒の凝視の後、彼の肩が張り詰め、かかとがわずかに後退した。


「一体どうしたんだ? 今立ち止まるのはかえって時間の無駄だ。このまま左に行けば彼女に会える。君もここが危険だと言っていただろう、だから——」


「カク……」


 カクがまくし立てていると、真夢が低い声で遮った。


 突然の低い声に、カクは一瞬固まり、爪が無意識に彼の服の生地に引っかかった。


「……俺の身に死の匂いがするって言ったよな。もしかすると、それはこの霧のせいかもしれない。」


 真夢は手を上げ、指を伸ばして前方の渦巻く白い霧を指さした。


 カクは彼が指し示す方向を見て、瞳孔を徐々に収縮させ、毛が逆立ち始めた。それまでカクの注意はすべて真夢に向けられており、霧の中の異変に全く気づいていなかった。


 白い霧の奥に、いくつかの黒い影が浮かび上がっていた。かすかに人の形をしているが、人間の気配は微塵もなかった。それらの輪郭の縁はぼやけて不定形で、霧そのものが絶えずそれらの形態を飲み込み、作り変えているかのようだった。


 さらに不気味なことに、周囲の通行人はいつの間にか姿を消していた。車輪と石畳の擦れる音も消え去り、空気には霧が渦巻く低い音と微かな風の音、そして二人自身の息遣いだけが残されていた。


「どうする、逃げるか……?」


 目の前の光景を確認して、カクは慎重に真夢の耳元に口を寄せた。


「いや、今はまだ動いていない。軽率な行動は避ける。」


 口ではそう言いながらも、真夢の足はすでにゆっくりと動き始めていた。まず地面を擦り、次に爪先をわずかに横に向け、かかとをそっと浮かせて、ほとんど音を立てずに左へとずらした。一歩、二歩、三歩……


 幸い、黒い影たちは行動を起こさなかった。しかし、彼らも見逃しているわけではなかった。霧越しに彼らの頭部が常に真夢の方に向けられているのが分かり、その視線が背中に突き刺さるように感じられた。


 心は不安でいっぱいだったが、真夢は振り返らなかった。


 ここまで来て引き返すのは愚かだった。少なくとも夢映を連れ戻さなければならなかった。完璧な状態で。


 彼はそうやって少しずつ左の交差点へと移動していった。カクも体を低くし、尻尾まで引き締めて、わずかな余計な動きで怪しい存在たちを刺激しないようにしていた。


 真夢がまさに左の交差点に到達しようとしたその時——


「真夢、新しい情報があるの。」


「うっ————」


 クローリアの声は絶妙なタイミングで、彼が交差点に足を踏み入れようとする瞬間に落ちてきた。


 黒い影たちがまだ動いていないのを確認して、真夢は素早く左へ大きく一歩踏み出し、ようやくそれらの視線の範囲から抜け出した。異常がないことを確認してから、彼は長く息を吐き出し、ようやく返答する余裕ができた。


「こっちの状況を考えてくれよ……こんなことは後で言っても構わないだろう……!」


 声は低く抑えられていたが、その怒りは隠しきれなかった。


「何よ、情報提供者として、情報をすぐに伝えるのが悪いの?」


「悪くないと言っているわけじゃない。でも、まずは俺の状況を考えてくれ。」


「うーん……やっぱり言った通り、君の周囲の状況は私には分からないのよ~」


「……くそっ。」


 その言葉を聞いて、真夢は歯を食いしばり、怒りを必死に飲み込んだ。


 クローリアが本当に周囲の状況を把握できていないのか、それともこのタイミングでわざとからかっているのかは分からなかった。しかし、いずれにせよ、この問題はひとまず置いておくことにした。今はまず人員を集めることが最優先だった。


 ただし、動き出す前に、彼女が持ってきた情報を聞くことにした。


「それで、新しい情報って何だ?」


「内容は変わっていて、タイトルもなく、この地域の現象についてだけが記述されているの。」


 クローリアの語調が少しゆっくりになり、言葉を選んでいるようだった。


「手短に頼む。」


「あらあら、相変わらず急いでいるのね。分かったわ。その現象の特徴は、霧が濃くなり、実体を追い払うこと。そして霧の中に奇妙な黒い影が現れること。それらの影には好奇心を持たない方がいいわ。なぜなら彼らは一般的に攻撃的だから。」


 攻撃的……?


 その言葉に、真夢は微かに眉をひそめた。実際には何の攻撃も受けていない。せいぜい見つめられていただけだ。もしクローリアの言う通り攻撃的なら、彼らはとっくに手を出してきているはずだった。


「待ってくれ。確かにさっき影を見たが、彼らは攻撃してこなかった。せいぜいじっと見つめてくるだけで、どこが攻撃的だって言うんだ? 君の情報は真偽が混ざっているんじゃないのか?」


「もし私の情報が偽物なら、君はもうとっくに死んでいるわ。私と情報の真偽を議論するよりも、まずは彼女を探しに行くことね。」


 クローリアの反撃は簡潔で、一切の余地を残さなかった。


「……分かった。」


 通信を終えると、真夢は再び歩き出した。


 彼女の言う通りだった。この異様な世界で今まで生き延びてこられたのは、クローリアの情報と支援に大きく依存している。その内容がどうであれ、少なくとも生存という点では、彼女の助けは確かなものだった。


 しかし、この世界に入る原因が彼女に関係しているかどうかは、今もなお不明だった。真夢はその真実を聞きたいと思っていたが、様々な障害がまるで意図的に立ちはだかっているようだった。クローリア自身もその点については口を閉ざしている。彼女がすべてを知っていながら沈黙を選んでいるその顔を思い浮かべるだけで、胸の詰まりが再び押し寄せてきた。


 おそらくもうすぐ会うからだろう、真夢の頭はむしろいくぶん冷静さを取り戻し、思考が今の状況を整理し始めた。


 まずは霧の中の黒い影。クローリアはこれらの影が攻撃的だと言っていたが、先ほど真夢とカクは襲われなかった。ただし「実体を追い払う」という点は確かだった——周囲の通行人は確かに姿を消していた。この情報の信頼性は、ひとまず真半分偽半分として真夢の頭の中に刻まれた。


 次に夢映の位置のズレ。もし現実の物理的距離では説明できないなら、意識や精神のレベルから考える必要があった。眠る前に自分が発した言葉が、彼女に何らかの感情の揺れを生じさせたのか? もしそうなら、入夢前の精神状態が夢の中の位置座標に直接影響を与えるということになる。この推論はひとまず合理的としておく。


 最後に、フロサスの位置づけ。クローリアはここも異次元の非ユークリッド空間だと言っていた。しかし、もしこれが単なる一地域に過ぎないなら、真夢と夢映、そしてカクはどのようにしてこの場所に引き込まれたのか?


 無限回廊から脱出した後、彼はその点について考えていた。まず能動的な進入の可能性は排除した。もし自己の意志で入ったのなら、入るべきは通常の夢であり、現実と夢の間にあるこの夾層ではない。外力の介入も短い間疑ったが、夢喰いが人間の意識をこのような階層にまで強制移動させられるとは思えなかった。もし彼らにそんな能力があるなら、人類はとっくに支配されていただろう。


 そう言えば——


 目的。これが最も核心的な問題だった。


 この世界に入るのは、単にぶらつくためではないはずだ。クローリアが提供した情報以外にも、この街には必ず何か別のものが隠されていて、発見されるのを待っているはずだ。


 思考が巡るうちに、真夢は一つの路地の入り口の前で立ち止まった。


 周囲の華やかなヨーロッパ風の建物とは対照的に、この路地は暗く狭く、光は入口の一角だけを照らし、奥は闇に飲み込まれ、その先すら見えなかった。十中八九、行き止まりだろう。


 さらに不快だったのは、内部から漂ってくる異臭だった。発酵しすぎたゴミの奥底から染み出る酸っぱい腐敗臭に、何か本能的に忌避するような生臭さが混ざっていた。真夢は思わず口と鼻を覆い、胃の底が激しく逆立つのを感じた。


「……うにゃ、なんで君はいつも変な場所で立ち止まるんだ。」


 横のカクが爪で口と鼻を覆い、顔全体をしかめた。


 それでも真夢の視線は路地の奥に釘付けられ、足は一歩も動かさなかった。


「おい、まさか入るつもりじゃないだろうな?」


 カクが信じられないといった様子で尋ね、真夢の肩から飛び降りて路地の入り口の石畳に着地した。


 着地した瞬間、彼の鼻が微かに動き、その視線が地面に落ちた。昏い黄色の灯りが、小さな暗紅色の染みを照らし出していた。まだ完全には乾いておらず、縁には湿った光沢が浮かび、その形状は不規則で、高いところから滴り落ちて飛び散った跡であることが分かった。


 近づいて匂いを嗅ぐと、カクの背筋が一瞬で張り詰め、尾がまっすぐに立った。


「血……?」


 よく見ると、血痕は途切れ途切れに、一筋の軌跡を描いて路地の奥へと続いていた。どれも落ちたばかりのようで、血の色はまだ鮮やかで、中にはまだ完全に広がっていないものもあった。


 地面の痕跡を見て、真夢の胸の焦燥が急速に発酵し始め、苦い味が舌の根から広がった。


 良くない結果が、静かに芽生え始めていた。


 彼はカクの反応を無視して、ゆっくりと路地の奥へ足を踏み入れた。


 奥へ進むほど、闇は濃くなっていった。両側の高い壁がわずかな光を細い隙間にまで圧縮し、頭上では霧と軒先が空を切り裂いていた。幸い、目は次第に暗がりに慣れ、輪郭が少しずつ浮かび上がり始めた。


 やがて、彼はそれを見た。


 血痕の軌跡が、より大きな血溜まりへとつながっていた。血の主は地面に崩れ落ち、背中には三つの穴がはっきりと残っていた。その下の石畳は大部分が血に染まり、暗紅色の液体が石の隙間を伝ってゆっくりと広がっていた。その人物は真夢と同じ白衣を着ていたが、今は血で変わり果て、衿の部分だけがわずかに白さを残し、辛うじて最後の身分表示としての役割を果たしていた。


「……これは誰だ?」


 カクが真夢の後ろについてきて、その視線も地面の遺体に落ちた。


 そうだ、これは誰だ?


 真夢の心の中にはすでにぼんやりとした答えがあったが、それでもかすかな希望的観測——無駄だと分かりつつも捨てきれない、ほとんど哀れな執念を抱いていた。彼は前に進み、しゃがみ込み、その遺体をそっと仰向けに返した。


 裏返した瞬間、すべての希望的観測は粉々に砕け散り、結果が明らかになった。


「……嘘だ。」


 血の海に倒れていたのは、夢映だった。


 彼女の目は半ば開き、瞳孔は既に虚ろで、口元の血はすでに乾ききり、顎の先まで伸びた赤い筋だけが残っていた。胸の三つの貫通傷はひときわ目立ち、その縁の布地と肉は癒着し、暗紅色の液体がそこからゆっくりと地面に染み込んで、徐々に広がる輪郭を描いていた。


 真夢は手を伸ばして彼女の首元に触れた。皮膚にはかすかな余温が残っていた。その温もりは風前の灯のように、一瞬の触感が次の瞬間には完全に冷え去ってしまいそうだった。


 そして、真夢は夢映の後頭部に手を入れ、彼女の上半身を抱き上げた。石畳に張り付いた布地と血液が引き剥がされる時、背筋が凍るような粘つく音が響いた。


 死んだ。


 夢映が死んだ。


 その事実は雷撃のように、容赦なく真夢の全身を打ち抜いた。彼は自分がここで死ぬことさえ考えたことがあったが、夢映がこれほど短く、残酷な方法で命を奪われるとは、一度も想像したことがなかった。


 現実では? 彼女は突然目を覚ましたりしないのか? 無傷で目を開け、自分はただ悪夢を見ていただけだと気づき、目をこすりながらベッドから起き上がることはないのか?


 そうなるのか?


 真夢の頭の中は空白だった。


 彼は死を見てきた。死を経験してきた。しかし、どれも今の感覚には敵わなかった。真実でできた釘が、ある結論を彼の認識に深く打ち込んだ。


 夢映はもう目を覚まさない。カフェで彼の名前をからかう夢映も、ホテルの浴室で誤解を生んだ夢映も、黒猫を抱いて彼の家に飛び込んできた夢映も、もう二度と目を覚ますことはない。


 その時、冷たい風が彼の後首をかすめた。背後から足音が聞こえ、軽やかな言葉が流れてきた。まるで誰かが歌いながら近づいてくるかのようだった。


「ごめんね~彼女を始末するつもりはなかったんだけど、人が増えるとやっぱり面倒でね。だから先に手を打たせてもらったよ。怒ったりしないよね? あ、そうそう、君たちの関係をまだ知らなかったな。彼女は恋人? それとも兄妹? それとも別の何か? ねえねえ、返事してよ。」


 女の声だった。柔らかく、ほとんど無害なからかいを含んでいて、まるで旧友と天気の話をしているかのようだった。


 真夢は振り返って後ろの人物を確認しようとしたが、身体が急に力を失い、首は固まって回らなかった。ただ背筋を冷たい何かが這い上がり、四肢の先まで広がっていくのだけが感じられた。


「おーい、聞こえてる? 何か言って返事してくれよ。こっちが気まずいじゃないか……あら、ごめん、君が話せないことを忘れてたわ。」


 話せない?


 真夢は茫然と口を開けてみたが、喉には冷たい空気が流れ込むだけで、声は出なかった。必死に声帯を震わせようとしても、何の反響もなく、喉の奥から虚ろな風の音だけが聞こえてくるだけだった。


 その時、彼はようやく気づいた。


 夢映の遺体が彼の腕から滑り落ち、地面に落ちて鈍い音を立てた。カクは数歩先に立ち、背を丸め、尾を立て、その目には怒りと信じがたい驚きが満ちていた。前足は石畳の隙間をしっかりと捉え、いつでも飛びかかれるように構えていた。


 そして真夢は——


 身体の制御を失っていた。首のあたりを冷たい何かが這い、その感覚はますますはっきりとしていった。続いて、温かい痛みがゆっくりと這い上がり、皮膚が何か鋭利なもので切り裂かれたようだった。痛みが少しずつ深くなり、筋肉と神経へと染み込んでいく。


 どういうことだ?


 考える間もなく、視界が突然回転し始めた。いや、世界が回っている。いや、彼の頭が回っている。


「では、どうかおやすみなさい。」


 石畳の上で数回転がった後、真夢の視線はようやく止まった。


 彼は自分の首のない身体がゆっくりと膝をつくのを、白衣の裾が地面に垂れ、血がかかるのを見ていた。カクが自分に向かって飛びかかってくるのを、猫の口が何かを叫んでいるのを、しかしその声はもう彼の耳には届かなかった。


 そして、視線の終点は夢映の顔に落ちた。血まみれの顔で、目はまだ微かに見開かれ、虚ろな瞳孔には彼が遠ざかっていくすべてが映っていた。


 光が狭まり、音が剥がれ落ち、知覚がぼんやりとした闇の一点へと収縮していく。


 そして、何もかもが消え去った。

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