夢章一 21 『共眠の序章』
エレベーターのドアが開くと、廊下の暖かな黄色の壁灯が両側の壁に沿って並び、カーペットの上に均等な光の輪を落としていた。
真夢はエレベーターを降り、足を止めずに歩き出した。背後から続く足音は、彼の歩調よりも少し軽かった。
「わあ……」
夢映がホテルの廊下を見て、低い感嘆の声を漏らした。
廊下の両側には濃い色のカーペットが敷かれ、壁灯が壁面に暖かな黄色の光の輪を投げかけている。彼女の視線は壁灯から壁紙の模様へ、隅の装飾画から天井の線へと移り、それぞれのものに短い時間だけ留まり、次へと移っていった。
「ホテルに泊まったことはないのか?」
真夢は振り返らず、好奇心に満ちた夢映に問いかけた。
「泊まったことはあるけど……すごく普通のところばかりで。こんな場所は初めてだよ。」
「そうか。なら今夜は体験だと思えばいい。」
「体験……こんな場所で何を体験するの……?」
彼女の声は次第に小さくなり、おそらく言いかけて自分でもどう続ければいいのか分からなくなったのだろう。
真夢は答えず、廊下を進みながらドアのプレートに目を走らせ、数字を数えていった。
すぐに、彼は一つのドアの前で立ち止まった。金属製のプレートが壁灯の光を受けて鈍い光を放ち、そこには404の番号が刻まれていた。
「……」
真夢は鍵を鍵穴に差し込んだが、手はドアノブの上で止まった。
「……真夢さん? 大丈夫ですか?」
夢映の声が横から聞こえ、探るように真夢に問いかけた。
彼はまるで魔法にかけられたかのように固まり、指で鍵を強く押さえたまま、回そうとはしなかった。金属の鍵の縁が彼の指の腹にわずかに食い込み、細かい圧痕を残していた。
「あ、ああ……大丈夫だ。」
おそらく午後のあの一行のことを思い出したのだろう。真夢は自分がこれから何に直面するのか分からなかった。しかしそれでも彼はこのことに向き合うことを選んだ。この機会を逃せば、より多くの情報を逃すかもしれないからだ。
正気に戻った真夢は、鍵を回そうとした。
「……?」
指の関節が白くなるまで力を込めても、鍵は鍵穴に噛み込んだままで、まるで内側から何かに噛まれているかのように動かなかった。
「回らない……?」
彼はもう一度ドアのプレートの番号を確認し、鍵を抜き差しした。番号は合致し、鍵穴の形状も合致していたが、鍵はやはり回らなかった。もう一度力を込めて回そうとしたが、手首に血管が浮き出るほど力を入れても、鍵は微動だにしなかった。
しかも、鍵はどうやら鍵穴に噛み込まれたようで、抜けず、回らずだった。
「くそっ……どうなってるんだ?」
「……やっぱり開かないの?」
「ああ……それに鍵も抜けなくなった。」
鍵穴に噛み込まれた鍵を見て、真夢は微かに眉をひそめた。
「鍵穴の老朽化で、鍵が噛み込んだんじゃ?」
「ありえない。この規模のホテルでそんな初歩的なミスはあり得ない。それに、たとえ鍵穴が老朽化していても、わざわざ表示されるか、現場で修理されているはずだ。」
そう言いながら、真夢の視線は再びドアプレートに落ちた。
404。四階、四号室。
「404……」
その数字が突然頭に浮かび、その数字こそが部屋番号だった。
真夢は鍵を少し緩め、再び握り直して、逆方向に半回転させた。カチリという音とともに、鍵が解錠された。
「……え? どうして今急に?」
鍵が開く音を聞いて、夢映は信じられないというように言った。
「……」
真夢は解錠された鍵を見つめ、指で鍵の位置を押さえたまましばらく留まった。先ほど回した時には何の抵抗も感じなかった。そのあまりのスムーズさが、かえって彼に言いようのない違和感を抱かせた。
「あまりにも……簡単すぎる……」
「簡単? 何が簡単なの?」
真夢のつぶやきに、夢映が怪訝そうに尋ねた。
「いや、何でもない。入ろう。」
夢映の質問には答えず、真夢はドアノブを回して部屋の中へ入っていった。夢映はまだ戸惑いながらも、真夢の後ろについて部屋の中へ足を踏み入れた。
部屋の中の闇は廊下よりも濃かった。カーテンは閉ざされ、街灯の光だけが隙間から細長い明るい線を差し込んでいる。入り口のセンサーライトが点灯し、彼らの背後に小さな暖かな黄色の光の輪を投げかけた。真夢は壁のスイッチを探して押すと、天井の灯りが点き、白い光が部屋全体を満たした。
部屋は広くはなかった。ベッドには白いシーツがかけられ、きちんと折りたたまれている。枕の中央には浅い圧痕があった。ナイトテーブルの上にはランプ、リモコン、ホテルのインフォメーションブックが置かれている。すべての物がそれぞれあるべき場所に配置されていた。
真夢は部屋の中を一周した。バスルームのドアは開いており、中のタオルは整然と折りたたまれ、アメニティ類は一直線に並べられていた。カーテンの端は自然に垂れ、異常な皺は見られなかった。ベッドの上の圧痕は、アイロンがけの跡のように見えた。
「……」
真面目に部屋を点検する真夢とは対照的に、夢映は入り口付近に立ち、壁の方に視線を向けて、指でパーカーの袖口を引っ張っていた。時折、部屋の中を動き回る真夢を盗み見していた。
周囲の確認を終えると、真夢はベッドの端に腰を下ろした。
「夢映。」
「わああああ——、な、なに?」
夢映はその声に自分の思考から引き戻されたように、全身を弾ませた。
「さっきまで何を考えていたんだ……そんなに反応が大きいなんて……」
「な、何も考えてないよ!」
「本当か?」
「もちろん本、本当だよ!」
絶対に何か考えてるな……
夢映の反応を見て、真夢は一瞬で彼女が何か余計なことを考えていたと見抜いた。
「さて、用事がなければ横になろう。」
そう言って、真夢は靴を脱ぎ、ベッドの左側に横たわった。
「ちょっと待って待って——今ここで?」
「こういうことは早ければ早いほどいい。それに、ここで横にならずに何をするんだ?」
「でも……あまりにも急すぎるよ。」
「急も何もない。答えを得たいなら、こちらから動くしかない。」
「でも、それは動きすぎだよ——?!」
夢映の頬には明らかな紅潮が浮かび、耳の先までピンク色に染まっていた。
顔を真っ赤にして大騒ぎする夢映を見て、真夢は諦めのため息をついた。
「今の状況は君も分かっているだろう? クローリアもレゼロもあのことに口を閉ざしているのなら、私たちから積極的に問いかけなければならない。彼らが答えるのを待っているわけにはいかない。それに、もし本当に夢の接続が起こるなら、二人で行った方が話をしやすいかもしれない。」
「そ、それはそうだけど……」
「だから早く横になれ。さもないと質問できる時間が減るぞ。」
そう言って、真夢はベッドの右側を軽く叩いた。
夢映はしばらくその場で迷った後、ベッドの方へ歩み寄った。真夢との間に一腕ほどの距離を置いて横たわった。
二人は並んで横たわり、薄黄色の天井を見上げた。誰も先に口を開かなかった。二人の耳に届くのは、階下の通りから時折聞こえる車のクラクションだけだった。
すべてがとても静かだった。
「……ねえ、真夢さん。」
「ん?」
夢映が沈黙を破り、小さな声で言った。
「ホテルに泊まる時はいつもこうやって点検するの?」
「習慣だ。周囲の環境を確認しているだけだ。」
「でも医者だよね……探偵じゃないのに……」
「医者も環境は確認する。確認して初めて安心できる。」
先ほどの真夢の行動を思い出し、夢映は不思議そうに尋ねた。
「緊張しているのか?」
「緊、緊張なんかしてないよ。」
「でも君の手が震えている。」
「私、私の手は震えてなんかないよ。勝手なこと言わないで。」
「わかった。君の手が震えていないことを認める代わりに、君が僕の腕を掴んでいないことを認めてくれるなら、見なかったことにしてやろう。」
夢映は自分の手を見下ろし、自分が真夢の前腕を掴んでいることに気づいた。
「わあああああ、ごめん……」
「気にしなくていい。」
二人の間の空気がますます気まずくなっていった。
「……ねえ、真夢さん。」
「ん?」
「どうして医者になろうと思ったの?」
「……どうして急にそれを聞くんだ?」
「ただの興味だよ。あなたは最初から医者になりたいと思っていたタイプには見えないから。」
「そうか。俺は何に見える?」
「うーん……分からない。研究室で顕微鏡を見つめてぼんやりしてそうな人かな。」
「それも研究に関わる仕事だ。似たようなものだ。」
「だからどうしてなの?」
夢映にそう問われて、真夢は天井の小さな模様をしばらく見つめ、沈黙した。
「……分からない。ただ、自分の中の疑問を解き明かしたかったのかもしれない。あるいは、単に人を助けたかっただけかもしれない。」
「疑問?」
「ああ、子供の頃にたくさんの変な夢を見たんだ。夢の中のことをはっきり覚えていて、現実のことよりも鮮明に覚えているんだ。でも周りの人はみんな、俺がでたらめを言っていると思っていた。それで、自分で調べてみようと思ったんだ。」
「そうなんだ……それで、いつ自分の症状に気づいたの?」
「九年前だ。ハイリス病院で診断された。今、俺が働いている場所だ。」
「そんなに早く? 私は七年前だよ——」
「ふふ……実は、俺の症状は九年よりもずっと前から始まっていたんだ。」
ここで真夢の声が少し低くなった。顔には突然、複雑な表情が浮かんだ。
「ずっと幼い頃から、この症状は始まっていた。様々な変なものを夢に見て、目が覚めるとすべて覚えている。でも家族はみんな、俺がでたらめを言っていると思って、勉強を逃れようとしていると思っていた。その結果、殴られたり、叱られたり、部屋に閉じ込められたりした。あの時……本当にどうやって彼らに言えばいいのか分からなかった。」
「そんな……」
「その後、俺は賢くなった。誰にも夢のことを話さなくなった。自分の中にしまっておくだけでいいと。十六歳の時、一人で病院に行って検査を受けた。結果は……」
「結果はどうなったの?」
「何もなかった。検査報告書は俺の症状とまったく関係がなかった。すべての数値が正常範囲内で、器質的な問題は何もなかった。」
「それで……」
「病院を出て家に帰ったら、また殴られた。理由は、一人で外に出たからだ。それ以来、自分で医学を学ぶことに決めた。自分で学び、自分で研究し、自分の身体の答えを探すんだ。その後、医学部に合格し、様々な知識を学び、卒業して今の精神科医になった。」
「……」
「でも……」
真夢の声がさらに低くなった。
「精神科医でありながら、自分の症状を科学理論で説明できない。皮肉だけど、それも公平だと思う。どう思う?」
真夢は夢映の方に顔を向け、彼女の答えを待った。
「ふぅ……ふぅ……」
しかし、夢映はすでに眠りに落ちていた。顔の半分を枕に埋め、ゆっくりと自分の世界に沈み込む小さな動物のように、その呼吸は均等で長かった。
「……」
その光景を見て、真夢も視線を戻し、諦めの笑みを浮かべた。
「皮肉……それも公平か……」
真夢は天井を見つめながら、何かをぶつぶつとつぶやいていた。
すぐに、真夢も自分のまぶたが重くなっていくのを感じ、次第に眠りに落ちていった。意識が少しずつ現実の縁から離れていった。




