夢章一 12『求夢』
真夢はあの机の前に座り、指でページをめくり続けた。窓の外の日差しは机の中央から端へと移動し、彼の前にある本の影もそれに合わせて角度を変えていった。彼の視線は絶え間なく動いていた。一行の始まりから終わりへ、そして次の行の始まりへと飛び、その繰り返しが続いた。
しかしそれらの内容のほとんどは似たり寄ったりだった。ある本は繰り返し「夢は欲望の満たし」だと言い、満たされない願望が睡眠中に出口を探す方法だと説いていた。ある本は夢の解釈を星座占いと結びつけ、特定の星の下で見る夢は金運や恋愛運を意味すると主張し、見れば見るほど心理学の看板を掲げた占いマニュアルのようにしか思えなかった。
彼は「水の夢は金運」と書かれたページにも出くわし、その行を読んだ瞬間に指が止まり、思わず閉じて本棚に投げ戻しそうになった。しかし彼の指は結局それを離し、その本を机の一番右端に置き、二度と手に取ることはなかった。
結局、それらの本の中に、彼が今経験していることを本当に説明できるものは一冊もなかった。彼はすべての本を調べ、そのことを確認した。
最初の一冊がおそらくその中で最も価値のあるものであり、残りのものは似たような理論の繰り返しか、彼が真剣に取り組む気になれない内容ばかりだった。
「結局……何もわからなかったな。」
机の上の本を見下ろして、真夢は深く息を吐いた。
顔を上げて壁に掛かった時計を見ると、時刻はすでに午後二時近くを指していた。つまり、彼はこの場所に六時間も滞在していたことになる。
図書館の中の人も次第に増え始め、真夢の周囲を時折誰かが通り過ぎ、誰かが座り、誰かが立ち去る——それらの音が彼の知覚の端を絶えず掠めていった。
真夢はそろそろここを離れるべきだと考えた。何しろ図書館という広い場所でさえ、自分の症状を完璧に説明してくれる一冊には出会えなかったのだ。あるいは——自分の症状は、もはや本の文字で説明できる範囲を超えているのかもしれない。それならば、これ以上ここに留まる意味もない。
机の上の本を一冊ずつ積み重ね、きちんと揃えてから、真夢はそれらを胸に抱え、立ち上がって元の本棚へ向かった。返却するためだ。
彼の足音は静かな図書館の中では比較的軽かった。書架の前に立ち、真夢は一番上の本を手に取り、元の場所を見つけて差し込んだ。指で背表紙を押し、しっかりと収まったことを確認した。
二冊目を戻そうとした、その時————
「真夢……?」
「……?」
横から声が聞こえた。
その声はどこかで聞き覚えがあったが、耳に届いた瞬間、真夢の身体は脳よりも先に反応した。
彼の指は無意識に手にした本の背表紙を強く握りしめ、瞳孔がわずかに収縮し、全身が声のした方へと向き、身体が微かに強張った。
真夢は敏感になっていた。夢の中での出来事以来、誰かに自分の名前を呼ばれることに極度の警戒心を抱くようになっていた。特に、女性の声で呼ばれる時はなおさらだ。
しかし、幸いだった。相手の姿を確認すると、彼の身体はすぐに緊張を解いた。
「栞……?」
「まさか本当にここにいるなんて!」
栞は彼から数歩の距離に立ち、髪を低い位置で一つに結び、薄い色の便服を着ていた。彼女の顔には驚きと喜びの入り混じった表情が浮かんでいた。
「てっきり言うことを聞かずに病院で働いてると思ってたよ。結構素直じゃない?」
彼女の口調には、ようやく素直に休むことを受け入れた患者に対して向けるような、かすかな安堵が混ざっていた。
「はいはい……」
いつも通りの栞の優しい口調に、真夢はなぜかやりきれない気持ちになった。
栞はそういう人間だった。大学時代からずっと真夢の体調を気にかけ、彼が徹夜したり働きすぎたりするたびに、心配そうな口調で話しかけてきた。真夢は当時、そうした言葉をたいていは軽く流し、自分の不規則な生活を続けてきた。彼女はおそらく、そうやって毎日真夢に注意するパターンにすでに慣れていたのだろう。
「ところで、なんでお前がここに?今の時間帯なら仕事中だろ?」
「実はね……通りかかっただけ。そう、通りかかっただけ。」
「……」
栞の言葉はどこかぎこちなく、目線も壁のほうへと逸れていた。真夢は彼女を見て、その癖のある仕草をすぐに見抜いたが、わざわざ指摘しなかった。
「まあいいや……用事がなければ、もう行くよ。」
真夢はさっきまでの本をすべて本棚に戻すと、簡単に栞に一礼して立ち去ろうと、出口の方へ向き直った。
「待って——!」
栞が慌てて真夢を呼び止めた。その声には焦りが混じっていた。
しかし図書館の中はひときわ静かだ。栞の声は周囲に響き渡り、まるで水面に投げ込まれた石のように波紋を広げ、ひときわはっきりと聞こえた。周囲の数人が顔を上げて彼らの方を見たが、すぐにまた自分の手元へと視線を戻した。
栞もすぐに気づいて、慌てて口を押さえた。
「……」
真夢は足を止め、振り返って栞を見た。そして周囲の、顔を上げてはまた下げた読者たちにも一瞥をくれた。彼は入口の方に顎をしゃくり、外で話そうと合図した。
栞はその意味を理解し、うなずいた。二人は一前一後で図書館の外へ出た。
——————
外の日差しは図書館内の灯りよりもはるかに強かった。真夢は室内に何時間もいたため、瞳孔はあの柔らかな光に慣れてしまっており、突然の正午の日光に晒されて、目に鋭い痛みが走った。彼は目を細め、手を上げて光を遮った。
約三四秒経って、真夢の瞳孔はようやくその明るさに慣れた。
そして彼は手を下ろし、目の端を揉んでから、栞の方へ向き直った。
「……で、俺に何の用だ?」
真夢の口調には、かすかな諦めが混じっていた。彼はおそらく彼女が言おうとしていることをすでに察していた。彼女のことをよく知っているからだ——彼女が心配になって様子を見に来たのだろう。
「実は特に何ってわけじゃないけど……今日たまたま時間ができたから、あなたの体調を見に来たの。」
栞の口調は先ほどより少しだけ軽くなっていた。
「先に言っておくけど、もし俺の精神的な問題を研究しに来たっていうなら、やめておいた方がいい。もう探したから。俺の症状を説明できる内容はどこにもなかった。」
「あ、これ……」
心の内を見透かされた栞は、言葉を失い、うつむいた。
真夢は彼女を見つめながら、自分の言葉が彼女の真の目的を正確に射抜いたことを知った。栞は何かを知ったのだろう。あるいは、真夢の以前の反応から何かを推測し、彼に答えを見つけてほしいと思ったのだろう。しかし真夢はすでに何年もかけて答えを探してきており、どの道が通じないのかも分かっていた。
「用事がなければ、帰るよ。」
「ちょっと待って————」
真夢が振り返って立ち去ろうとした時、再び栞に呼び止められた。
「伝えたいことがあるの。」
「……?」
何かを伝えたいと言われて、真夢は立ち止まり、彼女の話を聞くことにした。
「夢に関する情報が載ってるサイトがあるんだけど、前にそこにあなたの症状とよく似た投稿を見つけたの。もし必要なら……その情報を転送してもいいよ。」
「……俺の症状と似てるやつか?」
「うん。それに、そういう人たちのほとんどは、SFっぽい内容とか、実証されていない理論から答えを得てるみたい。あなたには……必要なものだと思う。」
栞の声は先ほどより落ち着いていた。
真夢は最初は断ろうと思った。彼は実証されていない理論には常に興味がなかったし、ましてやネット上のスレッドから得られるものなどなおさらだ。しかし「あなたの症状と似てる」という言葉が彼の頭の中で繰り返され、まるで鉤のように彼の注意をそっと引き留めた。
真夢は数秒の沈黙の後、振り返って栞の目を見た。
「その情報はどこで手に入れた?」
「それが……」
栞の視線がわずかに逸れた。
「昨日、一人の患者さんから聞いたの。本当は昨日のうちに伝えようと思ってたんだけど……あなたの様子があまりにも良くなかったから、今日にしようと思って。……遅すぎた?」
栞は申し訳なさそうにうつむきながら、時折顔を上げて真夢の反応をうかがった。
「……」
真夢は答えず、ただそこに立って彼女を見つめていた。その視線は微動だにしなかった。ただ、彼の沈黙は少し長く続き、栞を不安にさせるには十分な長さだった。
栞がこのことで真夢が怒るのではないかと心配し始めた、その時————
「栞……」
真夢は一歩前に進み出て、手を上げて栞の肩に置いた。
栞の身体が微かに震えた、彼の動作に驚いたかのように。
「な、なに?」
栞は戸惑いながら顔を上げ、真夢を見た。
その時、栞は真夢の目に彼女がめったに見ないものを感じた、それはほとんど執念に近い輝きだった。そして彼の瞳孔はわずかに広がり、まるで全ての注意を一つの点に集中させているかのようだった。
「悪いが……今すぐ送ってくれ。」
真夢の声は普段より少し低く、語気は少し速かった。
栞は一瞬驚いたが、すぐにスマホを取り出してうつむき、指を素早く画面の上で動かし始めた。
「わ、わかった!てっきり……こんなの全部でたらめだって言うかと思ってたけど。」
「今でもそう思ってるさ。」
真夢は栞の肩に置いていた手を離し、半歩後退した。
「でも……何もせずに待ってるよりはマシだ。」
栞は画面を数回タップし、スマホを彼の方に向けた。
「はい、これで全部。」
スマホを受け取った真夢は、画面に映る内容を目で追った。びっしりと並んだスレッドのタイトルがずらりと表示されている。ざっと見ただけで、自分の症状と似た事例がありそうだった。
しかし彼はすぐに開こうとはせず、まず栞の方を向いた。
「……ありがとう。」
真夢はスマホを栞に返しながら、礼を言った。
「でも、彼らの特徴があなたと完全に一致するとは保証できないよ。」
栞はスマホを受け取り、ポケットにしまった。
「でも少なくとも共通点は確かにあるわ。だから……その中から答えが見つかるといいな。」
「ああ、分かった。」
真夢はうなずいた。
「他に何かあるか?」
「うーん……多分ないかな。」
栞は人差し指を顎に当て、何か忘れていないかと真剣に考えた。
「それじゃあ俺は——」
「あああ、もう一つだけ!」
「……何だ?」
真夢は身体を向けようとしていたのを止めた。
「ちゃんと……休むこと。」
「……」
栞がそう言った時、彼女の顔はなぜか赤くなっていた。赤みは耳の根から一気に広がっていた。
真夢は栞を見つめながら、なぜ彼女がそんな反応をするのかよく分からなかった。頭の中でさっきまでの会話をざっと振り返ってみたが、あのような反応を引き起こすきっかけはどこにも見当たらなかった。
しかし真夢は問い詰めることはせず、ただ静かに栞を一瞥し、それからうなずいた。
「分かった。お前もな。」
そう言って彼は背を向けた。右手を肩の高さで軽く振り、自分が立ち去ることを示した。
栞は真夢の背中が通りの方へと移動していくのを見つめていた。彼女の視線は真夢の足音を追い、彼が遠くの人混みの中へと溶けていくまで続いた。途中で数人の通行人の影に遮られたが、また別の場所に再び現れた。
そして真夢の姿はどんどん小さくなり、色も薄くなり、最終的にあの流れる人波の中へと溶け込んでいった。
真夢の背中が完全に見えなくなった後、栞はようやく視線を戻した。彼女はうつむき、自分の足元のタイルを見つめ、しばらくその場に立ち尽くしていた。
「……」
そして彼女は振り返り、真夢とは反対の方向へと歩き始めた。
彼女の歩幅は来た時よりも少し遅かったが、十歩ほど進んだところで、普段の速度に戻った。




