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4話 洞窟での葛藤
暗い洞窟の奥底、きらめく鍾乳石の雫が、トツ、トツ、と静かに時を刻んでいる。
勇者は冷たい岩肌に背を預け、未だ闇に怯える、不条理な世界を憂いていた。
人間の心のなかに澱のように積もる悪意。救っても救っても、形を変えて現れる争いの火種。
「世界は、本当に救う価値があるのだろうか」
深い吐息が、青白い霧となって闇に溶けてゆく。
けれど、彼の胸の奥で、ひとつの小さな光が、消えずに燃え続けている。
それは、傷つきながらも懸命に生きる人々の祈り。
絶望の底でこそ、より一層、気高く輝く星屑。
「たとえこの旅の終わりが、孤独だとしても」
勇者はゆっくりと立ち上がり、昏い闇を切り裂くように、聖剣を力強く引き抜いた。
刃が放つ神聖な光が、洞窟の壁を、まるで満天の星空のように、幻想的に照らし出す。
憂いはすべて、刃を研ぐための糧となり、彼の瞳には、揺るぎない正義の炎が宿る。
だれかが光にならなければ、世界は闇に呑まれてしまうから。
彼は己の宿命を、もう一度、深く強く抱きしめる。
信念の光を纏い、勇者はふたたび、正義という名の、力強い一歩を闇の中へと踏み出した。
物語ズレ




