君はもう君じゃない
痛い、熱い、痛い。
喉が焼け、身体の中が炭化しているとしか思えない壊れようだ。目も見えず、話すこともできず、自分が何をしていたのかわからくなる。
「うっわー、中から爆発したー、やばっ。ちょう痛そー。ボスー死んだんじゃない?」
少女の声が聞こえた。声が伝わるたび耳は痛むし、雑音もひどいが、そう聞こえる。
「いや、勇者だ。最大限警戒して損はない。ライ見てみてくれ。」
聞いたことのある男の声のような気がする。
「えー、わたしー。こんな気味悪いのに近づきたくないのにー。うわっ、クサッ。肉焼けてるし、こんなの死んでるよー」
「いいから、やりなさい。」
また違う、もう少し上の年齢の女性の声が聞こえる。
「はいはい、わかったよー」
気配を感じる、一人こっちに近づいてくる。
「うーん、やっぱり死んでrグェッ」
首を掴んだ。首だったのは偶然だが、無理矢理、痛みの続く手を動かす。
「死んでなかったか。ライやれ」
「ッ!」
脇腹に痛みが走る。何かで刺されたのか?すると、だんだんと目が回復しているのか目が見えてきた。
そして、周りを見渡すと、四人の人間がいた。
いや、違う。脇腹をナイフで刺す少女と今我が掴んでいる少女の顔が同じだ。双子?分身系の魔法?
一旦、手の力も戻ったので少女の首を砕き、ついでに刺してきた少女も思い切り殴る。なぜだか気持ち悪いほどにクリーンヒットし、少女の首が伸びる。
「ギャッ」「グェッ!」
その瞬間、同時に少女が爆発する。
脇腹の方は大丈夫だったが、回復した右腕がまた焦げる。
そして、一旦距離をとっておく。
「お前、なんで回復できるんだ?」
そうボスと呼ばれる男が言う。
我も水魔法で元から高かった自然治癒力を上げることで回復魔法を使ったようになっているのだが、いや、そんなことはどうでもいい。
我がダメージをくらう?ただの爆発で?ただのナイフで?なぜだ?………………………………?
わからん?外見は集中して直しているが、爆発で焦げた内部はあまり回復できず痛くて集中できない。もうしょうがない、これもあとで考えよう。とりあえず、こいつらをどうするか?
ボスと呼ばれる男、メガネをかけた秘書のような女、こいつら2人なら…すると、
「あーもう、こいつ強くない?死んでないし、あれ使うかもしれないよ。もったいないって」
そう言って、女の後ろからさっき爆発した女の子がまた現れる。3人か。
ん?流していたが、そういえば、なんで攻撃されたんだ?目的はけっこう一致してたし、別に攻撃される必要あったか?
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「それは説明しよう。」
頭に勇者の声が響く。びっくりした。
「お前、なんかやったのか?」
「いや別に何かやったわけではない。俺は悪党を殺し続けていたからな。けっこう恨みを買っているんだ。」
いや、やってるじゃないか。ん?いや、なんか話が合わない気が。
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「なんで我を攻撃したんだ?」
回復するついでに聞いておく。
「?、君が知らないはずないだろ。」
答えてくれるはずないか。
「というかユイどうする?」
そう男がメガネをかけた女に聞く。ユイというらしい。
「回復してますし、逃げてもいいですが、回復してるのは外見だけで中はまだまだ回復できてないっぽいのでやってもいいかと。」
そう冷静に女は言う。当てずっぽうじゃない正確にわかっている。水魔法で自然治癒力を促進しているが内臓の治癒は難しいのだ。いつもこんなダメージを食らうわけがないので、経験もあまりない。
そうすると、
ボス:爆発系魔法、身体の中から爆発したことから何か
仕組みがある。分身の爆発タイミン
グから時間は決めれると予想
メガネ秘書:身体の状態を見破られたが、それだけじゃ
戦場に出しておく必要がないため、見破る
能力は魔道具か何かで他に違う魔法がある
と予想、水魔法はわかっていないと思う。
分身少女:分身魔法?さすがに数には制限あるだろう。
いくら我が混乱していても殺意を向けてくる
相手を何度も見逃すはずないのでまだ何かカ
ラクリがあるはず
こんなところか。名前より特徴を捉えた呼び方の方が呼びやすいのでそう呼んでいる。
正直、身体は脆くなっていて、相手は十分に準備していて完全アウェーな状態だ。正直逃げてもいいが、我にもプライドはまだ存在している。
人間の国に来て初戦闘、まだ何も分かってないんだ。時間を無駄にして終わりたくない。
「よし、やるか。」
そして、困惑した頭を冷やした勇者の魔王の戦闘が始まる。




