すべてリセットしたその先で
すべてが壊れ、何もなくなった荒野に魔王は一人佇んでいた。
スッキリした、復讐を完遂したのだ。そりゃ、スッキリするだろう。圧倒的な力でこの世界にいることを後悔するぐらいに踏みにじって殺した。だが、次、我は何をすればいいのだろうか?
それはわかる。生きることだ。自分を認められるぐらいに生き続けることだ。しかし、自分を認められるようになるには何をすればいいのだろう。
生きることを目標にしたことがないための純粋な疑問だった。
「蘇生とかさせればいいんじゃないのか?」
突如、頭に声が響いた。「なんだこれ?」
「お、聞こえたか。俺だ、俺、勇者だ。」
どういうことだ?なんだこれ?我の頭が壊れたのか?
「違うぞ。」
「!?」
そう言って、頭の中で勇者は話し始めた。
我が始めに異壊神に負けた時に目を覚ましたこと、そして、異壊神と戦ってくれたこと、今は、目を覚ましたことで身体の主導権は握れないが、話しかけることぐらいはできるようになったこと、脳は共有しているので、少しぐらい我の感情がわかること、本当に話していいのか?ってなるものすら話してくれた。
「で蘇生させればいいとはどういうことだ。」
頭の中で会話というのも少しずつ慣れてきた。
「わからないか?魔都にいた魔人の連中全員蘇らせるんだよ。」
「!?できるのか?!」
そう言えば、勇者のいた聖国は蘇生魔法が存在していた。
「ホントのことをいうとわからん。うちの蘇生魔法は万能じゃない、心臓と脳がなければそもそも使うことはできない。あと、いろいろと制限があるらしい。蘇生させる気があるなら参考程度に行ってみてもいいだろう。」
悩む必要はない。
「よし、決めた。」
そう言って、魔都だった荒野を出て、歩き出した。
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「そう言えば、なんで協力してくれるんだ?」
歩きながら、なんか気持ちが悪い空気を打破するため聞いてみる。
勇者は我をに殺したが、我は勇者の身体を乗っ取ったのだ。正直、偶然とはいえ我の方が悪い気がする。そもそも、協力する義理すらない。
「別に協力したいわけじゃない。俺は殺されたも同然だ。けど、ちょうどいいとも思っている。俺はどこまでいっても人間だ。百年生きれば長寿だ。だが、お前なら何千年も生きられる。そうすれば、俺の目的は達成できるかもしれないからな。」
「目的ってなんなんだ?」
「なんでお前に言わなきゃならないんだ?」
そりゃそうか。そう言ってこの話は終わってしまった。
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聖国に着いた。いや、え?ここか?何かガラの悪い連中ばっかしかいないし、何もかもなくなった魔都よりも崩壊した国という印象を受ける。え?なんだここ?
「ここが聖国なのか?」
数百年前1回見ただけだが、もっと整っていた気がする。
「いや?え?」
勇者も動揺しているらしい。
「おい、聖国と協力関係にある国ってどこだ?」
「………あっ、え?一番仲いいのはヘルメスだ。」
ちゃんと答えてくれる感じ、律儀だな。
蘇生魔法を使ってるのは王やその親族ぐらいという話だし、こんな所にはもういないだろう。ここがこうなってる理由とかは知らん。
「よし、そっちに行くか。」
そう思い、国を出ようとするが、身体が動かない。
「駄目に決まってるだろ。」
「え?」




