もう共感できない。
「やめろ。そんな綺麗な話を聞きに来たんじゃない。」闇神はそう言った。
「ホントに気づいてないのか?それとも知らないふりをしてるだけ?」
「?」
「無意識にセーブしてるのか、じゃあ言ってやる。
お前の心は貧弱だ。それこそ人間のそれと同じぐらいに。だけど、お前は今生きている。壊れるわけではなく、完全になろうとしながら。それはなぜか。心を複製しているんだ、壊れた心を捨てながら。これは、心を壊れない様にするための防御装置だ。だが、お前の心は人間なんだ。何千年も生き続けたら理由も何もなく、死にたくなってくるそれだけだ。」
「………」
「ホントは自分から気づいてほしかった。お前は壊れないようにしながら壊れてるんだって。で気づいたか。」
………認められない。我は我が強いことを知っている。だが、弱いことも知っているのだ。心の複製、それは分かっていた。そうしなきゃ我は生きてられないのだから。
だが、嘘を付いたことは認められない。自分自身にこれが死にたい理由と思わせて騙していた事を。
その事実は我が仲間の死になんにも感じず、嘘に利用できるってことじゃないか。
我はリジェを殺したこともレイがリズがセイが死んだことも全部死にたい理由にできると心の奥底では思ってたんだ。全部茶番だ。
吐き気がする。自分のクズさに。壊れていればよかったと思っている。
「でどうしたい。」
闇神はそう言った。
死にたい、前までならそう簡単に言っていた。
だけど、それじゃ駄目だ。
「生きたい。自分が生きてていいんだって認めたい。認めさせたい。」
そう言った。もう叶うはずがないことを芯にして。
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目が覚めた。
身体中が痛い。朧気ながら思い出した。我は殺されそうだったんだ。違う、そんなことはどうでもいい。
目の前にはレーザーが向かってきていた。でも焦ってはいない。冷静だ。闇ももう使うことはできない。
だから殴った。何も考えず、ただ向かってくるレーザーを殴った。別に確信があったわけじゃない、その証拠に我の腕は消えていた。
「勇者じゃ……ない?」
煙の向こうからそう聞こえた。またレーザーが向かってくる。水魔法を使った。今なら使えると思ったからだ。水を圧縮し、同じようにレーザー状にすると向かってくるレーザーは消えていた。
「お前、魔王か?…なんで戻ってきた。いつまで恥をさらすんだ?お前の仲間も落胆してるよ。」
激昂した。それでもどこか冷静だったからか我は覚えている。
すぐに回復するから水を性質変化させ、毒にした。腕と足を切ってそこに毒水を浴びせたら手足は回復しなかった。そこからは簡単だ。
溺れさせた。魔法も出させないようにし、水を加えてずっと溺れさせた。ない手足で泳いでいた。気持ちが悪かった。なまじ強くて死ななかったが、何日も溺れさせていたらようやく死んでいた。
自分がこいつを苦しませて殺そうとしていることは分かっていた。でも、やってしまっていた。殺しても我は激昂していた。でも、やっぱりどこか冷静だった気がする。




