勇者の力
「痛い!痛い、痛い」
なんか眩しいし、痛い。全速力で走るとそこは更地だった。いや、違う。一人いた。
「なんだこれ?……すみません、ここってどこですか?」
目の前の女性は、少し不思議そうな顔を向けた後、こっちに指を差した。「煌めいて」そう言った瞬間、痛みが走る。
また眩しくなった。「もーなんだこれ」さっき同じように走るが、次はその光が追ってくる。
走りながら「勇者の剣」と唱えると剣がどこからともなく出てくる。僕も原理は分かってない。
というか思い出してきた。僕死んだ気がする。
確か魔王を殺した後、なんか殺されたはず。自分の身体を見るが、これは僕の身体だ。勇者の剣も出せるし、確実に僕の身体だ。
まあ、そんな事はいいや。光の魔法?を使ってるけど、いきなり攻撃してきたし、殺す目をしている、敵だ。
振り返って、ビームを弾き、そのまま走って腕を切った。
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何が起こってる?あの魔王の闇を操る力を手に入れた瞬間、力が流れ込んだ。充実感にあふれるこの感じ、光神や闇神を取り込んだ時と同等の力を手に入れただろう。魔法の妨害、移動、防御、攻撃から回復までできた闇を操る力がなくなれば魔王の戦闘力が減るのは必至だ。
だが、そこにいたのは魔王ではない。いや、闇を操る力がなくなっただけでは説明がつかないほど圧が減っていた。しかも、今までの記憶がなくなったような様子だった。だが、好都合だ。
しかし、勝てると確信したとき腕が消えていた。すぐに回復する、するのだが、なぜ切られた?いや、この戦い方見たことがある、というか当然だ。あれは勇者だ。攻撃に転じれば、魔王すらしのぐ力の持ち主。
魔王が死んで、勇者に意識が戻った?だが、世界石はどこにも落ちていない。ということは
「第2ラウンドか。」
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「ハッ、化け物すぎるだろ!」
奪った力で強化されたレーザーを放つ。さっきよりも速度も力も上がっているはずだ。だが、追いつけない。走っているだけだ、ここは更地と化し、うまい避け方など存在しない。ただ走力だけでレーザーから逃げている。
正直、勇者は魔王、回復龍、闇神、光神の四人と比べると一枚落ちると思っていたが、認識を改める必要がある。
こいつもバグだ。しかも、普通じゃない。攻撃とスピードに特化しすぎてる、防御も回復すらない。正直頭おかしい。
しかし、相手がまともじゃないなら、私もまともにに戦う義理なんてないのだ。
「もしかして、勇者なのか?おい!そうなら返事をしてくれ。」
レーザーを消す。だが、止まったら瞬間撃ち直せば、もう逃げることはできない。
は?、首を切られかけた。だが、ギリギリ守れた。いや、ヤバい。手足が切られる。ん?回復しない?焼かれていて、再生が滞っている。
「待ってくれ。勇者、君は魔王に入られてたんだ。私は敵じゃない。やめてくれ。」
「違うだろ。お前は、殺す目だ。殺される目じゃない。敵じゃなくても僕の目指す人が死なない世界にお前は必要ない。」
首を切られた。




