異端の世界
私は世界を壊す神だった。それをする意味も意義も見いだすことなどできない。でも、私が異壊神だと気づいたその時私は世界を壊すことが義務へと変化したのだ。
すぐ死んでいるのが正解だったかもしれない。否、死んでるべきだ。でもその時、完全なる悪は生きたかった。
運がいいのか悪いのか。私は最高で最悪な能力を二つ持っていた。
一つ目は「能力喰らい」相手を殺すことで相手の技術、魔法すべての能力を奪う力。
二つ目は「唯一消去」その世界で自身が見た存在一人を能力も何もかも関係なく消す力、そして最悪だったのが、「唯一消去」で消した存在は「能力喰らい」の対象となる点である。
世界を壊すためには、その世界の芯となる存在が持つ世界石、それを私が喰らうことである。だが、それを持つのは強い存在であることがほとんどだ。しかし、私はこの二つの能力の最高で最悪な相性により生き延びていた。
それは、何百の世界を壊した頃だった。世界を壊すことは数億、数兆の生物を殺すことと同義、だけど私は壊し続けていた。
その世界は最強の存在が二人いて、いつものセオリーである、世界最強の存在を「唯一消去」で消し、その能力を奪ってから世界石を手に入れるという理論が通じない世界だった。
まぁ、世界最強の存在を何百体も取り込み続けていた私なら不可能になることはない。だけど、強かった。ギリギリの戦いだったと思う。何百もの世界石があったり世界に一人しかいない世界など最近は難易度が高かった。
次はどの世界に行くかと見繕っていると良さそうな世界を見つけた。環境もしっかりしており、なぜ今までその世界を見つけてなかったのか不思議になるぐらいだった。それが間違いだった。
=========================
光った。どうもこうもない光ったのだ。それは、普通ありえない。世界に入ると私専用の部屋が作り出される。そこは世界と隔絶され、何もない。生き物も物質も存在するはずがないのだ
左手が消えた。血も焼かれ、少し前の世界で手に入れた再生の能力すら働かない。右手がやられた。攻撃なのかすら分からない。ただ光っているだけだった。
攻撃が止まったのは、私が首だけになったところだった。私にこんな生命力はない。何かは分からないが相手の能力で生かされているだけだった。
「君は、世界を壊して回ってる存在かな?」
そこには、私を攻撃していたらしい女がいた。速すぎて「唯一消去」も使えなかったが、止まった今なら使える。
何か言っているが知るか。裸みたいな格好して痴女がよ。
女は消えた。上と下を少し覆っていた布すらもない。そして、これまで感じたことのないバカみたいな力が流れ込む。
その時、私は勝ちを確信した。それも当然だ。空間すらぶち壊す。バカみたいな力を持った生物の力を手に入れたのだ。でも、まだ恐れていた。こんな世界にはいたくないとも思っていた。
あの女が落とした世界石を飲み込み、首から下が回復するのを待つ。
少し時間が経ち、早く、早くと外に出る。
そこは地獄だった。なんだよ、なんだこれ。闇闇しい暗い、痛い、怖い敵意がこっちに向けられている。だが、そこじゃなかった。遠く、遠い場所、こんなにも強い敵意を向けられても、目を向けてしまう。あの二つの命、それが怖かった。
部屋へ戻る。そして、うずくまった。




