惨劇×再来(2)
アルテはコモモの家がある湖の畔で目を覚ました。小雨が降っている。
「……ん?」
「アルテさん、こんにちは」
「コ、ココココココモモさんっ!?」
目の前にはコモモが居る。失明していたはずの目ではっきりと確認できる。
「えっ? あっ? 見えてる!? 治ってる? ん……? まさか、俺死んだのか?」
「私の能力が発動したんです」
「ってことは俺も生き返らせてもらえるんですか」
「ええ。生きる希望があれば、必ず」
生きる希望と聞いてアルテは考えた。
「ヴィダートって本当に悪いやつなんすかね」
「?」
「俺、そう思えなくなってきたっつーか。殺そうと思ってたのに殺せなくて。あいつら許せねーけど、俺たちと何が違うんすかね」
「……」
「俺も同じように人を殺してきたなって思うんすよね」
アルテはぼうっと空を眺めた。
「ああでも、コモモさんを、その……傷つけた奴は、俺がこの手で処刑します」
見ると、コモモは泣いていた。
「すみません! 嫌なことを思い出させて!」
「傷つけ合わなくていい世界があるなら、私もその世界を生きたいです」
「コモモさん! 俺、決めました!」
アルテは立ち上がった。
「殺し合わなくていい世界を創ります」
コモモはキョトンとした。しかしアルテの目は希望に満ちている。
雨が止んで晴れ間が広がっていく。
「コ、ココココ、コモモさん、あ……あの」
「?」
「大好きでした!」
コモモは顔を赤らめた。
「最後にもう一度コモモさんの笑顔が見たいです! それでもう悔いはないです! お願いします!」
コモモは照れながら、にっこり笑った。
アルマスは目を覚ました。雨は止んで空は晴れている。悪魔の姿はどこにもない。あれは白昼夢だったのかも知れないと思ったが、アコマノは心臓を抉られていて動かず、アーリィの腹部には流血するほどの刺し傷があり、ルイーズの腹部には大きな穴が開いていて出血多量で目は虚ろである。
アルマスはルイーズに駆け寄った。
「ルイ、死んじゃダメ。アナタが死んだら……」
「君……、やっぱり、僕のことなんてどうでもよかったんじゃないか」
「?」
「心から愛してたのに」
「私も愛してるわ」
「……」
「ルイ、死なないで」
「君なんて、愛さなければよかった……」
その言葉を最期にルイーズは息をしなくなった。
「ルイ! 起きて、死んじゃダメよ。お願い。ルイ、ルイ、ルイ! あなたが死んでしまったら何もかも……、どうして上手くいかないの? あああああああああああああああっ」
アルマスは発狂して再び失神した。




