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突撃!オニの戦車(`・ω・´)ゞヒノヤマノボレ  作者: つばき☆テルゾー
第4章 決意の咆哮は、勇ましく
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天は自ら助くる者を助く

オニ車は、頂上の村へ到着した。

裕子は、コマンダーキューポラに登り、辺りを見渡していた。

しばらく走ると、ひろき君とひなみちゃん、てっぺいの3人が家から出て来たところだった。

裕子「あっ!おーい。」

3人を見つけると、大声で呼びかけ、大きく手を振った。

ひろき「姉ちゃん」手を振り返す。

裕子「みんな早く乗って、この村すごく危ない事になってるよ。」

オニ車は、3人の手前で停止した。

てっぺい「はよ乗るぞ。」

ひなみ「うん」

3人はオニ車に乗り込んだ。

コマンダーキューポラから降り、ひなみちゃんを抱きしめ、ひろき君とてっぺいの手を取って喜んだ。

裕子「よかった。3人とも無事で」

3人は安堵の笑みを見せてくれた。

裕子「ところで、銀平さんたちは?」

ひろき「おっちゃんなら、家の前に車止めて、納屋に行ってもうた。おじいちゃんと、おばあちゃんを呼びに行ったんや。」

裕子「なんだかややこしい事に、なってるね。」

てっぺい「そうや。じいちゃんが、いろいろ考えすぎて荷車出してくるとか言って納屋行くし、『家で待っとれ』って言われて待ってたら、岩が突っ込んで来るしで、村から出ようと思ったら、人倒れとるし、家の中に運んで正野のばあさん待ってたら、怒られるし疲れたわ。」

裕子「まだこの家の中に人がいるの?」

ひろき「うん。だけど、今泣いてた。しばらく そっとしといた方がいいよ。」

裕子「そうかー。とりあえず、みんなが合流してから、そのおばあさんを連れ出した方がよさそうね。」

(`・ω・´)「では、てっぺい殿の家にいけばいいでありますな。この道を真っすぐでよろしいですかな。」

てっぺい「おう。真っすぐ行ってくれや。」

走り出すと束の間だった。

この場から、1分もかからない。すぐに到着した。

到着すると、銀平の軽トラックの荷台に家財道具を投げ込んでいた。

てっぺい「まだやってるんかい。はよう逃げな。」

裕子「ここで待ってて、誰も出ちゃだめよ。」

そう言い残すと、外に出て行った。

裕子「ねえ、何やってんの?あれ見なさいよ。」

噴火口手前のネズミ色の山を指さす。

裕子「あれ、火山灰の山なのあれ崩れたら、この村飲み込まれちゃうんだよ。」

おじいちゃん「もうちょっと。あとこんだけや。」

銀平「親父すまん。」

そう言って、おじいちゃんのベルトと首根っこをつかんだ。

おじいちゃん「うわ、何すんだコラ。すまんじゃないわ。放せや。」

荷物から引きはがしオニ車の所まで、引きずっていった。

銀平「金目の物だけ乗せたから、これで充分や。早う降りるぞ」

軽トラックの所まで行くと、乱暴にドアを閉めて、とっとと車を走らせて行ってしまった。

銀平も実は怖いのだ。

軽トラックを見送ると、おじいちゃんもおばあちゃんもオニ車に乗り込んだ。

裕子「はぁー」

やっと、そろった事に安堵して、ため息が出た。

いや、まだだ

正野のおばあさんが残ってる。

裕子は、オニ車の中に入り、コマンダーキューポラに上って、顔を出した。

裕子「さっきの家の前まで行って。」

(`・ω・´)ゞ「ラジャーであります。」

オニ車は、バックで進みだした。

進んでいる途中、周りの建物がすごい勢いで揺れ出した。

塀や壁が倒壊しだした。地震だ。

子供達は、椅子にしがみ付く

裕子「わあああ。こわい。」

コマンダーキューポラにしがみ付く

(`・ω・´)「吾輩の中なら何の問題もないであります。」

地震の間も進み続け、到着した。

やがて、地震が収まりだす。

コマンダーキューポラから出ると、火山灰の山が崩れこちらに、なだれ込んで来ているのを目にした。

裕子「オニあれ見える?」

(`・ω・´)「見えてるであります。」

オニ車から降りる。

ボーン

爆発音が聞こえてきた。

火山が爆発した。

噴火口の方から轟音や振動が響く

噴煙が立ち上がり、火砕流もこちらに向けて、なだれ込んできた。

急いでおばあさんを連れてゆかなければ。

振動で揺れる中、階段を登りおばあさんの元へ行った。

息絶えた旦那さんの横に座ったまま動こうとはしない。

裕子もおばあさんの横に座り、語りかける。

裕子「もう行きましょう。」

おばあさん「もう、いいんだよ。行ってちょうだい。私はこのおじいさんの後を追うよ。」

裕子「そんな事言っても、ほっとけないよ。」

(`・ω・´)「軍曹殿!もう限界であります。今すぐにそのおばあさんを抱えて2階から飛び降りるであります。」

その言葉に裕子は、おばあさんを強引に抱えようと肩に手を掛けた。

おばあさんは、肩に伸びた手を振りほどき、立ち上がって裕子を突き飛ばした。

おばあさんの剣幕は凄まじかった。「もう放っておいて!逃げなと言ったらさっさと逃げな!」

おばあさんは涙を流しながら言う。「私はここ以外の場所を知らないんよ。おじいさんが居ないこの世になんか未練もないんよ。いいから、行ってください。私をこの場から離さないで!」

裕子「うわ~ん」その言葉に裕子は、泣き出してしまった。

裕子「だって、ここに居たら死んじゃうんだよ。ダメだよ。」

おばあさん「いいんだよ。早く行って。」

山の方から轟音や振動がものすごい高速で近づいて来ている。

裕子は涙を袖で拭い、おばあさんに深々とお辞儀をした。

おばあさんは、裕子にペコリっと軽くお辞儀をして、おじいさんの亡骸に抱き着き最後の言葉を語り掛けた。

裕子は、オニがいる方向に向き直り、勢いよく走りだした。

ガラス窓を蹴破り、そのままオニ車の回転砲塔に飛び移りコマンダーキューポラのハッチから指令席に座った。

オニはすぐにハッチを閉めてロックをかけた。

そのタッチの差、轟音と共に車内に強烈な激突音が何百回と鳴り響く。

オニ車はモーター音を鳴り響かせ、バックで進みだした。

周りの建物が一気に火に包まれ崩れ落ちて行く。

おばあさんが居たその建物も

コマンダーキューポラの覗き穴から、おばあさんを思い、裕子は指令席に座ったまま、また泣き出してしまった。「うわ~ん」

助けることが出来なくて、くやしかった。

オニは裕子に優しく語り掛ける。

(`・ω・´)「天は自ら助くる者を助く」

「イギリスの作家が、聖書を引用した言葉であります。」

「おばあさんは、お爺さんとこの場に留まる事を1つの助けとしたでありますな。」

裕子「うん」

建物の残骸が火に包まれだした。

(`・ω・´)「みんな吾輩の内壁を触ると火傷するであります。」

ひろき君「何かあるんか?」

(`・ω・´)「火砕流がとても熱い空気も運んで来たであります。外から吾輩が焙られているであります。」

裕子「火砕流から、逃げられないの?」

(`・ω・´)「火砕流は低いところを流れるであります。吾輩達が来た道も低いところを通っているので、火砕流と道の行き先が被っているであります。」

裕子「このまま火砕流に耐えながら進まないと、いけないの?」

(´・ω・`)「その通りであります。」

ひろき「今、後ろに進んでるやろ。クルッて回って前に進まないの?そっちが早く走れるやん」

(´・ω・`)「後ろにモーターがあるので、それを岩の転がってくる方向に向けるのは、危険であります。それに戦車の前面は頑丈に作られているので、岩がぶつかっても平気であります。」

その時だった。裕子が座ってる席の故障インジケータのセンサー故障が全部点灯して警報がなりだした。

(`・ω・´)「緊急事態発生であります。副砲塔に搭載された、センサーが全部燃えてしまったであります。」

裕子「え゛え゛!?!」

しばらく裕子は、そのまま、思考が停止してしまった。

(`・ω・´)「前面に付いていた目が無くなったであります。」

裕子「周り何にも見えないの」

(`・ω・´)「幸いバックモニターはまだ生きているであります。でも前方から大きな岩が転がってきた時、いくら何でも吾輩大破してしまうであります。」

裕子「大砲で打ち砕けないの?

(`・ω・´)「大砲の向きを指示して欲しいであります。」

裕子「じゃあ私が覗き穴から外見張ってるね。」

(`・ω・´)「良い物があるであります。」

裕子の目の前に潜望鏡が下りてきて足元の床が、せりあがってペダルが左右の足元に1つづつ出てきた。

裕子「わあ~なんかすごい」

ひろき「わあ~なんかええな」

裕子「後で触らせてあげるわよ。」

ひろき「う゛~」

(`・ω・´)「赤外線サーモグラフィも積んだ潜望鏡であります。覗きながら外の周囲を確認できるであります。」

裕子が早速、潜望鏡を覗き込むと同時に、右のペダルを思いっきり踏み込んでしまった。

右方向に席が勢いよく回りだす。

裕子「うぎゃー」

(`・ω・´)「ペダルは座ったまま席を回転させる装置であります。右ペダルを踏めば右に回転、左を踏めば左に回転するであります。踏み込みすぎると、結構早いので気を付けるでありますよ。」

裕子「おえー、すでに5~6回回ったわよ。そういうことは先に言いなさいよ!」

(´・ω・`)「何遊んでるでありますか?余裕でありますなこんな時に」

オニの速度は、時速30kmだが、火砕流の速度は時速100km以上

大量の火山ガスや火山灰が押し寄せてくる。

オニ車の周りには火山灰が濃く舞っている。

だが赤外線サーモグラフィのおかげで、熱された岩がクッキリと見えた。

赤い塊が転がってくる。

潜望鏡から、大砲の向きも分かりやすく見えた。

裕子「左1時の方向大きい岩がくるよ。」

ウイーン、ガランゴロン、ガチャン

オニは主砲塔を動かす。

裕子「もうちょい上・・・ゆっくり左に旋回して・・そこ!撃って!」

ズドーン

強烈な爆音が響き渡る。

砲弾が岩の真ん中に命中して、木っ端微塵こっぱみじんに砕け散った。

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