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突撃!オニの戦車(`・ω・´)ゞヒノヤマノボレ  作者: つばき☆テルゾー
第4章 決意の咆哮は、勇ましく
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決意の拳

一方、オニ車から飛び出したひろき君は、頂上村へ向かった。

なだらかな、左カーブが続く道を走り続ける。

子供の足でも15分も全力で走り続ければ村の入口に到着した。村に入っても、さらに奥へ走らないと、ひなみちゃんの家まで到着できない。

ひろき「もどかしいわい。もっと早く走れりゃあいいのに。」

ひなみへの心配

走り続けた心臓の鼓動が限界

なかなか到着できない焦り

ストレスがひろき君の心をむしばみ、体力もうばってゆき無意識に足を止めようとする。

ひろき「ひなみー!」

大声を出す。

探すためではない。自分が何の為に走っているのか、自分の体に言い聞かせるために叫ぶ。

ひなみとてっぺいの居る場所は、心当たりがある。2~3箇所探せば見つかるはず。

走っている途中、道に血痕があるのを見た。その横には血の付いた岩が転がっている。

思わず足を止めてしまった。

今は他人を心配して、周りの光景を眺めている場合ではない。その光景を目から振り払うように首を振った。

再び走り出した。

そちらこちらに岩が転がっている。こんなのを頭に喰らったら、たまったものではない。

ひなみの住む家が、見えてきた。

家の前には、横転した軽トラックがあった。

荷台からは、家財道具が崩れ落ち、あたりに散乱していた。

肩で息をしながら、玄関の引き戸を勢いよく開け放ち大声で呼びかけた。「ひなみ、てっぺい、おるんか!」

靴を脱いでいる時間さえもどかしい。

土足で家に駆け上がり、家の中を歩き回る。

居間のふすまを開けると、居間がメチャクチャになっていた。

岩が壁と床を打ち破り大穴を開けていた。

ひろき「うわ、何やこれ!メチャメチャやんけ。」

幸い誰もいないときに、岩が突っ込んできたのだろう。血痕などは見つからない。

その光景を頭から引きはがす。

立ち止まってはいけない。

1階を駆け回ったが、人のいる様子はない。

2階にいるなら誰か出て来るか、物音がするはず。

家にいなければ、蔵か納屋に隠れているに決まっている。

蔵は家のすぐ隣にある。

蔵に回ってみる。蔵に行っても誰もいなかった。

蔵の入口の外には、錠前がぶら下がっており、鍵がかかっていた。

ひろき「誰もおらんやんか!」

次は納屋だ。納屋は畑の近くにあるので少し離れている。

また5分程走ることになった。

自分の運のなさに腹が立ってきた。

息を切らせながら、納屋に到着した。

物音がする。おじいちゃんとおばあちゃんがいた。

ひろき「おじいちゃん、おばあちゃん」

おじいちゃん「なんや、ひろき!なんで来たんや」

2人は、汗だくになりながら、納屋から荷物を出している真っ最中だった。

ひろき「なんでって!避難して来んから、俺がここに来てもうたやんか。こんな時に何しとるんや!」

おじいちゃん「こん中に荷車があってな、それ出しとるんや。」

ひろき「荷車って、今そんな事しとる場合やないやんか!」

おじいちゃん「家財道具を運ばんとな。」

ひろき「家財道具より、今は避難やろ!」

おじいちゃん「そうは言っても家財道具無しで、この先暮らしてゆくのは、みじめやぞ。」

今ここに居ては死んでしまうかもしれないのに、その言葉がどこか他人事を言っている様に聞こえた。

おじいちゃんを説得する時間が、無駄にしか思えなくなった。

ひろき「ところで、ひなみとてっぺいは、どこにおるん?」

おじいちゃん「家におるわい」

その言葉に、ひろき君の顔が一気に青ざめる。

ひろき「家?おらんかったぞ」

今まで見た光景が脳裏で重なりだす。

居間の光景、突き破られた壁と床

道端にあった血痕

血の付いた岩

おじいちゃんの危機意識が低すぎる。このまま任せていたら、ひなみが死んでしまう。

しかし、2人は今どこに?

再びひろき君は走り出した。

ひろき「家やない、蔵に鍵がかかって入れん、納屋でもない。村から出られん。いったいどこにおるんや!」

ひろき君は拳を握りしめ大声で叫ぶ「世界中、駆け回ってでも探し出したるわい!」

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