炎の森に爆裂を
(#`□´)「くおー、行くであります。」
裕子「消火開始!」
ズドーン
火事の森に砲弾を叩きこみ、爆裂音が響き渡る。
黒く火のついた木が消し飛ぶ
爆風が、真っ赤に染まった辺りの景色を日の当たる大地に変えてゆく
裕子「いっけー」
ズドーン
瞬く間に火は沈静化していった。
お次は、倒木が道をふさいでいた。
裕子「あれじゃあ、車通れないから、倒木も吹き飛ばして」
(#`□´)「ガッテン承知であります。うりゃあ。」
ズドーン
道に倒れた木を空砲で吹き飛ばした。
それを繰り返してるうちに、森の反対側まで消火が完了した。
オニ車は道の路肩の外に出て、大音量スピーカで村の人たちに呼びかける。
(`・ω・´)「消火完了であります。通れるので早く森を抜けるであります。」
遠くからエンジン音が聞こえてきた。
通り過ぎる時、各々の車が窓を開けて、手を振り感謝の言葉を言っているのが分かった。
やがて6台の車がオニ車の横を通り過ぎて行った。
(@⌒ー⌒@)「いい事をすると、気持ちの良いものでありますな。」
裕子「そうね。」
(@⌒ー⌒@)「消防士にお礼を伝えたいであります。根気よく消火活動をしていてくれたおかげで、使う砲弾の数も節約できたでありますからな。」
裕子「森の入口まで、すぐだから行ってみようか。」
(@⌒ー⌒@)ゞ「ラジャーであります。」
ガタガタとクローラーを回しながら、森の入り口まで走らせて行った。
入り口では、消防服を着た男が、道の真ん中に仁王立ちになり、腕を組んでいた。
(@⌒ー⌒@)「やあやあ、お出迎えご苦労様であります。」
消防服を着た男は、消防車を指して言う。「おいコラ、あれをどうしてくれるんだ。」
オニと裕子は、指された先を見る。
裕子「キャー」
(;*Д* )「なんと!」
飛んで行った倒木が、消防ポンプ車の真ん中に落ちて押し潰していた。
裕子「銀平さんには、90度カーブから出ると何か飛んでいくかもしれないから、そこから出ないでって言ったのに、伝わらなかったか。」
(; ・`д・´)「えっと、とにかく逃げるであります。」
裕子「ダメダメ、逃げちゃダメ。被害確認するから私を降ろして。」
(; ・`д・´)「追っ手が心配なら、まだ砲弾残ってるでありますよ。」
裕子「次は、あんたが吹き飛ばされる番になるだけだよ。」
(。-`ω-)「ぐぬぬ」
裕子「観念して森を出て止めなさい。」
オニ車は、森を出ると停止した。
裕子はコマンダーキューポラに登り、顔を出す。
裕子「あらま、酷いことになってるわね」
消防隊長「 『あらま』じゃないよ。どうしてくれるんだ。」
裕子「どうにもできないわよ。90度カーブから出ないように言ってたのに出てるんだもん。その消防車だけ退避できなかったの?」
消防隊長「丸太が飛んでくるなんて、予想できるわけないだろ。」
裕子「ちゃんと電話でやり取りして、そちらがゴーサイン出したから始めたんじゃない。」
銀平も歩きよってきた。隊長に説明をした張本人だから聞いてるだけでは、無責任に思えてきたのだろう。
銀平「おいおい、消防車も動かせって言ったじゃないか。責任転嫁は、止めとけよ。」
消防隊長「う・・・」
無理もない砲弾で、爆風消火なんて経験どころか、見たことも聞いた事も無い。
何をどれだけ対処すれば良いか、本当の所誰にも分からなかったのだ。
銀平も裕子も自らをかばうため、結果を言っているにすぎない。
90度カーブの曲がった先に丸太が飛んで行く事も十分あり得えた。
銀平「消防車の事は、後回しだろ。とにかく今、時間が無いんだよ。俺はもう行くぞ」
消防隊長「村に行くのは、止めとけって」
銀平「行くしかないんだよ。」村には、まだ親や子供達がいる。
軽トラックに乗り込む。
裕子「ねえ、ちょっと」
銀平はもう聞く耳を持っていなかった。話をする気は全くない。
今から村に行くことは、大変危険なのは銀平にもわかる。
だが居ても立っても居られない。
銀平は軽トラックを走らせて村へ行ってしまった。
消防車の上の丸太を隊員たちがどかしている。
裕子もオニ車から降りて、消防隊長と対面していた。
消防隊長「俺たちは、これ以上、消火活動が出来ないポンプ車がやられたら、水の放水ができないからね。」
裕子「根気よく消火活動されていたおかげで、私たちも助かりました。」
消防隊長「それは良かった。役に立てたようで」
裕子「それと、ここに登って来る途中、1台のバンが火砕流に巻き込まれてしまっていた様でした。」
消防隊長は、まさかと思う。バンに村の一家を乗せて、ふもとまで送ったがまだ戻ってこない。
隊長の顔がこわばる。
裕子「中を確認したら・・・」急に涙がこみ上げてきた。言葉が発せられない。
オニやひろき君とバカな事を言ったりして、忘れようとしていたが、心の傷の痛みがぶり返してきた。
裕子「ご冥福をお祈りします。ごめんなさい言い出せなくて。」
ジンチ君が亡くなっていたので、ひろき君の前ではその話題には触れられなかったのだった。
消防隊長「山渕・・・」そう言って黙りこくってしまった。




