パンドラのオニ
オニ車の中に入ると、AIに話しかける。
裕子「ねえ、相談があるんだけど。」
(`・ω・´)「分かっているであります。森を抜ける方法でありますな。『人が多いからどうしましょう』という事でありますかな?」
裕子「うん、そう。」
(`・ω・´)「簡単であります。吾輩の砲弾で火を消すであります。」
裕子「消火弾でも積んでるの?」
(`・ω・´)「それがあれば、最初から使ってるであります。」
裕子「じゃあどうするの?」
(`・ω・´)「吾輩の15センチ榴弾砲の砲弾を叩きこみ、森も炎も群がる障壁もついでに、恐怖も不安も爆風で全部吹き飛ばすであります。その場には希望しか残らないであります。」
裕子「パンドラの箱か!吹き飛ばすのは火だけ!」
(`・ω・´)「皆さんを安全な場所に送り届けるには、もろとも吹っ飛ばせば万事解決であります。すなわち爆風消火でありますな」
裕子「でもいきなり、砲弾打ち込んだら森の向こう側で消火してる消防士に被害出るんじゃない?。」
(`・ω・´)「そうでありますな。向こう側にスマホで連絡するであります。」
裕子「消防士がスマホ持って現場に来ないでしょ」
(`・ω・´)「先ほど消防士の横にてっぺい殿のお父上の銀平殿が一緒にいたであります。そちらに連絡するでありますよ。」
裕子「私スマホ持ってきてないよ。」
スマホなら、ふもと村の軽自動車の中にある。
(`・ω・´)「ご心配無用、吾輩に搭載しているでありますよ。」
裕子「電話番号知ってるの?」
(`・ω・´)「ハッキングしたであります。いやー最近のスマホっていう物は、だいたい2つしかOS無いのでハッキングしやすいでありますよ。」
裕子「あんたって、もしかして私のスマホもハッキングしてないでしょうね。」
( ^ω^)「軍曹殿のスマホをハッキングしても面白くなかったであります。連絡先は家族と勤務先だけ、さみしい連絡先一覧を見てしまったであります。全く男っ気なくて、かわいそうになったので、すぐ閉じたであります。」
ブチッ裕子のこめかみの血管がキレた。
怒りで顔が真っ赤になり、肩がプルプル震え出した。
裕子「さみしいとか言うな!うりゃー」
顔を真っ赤にしてキレた裕子が、画面の顔(`・ω・´)←これに向かってパンチした。
ガシガシ殴りつけたが傷1つ付かない。
(`・ω・´)「手を痛めるでありますよ。」
裕子「暴れずにいられるかー!二度とハッキングするな!バカー」
(´・ω・`)「軍曹殿は、わがままでありますな。」
ゼエゼエ息を吐きながら、座り込む。
裕子「反省しなさいって、言ってるんだけどね。なんかもう。こんな時に・・・」
プルルループルルルー
裕子「えっ電話?」
(`・ω・´)「銀平殿に電話してるでありますよ。」
電話の音は、オニ車の内部スピーカーからの音だった。
銀平「はい、こちら矢賀井ですが。」
とても緊張した声で、電話に出た。
(`・ω・´)「えー吾輩、先ほどの戦車でありますが。」
銀平「は?何言ってんだお前?」
戦車が電話かけてくるなんて、誰が本気にするだろうか。
裕子「オニは、黙ってて話がややこしくなるから。」
(´;ω;`)「うっ・・・うん」
裕子「あのーひろき君の叔父さんの銀平さんですね。」
銀平「おっ、おう」
裕子「火事になった森の反対側に到着したんですが、こちら側に逃げ遅れた人が沢山いるんです。一気に避難してもらうために、戦車の砲弾を使って爆風消火をしようと思うんです。」
銀平「砲弾で爆風消火?それで、どうしたいんか詳しく聞かせてくれや。」
爆風でケガをしないよう銀平さんも消防隊員にも退避して欲しい事など説明した。
銀平「分かった。退避が終わったら、あんたの携帯に折り返し電話すればいいんやな。」
裕子「はい、お願いします。」
電話は切れた。
(`・ω・´)「森の中に入って、火事が消えていない所まで戻って待機でありますな。」
裕子「そうね。暑いけど戻りましょ。」
オニは火事の森に再突入して行った。




