スケッチブックに願いを込めて
頂上の村では、てっぺいが走り回っていた。
てっぺい「ひなみ!ひなみ!いるか!」
ひなみ「お兄ちゃん!」
ひなみちゃんが走ってきた。
てっぺい「どこにおったんや。」
ひなみ「あそこにカメラが、あってね。」
てっぺい「まあいいわ。はやく行くぞ。」
ひなみ「どこ行くん?」
てっぺい「はよ避難せんと、何が起こるか分からんぞ。」
その時だった。
ボーン
山の頂上から爆発音がして、煙が上がる。
周りの住民たちは、車に家財道具を投げ込み次々に発車して行く。
てっぺい「お父さんとお母さんは、ふもとまで買い物に出てるから、おじいちゃんの車で行くぞ。」
ひなみ「うん。」
てっぺいも、家財道具を軽トラックの荷台に積みこむ。
ひなみちゃんもお手伝いをしたいが、まだ背が低く荷台に手が届かないので、何もできなくてヤキモキしていた。
なにやら頂上の方から、コーンコーンと石を叩くような音が聞こえてきた。
てっぺいは、音の方向を何気に見上げる。「あぶない」
ひなみを抱きしめ、地面に伏せた。
ドーン ガッシャ―ン
金属の物が破壊される音が、聞こえた。
てっぺいは、顔をあげる。「大丈夫かひなみ!」
ひなみ「うん、何ともない。」
2人は音のあった方を見ると軽トラックが大破していた。
落ちてきた岩が、軽トラックの助手席側の前輪に直撃し折れ曲がっていた。
てっぺい「うわー」
トラックが無いと村から脱出できない。
冷や汗が頬をつたう。
おじいちゃん「おまえら大丈夫か!」
家財道具を運び出していたおじいちゃんが、顔を出した。
てっぺい「大丈夫・・・でも車・・・」
おじいちゃんが車を見ると、一目でもう走行が出来ない事が分かる程にタイヤが変形している。
おじいちゃん「こうなっても動いてくれんと非難出来んぞ。」
もうイチかバチか、動いてくれる事に期待するしかなかった。
おじいちゃんは、ポケットから車のキーを取り出すと、運転席に座った。
エンジンをかけてみると、あっさりかかる。
ギアを操作してゆっくり走らせてみる。
てっぺいは、嫌な予感がしたので、ひなみと一緒に軽トラックから距離を取る。
タイヤが少し回ったと思ったが、タイヤの軸から悲鳴が上がる。
バキバキバキッ
破壊的な音が出ると軸ごと折れてしまい、タイヤが取れた。
同時に、軽トラックが助手席側に傾き横転した。
おじいちゃん「うーうわあああ」
おじいちゃんは、ハンドルに必死にしがみ付いた。
軽トラックが横倒しになって、先ほどまで積みこんでいた、家財道具が荷台から崩れ落ちた。
てっぺい「あ・・・・」見てられなくて、下を向いて片手で両眼をおおった。
おじいちゃんは、運転席側の窓から、必死になって脱出した。
おばあちゃん「どうしたの!」
おばあちゃんが血相を変えて、出てきた。
おばあちゃんも、目の前の光景に驚いた。
ひなみ「どうしよう。」そう言いながら、家財道具を見渡す。
ひなみちゃんが、荷台から落ちたスケッチブックとクレヨンに目をやる。
ひなみ「そうだ!これでひろきお兄ちゃんに来てもらおう。」
そう言うと早速、それらを取り出しスケッチブックに文字を書く
{くるまこわれた たすけにきて ひろきにいちゃん}
そう書くとオニAIの定点カメラの所まで走っていった。




