裕子殿は軍曹殿
裕子は、オニから降りると疲れとショックで地面に突っ伏して動かないでいた。
「かわいそ、かわいそ」と言ってひなみちゃんが頭を撫でてくれた。
ひろき「ひなみと、てっぺいは、家に帰った方がええ」
てっぺい「だめや!ヒロ1人に出来んやん」
ひろき「これはうちの問題や裕子姉ちゃんも、あんまり落ち込まんと」
ひろき「何やったら俺がここに住めばいいんや」
てっぺい「そんな事できんやろ!」
ひろき「巻き込んでしまったのは俺や」
ひろき「あの親父と決着付けんといかんのは俺や」
てっぺい「お前1人では解決できん、俺1人でも同じや」
ひろき「なあ頼む。とりあえず2人は今日の所は帰ってくれ。おじさん達を心配させたらいかん警察とかいろいろ動くやろ。」
てっぺいは、腕組みをしてため息をついて数分ほど考え事をしていた。
てっぺい「今なんも出てこんわ。また明日ここ来るから、明日も元気な顔見せよ」
ひなみ「お兄ちゃん・・・」
ひろき「ひなみは、何も心配する事ないんや。また明日な。ひなみ」
ひなみ「うん」下を向いて、さみしそうだった。
てっぺいは、ひなみの手を引いて後ろ髪を引かれる様に、ゆっくり基地から出てゆく
2人とも何度も何度も振り返り帰路について行った。
裕子は椅子に座る。
ひろきもその横の椅子に座る。
裕子は何かを思い出したかのように、はっと立ち上がる。
オニの後ろに回って何かガチャガチャと触りだした。
(`・ω・´)「何でありますかな?」
裕子はオニAI戦車の端子をつないだ。
(`◎Д◎´)!「しまった、その端子つながれると、動けないであります。」
裕子「これで一安心。大人しくしてなさいよ。」
ひろき「犬の首輪みたいや」
裕子「戦車に首輪か。なんかいいね。」と言って2人でケタケタと笑った。
再び裕子は椅子に座った。
それから、無言の時間が流れた。
おそらく30分ぐらい。
時計は、無いが午後4時頃だろうか。
裕子は、疲れてウトウトして半分寝ている。
会話もできず虫の声だけが、静寂を緩和してくれる。
ひろき「テレビ無いんか?」
(`・ω・´)「今つけるであります。」
オニAI戦車につながれた、機器のモニターの電源が勝手に入りニュース番組が映し出された。
ニュースキャスター「今日昼頃、巨大な戦車が突如現れ、戦車の大砲が民家を1棟全壊させる。事件がありました。」
オニ車の写真が画面に映る。
「この戦車について、自衛隊に問い合わせるも、このような戦車は自衛隊では保有しておらず、盗まれたものでもないとの事」
「この戦車の対応に2名の警察官が対応に向かい戦車を引き留めたところ」
「その犯人は、あろう事か警官2名を空砲で吹き飛ばし逃走したもよう。」
「この戦車はどこから来て、なぜ民家に砲撃を加えたのか経緯は分かっておりません。」
「警察は、その中心人物であろう現役の陸上自衛官 古賀裕子3等陸曹を捜索しています。」
悪い顔をした、裕子の写真が画面に映し出された。
「ケガ人は、いない模様です。」
裕子「うわーなんて顔の写真使ってるのよ。宴会の時によっぱらった所を撮られた写真じゃないの?」
ひろき「でも、このニュース事実と違うやない。」
裕子「あの暴力男が通報して子供の首絞めてたら、戦車が突っ込んで来たって言えなかったんだろうね。」
( ゜Д゜)「裕子殿は軍曹殿でありましたか。」
裕子「やめてよ軍曹とか、私は普段の仕事は、経理だし!」
ひろき「すごいやん。鉄砲とか撃ったことあるん?」
裕子「あるけど、下手くそだよ。」
ひろき「へー」
ひろき君は、ミリタリーだとか自衛隊に興味津々だったので、質問攻めで日が暮れてしまった。
暗くなると、外で何やら物音がした。
ドサッ
裕子「うっ!?」
ひろき「警官?」
裕子「かもね。ちょっと様子見てくる。」
懐中電灯を持って、外の様子を見に行く。
ひろき君もその後を追ってソロリと付いてくる。
懐中電灯の光の先に、地面を照らすと何かがある。
ひなみちゃんの手提げ袋だった。
それを見つけると、谷の上から自動車が走り去る音が聞こえた。
食べ物か何かを谷の上から投げてくれたのだろう。
裕子は、手提げ袋を拾い上げて、中身を見た。
パンやお菓子、おにぎりや飲料水の入ったペットボトルが詰められていた。
ひろき「こりゃありがたいわ。ひなみナイス」
裕子「ありがとう、ひなみちゃん。お腹すいてたんだ。ありがたく頂こう。」
まだ話は尽きない。
パンやお菓子を食べながら2人はゆっくり話をして、夜は更けていった。
夜も更けると2人とも、ぐっすり寝てしまった。




