さあ少年よ
ひろき君の家は、オニに乗って5分ほどで到着した。
木造平屋建ての小さな古い家
到着と同時に、センサーでスキャンを始めた。
そして、画像を映し出した。
大きな人型が、小さな人型の首をつかんで、ひねりあげている所だった。
裕子「首絞めてる!」
即刻オニから、飛び出し家の玄関を開け放った。
オニのスキャンした場所を考えると、入ってすぐ左の部屋
すぐ左の部屋の引き戸を乱暴にあけ放った。
裕子「何やってるのよ!」
親父「なんだお前は、勝手に人の家に入りやがって!」
案の定、首を締め上げてる。
ひろき君は、足をばたつかせて苦しんでいた。
裕子は、ひろき君に抱きつき親父の手からひったくる。
ひろき君を守るため、部屋いっぱいに距離をとった。
裕子「殺す気か!」
親父「これは俺の教育方針だ。文句言われる筋合いはないな。」
暴力親父は、裕子にゆっくり詰め寄ってくる。
裕子「教育てのは、人を成長させる事なの!殺すことじゃないの!それにひろき君が何したっていうのよ。」
親父「俺に恥をかかせない様に言い聞かせていたんだ。それを勝手に土足で人の家に踏み込んで来やがって!不法侵入を容認できんぞ。」
ガタガタと、振動が近づいてくる。
クローラが80㌧の巨体を運ぶあの振動だ。
その振動は止まらない。
バキバキバキ
壁が崩れ落ちる。
柱がへし折れ落ちてくる。
瓦や屋根の建材まで、落ちてきた。
裕子「ひー」顔が青ざめ、ひろき君を抱きかかえた手に力が入る。
親父「おっおーおわーーー」暴力親父も足がすくんで動けない。
悲鳴を上げて、立ちすくんでいた。
壁や屋根が崩れ落ちると、緑色の壁が見えてきた。オニの先端だった。
避けられずオニ車の先端に頭を打ち付け気を失ってその場で倒れてしまったが、クローラに引かれることもなく車体の下にもぐりこむ形になった。
オニ車が停止すると、崩れ落ちる音が止んだ。
裕子は、ひろき君を抱えたまま、すぐさま立ち上がる。
家がいつ崩れるのか分かったもんじゃない。
ひろき君を抱えたまま玄関へと向かった。
ひろき君の靴も忘れずひろう。
ひろき君は、裕子に抱きかかえられながらグッタリしていた。
ゆっくり目をあけて、何があったのか分からず呆気に取られてた。
無理もない首を絞められて、酸素が足りてないのだろう。
裕子「深呼吸して!」
その声にうながされ、ひろき君は深呼吸を1回した。
ひろき君は、自分で立ち上がって裕子の手を離れると辺りを見渡す。
ひろき「はっ!なんじゃこら。」
自分の家がメチャクチャになっているのだ。
オニは少しバックした。
(`・ω・´)「男子は悲しい時、遊んで力をつけるであります。さあ少年よ吾輩と一緒に冒険に出るであります。」
ひろき「意味は分からんけど、ここにおりたくないから、どっか連れてってくれ。」
ひろき君は、歩き出しオニのタラップに足をかけた。
オニに上っている途中、暴力親父が倒れて伸びているのを恨みのこもった眼で見た。
裕子はそっと目隠しをして、「見ちゃダメ。腐りきった物をそんな目で見たら、ひろき君の目が腐っちゃうよ。」
ひろき君「そうだね。」
笑顔で答えてくれた。
(`・ω・´)「とりあえず、吾輩の基地に戻るであります。」
二人が乗り込むと、向きを変え走り出した。
ガタガタとクローラに揺られて、みんな黙りこくっていた。
(ひろき君の家をつぶしてしまって、この子をどこに連れて行けばいいの?)
(私はこれから、どうしたらいいの?)
(いっその事、何も見なかったことにして、逃げ出したい。)
そんな事を考えていると、急にオニは停止した。
ボタンを押してコマンダーキューポラから、頭を出すと後ろからパトカーが追って来ていた。




