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下世話なあの娘が正直初心可愛いくて仕方ないから彼女にしたかったのに嫁になった  作者: 爆微風


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話したいんだ、キミと



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「お邪魔します……」

「どうぞドーゾ」


 おお…… 女の子の、部屋だね……。

 伽耶ちゃんの部屋には、本棚、勉強机、椅子、ベッドと普通な品々が置かれていたけれど、全体的に白く、こう……。


乙女な感じ(ファンシー)


 だった。


 奥まった位置にあり、他の部屋とは違いドアが付いていて、洋風になっていた。

 そりゃあ女の子だもんな、鍵も欲しいよね。

 香里の部屋も鍵付きにするために交替したんだったな。


「…… ゴメンね、騒がしくしちゃって」


 伽耶ちゃんはそう言いながらテーブルにお茶を並べ、カーペットに座り込むと、僕を正面に促した。


「いや、楽しいご家族だよ」


 お母さんの『ボケ』にはビビったけど。


「普段は、あんなに喋らないんだけどね~」

「今日は機嫌良いんだろうか」

「疲れる位にね」


 伽耶ちゃんが溜め息をついて足を伸ばした。

 ハーフパンツだから、全体的な肌色にドキドキする。

 あ、今日はポニーテールではないから髪が波打って、キラキラしてるね。

 この髪型もすごく可愛いな。

   挿絵(By みてみん)

 と、扉がノックされた。


「はい、何」

「私と柾軌で昼食の買い出しに行くから、その間はごゆっくりね」

「ああ、はいはい、行ってらっしゃい」


 お母さんか。

 伽耶ちゃんは不機嫌そうな声で対応してたが、からかいを言って手を振るお母さんを追い出し、ささっとドアを閉めた。


「ちゃあぁんすぅ……」


 伽耶ちゃんが悪い顔してる気がする。

 後ろ姿で見えないけど。


 ……今なんかカチャンって聞こえたような。

 振り返った伽耶ちゃんは、顔を真っ赤にして、僕を見詰めた。


「桂くん…… やっと…… 二人きりになれたね……」


 そのセリフに、またドキドキしてしまう。


「どうしたの?」

「直に聞けなかった事が、あるの」


 何、だろう。


「私、ずうっと見てたの」


 伽耶ちゃんは、思い出しながら喋っている。

 大切な事を、言おうとしているんだね。

 邪魔しないようにしばらく聞いていよう。


「今も、大幡(・・)くんの気持ちが分からない……」


「優しくて、頼り甲斐があって、でも…… 一人で努力してる……」


「仲間との関わりも好きなのに、自分の恋には奥手な感じ」


「でも桂くん(・・・)は私との、この、ニセモノな関係も楽しんでなさそうで、でも私は、段々…… なんて…… どうしたらいいか分からなくて……」


「いけない事をしていると、分かっていたけど、大幡くんの過去を、調べちゃった」


 そこまで聞いていた僕の視線に、伽耶ちゃんが怯えた。


「えうっ……」


 無意識に睨みつけてしまったのか、いけない。


「伽耶ちゃん、ゴメン、恐がらせて」

「うぅっ、い、いいの、悪いことしたのは私……」


 違う、僕は……。


「僕は、昔の事を、恥じているんだ」

「……話したくない事もあるよね? いいよ、無理に話さなくても…… 知りたいから聞いて回っちゃって、ごめんなさい。もう、しないから」


 そうだ、伽耶ちゃんの言う通り、話したくない事だ。


 でも、良いんだ。

 伽耶ちゃんになら。


 僕は覚悟を決めて、ぎゅっと拳を握りしめた。


「話そうか、色々と」

「桂くん……?」

「話したいんだ、キミと」


 どこまで知っているのか分からないから、生い立ちとか大まかに話そうか。


「……どこまで調べたの?」

「え"」

「……伽耶ちゃん?」

「……引かない?」


 何だろう、何を知っているのかな。


 ちょっと怖くなった。


「えっと…… 色々と…… センセとか…… 同じ中学の子達とかから聞き集めて…… 高校(ウチ)にも先輩が居たから……」

「要するに、何を」

「……生年月日、血液型、身長、体重、手の怪我のコト、足のサイズ、好きな食べ物、飲み物、家族構成、とか…… あ、こないだ本人から3サイズ貰えた!」


 うん、探偵かな?

 明らかに法的なギリギリですね。


「お巡りさん、こっちです」

「ほらぁ、引いたあ!」


 引くと言うか怖かった。


 マジ泣きされてるけど、何だろう、この無駄な調査力。


「最近の学校内を駆け回っていたのって、まさか……」

「あ、半分くらいはそう」


 明るく答えてくれた。

 泣いた伽耶ちゃんがもう笑う。

 他にも何かしら調べてるの?

 ……将来は探偵事務所でも構えるつもりだろうか。


「ふっ、くくっ、流石(さすが)、伽耶ちゃんだね」

「じゃあ…… 許してくれるの?」

「え、何をさ」

「私が、内緒で桂くんの事を調べ回っていたコト」

「ああ、そんな事なら……」


 ふと。

 イタズラされ続けた今までが(よぎ)る。

 ……別にそれを許すことに躊躇(ためら)いはなかったんだけど。


「……どうしようか、確かに嫌な思いはしたし……」


 イタズラへの仕返しを、したくなった。


「いいのよ…… 桂くんになら……」

   挿絵(By みてみん)

 え?


「何をされても仕方ないもの。どうぞ」


 ……なーんてね、と続けるつもりだったのに。

 真っ赤にした顔をつきだし、目を閉じて……。

 視線が吸い込まれる艶やかな唇に、意識が吹っ飛びそうになった。


「はやく……」


 そして、伽耶ちゃんが。


「ビンタでも、グーパンでも、どんとこい!」


 そのお約束をブチ壊す!(物理)なセリフを言った。


「女の子にそんなコトしねえッス」





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