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下世話なあの娘が正直初心可愛いくて仕方ないから彼女にしたかったのに嫁になった  作者: 爆微風


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13/39

私からは言えなさそう

視点が替わりまして、羽月伽耶です。


読まなくても話は続きますので、伏線とかいらん、主人公の気持ちだけ見せろという侠気な方は次の話までお進みください。



 12


[伽耶視点]




 ちょい確認しよう。

 何で、こうなっちゃったのかな?


 初穂ちゃんにしては思い詰めていたから頷いてしまったけど…… 桂くんを騙すなんてやりすぎだった。


 仮の恋人関係とはいえ、彼はスゴく頼りになる。


 たとえ彼に恋愛感情がなかったとしても別に構わない。

 彼には無理をさせてるし…… 頑張ってくれてるから。

 そんな彼の気持ちは、大切にしたかったのに。



 ☆



 体育が終わって、更衣室で汗を拭き取った後、沈んだ顔の初穂ちゃんが切り出した。


「彼の、伽耶ちゃんへの気持ちを確認をしたいから、大幡君にちょっと火磨(かま)をかけてみます」

「……え?」


 カマってなんだろ。


「……答えを聞き出すテクニック…… つまり、誘導尋問みたいな」

「ぇえ、スゴイね初穂ちゃん」

「そんなコト、ないわ……」

「どうやるの? そのカマかけって」

「……ミスリード…… ちょっとしたウソをつくのよ」

「ウソはダメよ」


 私はウソはヤだ。

 コレ以上誰かに偽るのは。

 嘘を言うのも言われるのも、嫌だ。


「……でも、そうでもしないとあの人はハッキリ言ってくれなさそうじゃない?」

「桂くんね…… あんだけボディータッチしても馴れてくれないし……」

「そうよ、本当ならもう押し倒されていたハズなのに」

「……何て?」

「伽耶ちゃんが体格差に耐えられるのかなんて心配までしていたのにそれも肩透かしで」

「はつほちゃん……?」

「奥手にも程があるでしょうに、今となっては良かったのだけど」

「初穂、ちゃん……?」

「ゴメンなさい…… ちょっと苛立ってしまって」


 昨日のアレ、隣のクラスの小瀬くんと沢村くんだね。

 空手部に入ったばっかりの体力自慢とテニス部のチャラ男が、たわわな果実に目が眩んで…… うちの女性門下生で二番目の初穂ちゃんに手を出すなんて。

 合掌。


「伽耶ちゃんは何もしなくていいの、私が全部仕組んで聞き出すだけだから」

「でも……」

「男の子、だもの。いつ欲にまかせて乱暴になるか分からないわ。本気でもないのに伽耶ちゃんを傷付けるなら、もう彼氏役は辞めてもらいましょう」

「ねぇ、今まで体を張って迫っていた私としては、とっても申し訳ない気持ちがいっぱいなんですが……」

「伽耶ちゃんの気持ちに気付かない童□さんもダメよ」

「私達だって◇女だけど……」

「ちゃんと両想いならお互いにぶつけ合って解決してたのにね」

「なんかカッコいい言い方してるけど、下ネタよね?」

「とにかーく、伽耶ちゃん」

「ひゃい」

「今夜実行するから。大幡君からの連絡に、答えちゃダメよ」



 ☆



伽「あ、もうこんな時間」


初「私もそろそろ寝ます」


桂「二人とも、今日はありがとう。良い買い物ができたよ」


伸「ありがとう~」


桂「お休みなさい」


伽「お休み~」



 挨拶文の最中に着信。

 ……初穂ちゃんだ。


「もしもし」

『伽耶ちゃん、これから大幡君を問い詰めるから』

「ホントにやるの?」

『任せて、上手くやるから』

「でも…… その後、初穂ちゃんは居づらくならない?」

『伽耶ちゃんが友達としていてくれるなら何でもないわ』

「……やっぱり止めよう? 急ぐ必要なくない?」

『ダメ、私は伽耶ちゃんの保護を優先したいの』


 そんな風に言われてしまうと、強くは言えないじゃない……。


「無理ッポかったら、すぐにやめてね?」

『うん、じゃあ、また後で』



 ☆



 私に笠木くんが片思いしてるという勘違いから段階的に距離を進めて、初穂ちゃんとの関係を迫ってみて、直ぐに心変わりしたのならアウト、って話だけど……。


 桂くん、おっぱい好きそうだったしなぁ。


 初穂ちゃんのアレに私では敵わない気がする。


 ……ものスゴく心配だわ。


 う~ん……。


 ポコン♪

 焦れていると、スマホにメッセージが来た。



桂「伽耶ちゃん、へるぷ。ボスケテ」



 一体、話はどうなってるの……?

 返事して確かめたい。

 それを見越したみたいに、初穂ちゃんから着信。


『そろそろ大幡君からメッセージが来たんじゃない?』

「スゴイね、丁度今来たよ」

『返事しちゃダメよ?』

「何を話してたの? ヘルプって書かれてるケド」

『伽耶ちゃんよりスゴイコトだって出来ますよ? って送りました』

「何だってエ」


 ロス。

 初穂ちゃんみたいなおっぱいさんにスゴイコト、何て。

 囁かれたい迫られたい。


「ほっ、他には!?」

『それとも誰かを本当に好きなんですか、って』

「あっ、そうだったわね」

『まだ返事がないわ………… そうだったってナニ?』

「何でもナイナイ」

『大幡君の想い人は誰ですかってハッキリ書いてみたけど……』

「もういいんじゃない……?」

『ここまで来ては、本音を聞かないと終われないです』

「うーん…… 桂くんの気持ちかぁ……」

『あ、本人に?』

「えっ」

『個チャ? ……伽耶ちゃん、大幡君がまた連絡するかも知れないわ』

「え、何を言えばいいの?」

『言わないで良いの』

「メッセ来た…… まだ返事ない、言わなきゃいけないのに……?」

『あっ、やったわ! 伽耶ちゃんよ!』

「えっはえっ? 何がどうなったの」

『大幡君、想い人を私に言うんだったら本人に告白をするって』

「……本人って、私、いっ!?」


 な、何!?

 言わなきゃいけない…… 告白が…… 私…… つまり、両想いでハッピーセットアップグレードダウンロードトリップアウトぉお!?


『落ち着いて、大幡君の気持ちを聞くのよ?』

「こっ、こっ、こくはくはくはく……」

『気を確かに、最初はとぼけて』

「はひゃい」



伽「あっれえ、どおしたのお」



「あっれ、どしたのって打ったぁ……」

『よしよし、良いわよ、頑張って』

「はひゃいぃ」

『何て返ってきたの?』

「……あ、ゴメン、間違えた……?」


 その言葉に、初穂ちゃんが、吠えた。


『何ですってぇ!? 伽耶ちゃんじゃないって言うの?』

「えぇ、あ、送っちゃった」

『続きは! 何を言っているの?』

「えーと、なんでもないよ? ……何かあったのかな?」

『告白するって話でしょう! 一体誰に告白する気だったのよ!』

「……何かって? ……これ、桂くんが分かってないんじゃないの?」

『じゃあ、ログ見て、メッセージをコピーして貼り付けるかリプライしてやって…… 何なのコイツ……』


 ……初穂ちゃんが荒ぶっているわ……。


「言わなきゃってさっきのメッセに、と送ったよ……。え、個チャ間違いだよ、ゴメンね?」

『キャアアア!?』

「はぁあぁあえ」

『誰に告白するつもりよおっ!? 伽耶ちゃんに絶賛片想いのくせにぃ!?』

「は、はつほちゃんん?」

『告白イベントはよ!?』

「告白イベントは!」


 よ?



桂「なして、告白?」


伽「あ、ひっ?」



 あっ、打ち込んでた……。

 コレ、私のせいで失敗したの?



桂「んー、今、一緒に居るわけじゃないのか」



 桂くん、落ち着いてる…… お見通し、ってコトなのかしら。


「もしもし、初穂ちゃん」

『何よ、今度は何て言ってきたのッ』

「いま、一緒にいるわけじゃないのか、って」

『えっ……』

「桂くん、もう分かっているみたい」

『……えっ?』

「聞いてみるね」



伽「もしかして、バレてるの?」


桂「そりゃ…… まぁ…… 多分、二人で通話してるんでしょ」



「たぶん、二人で通話してるんでしょ、って」

『うっ…… もう見破られてたのね……』


 何だか古風な言い方…… ちょっとおもしろい。



桂「伽耶ちゃんが既読スルーしてなかったら分からなかったよ?」



 ……初穂ちゃんゴメン…… やっぱり私のせいでバレたみたい。


「ゴメンなさい…… ほんっとーにゴメン…… お詫びはちゃんとするから…… っと」

『彼、何て?』

「……後でねっ、て」

『じゃあ、私の方に聞きに来るのね……』

「初穂ちゃん、どうするの」

『……全部話して、お詫びしなくちゃいけないわ』


 あ、何かいつもの感じ。

 トゲトゲしてた初穂ちゃんがマルマル初穂ちゃんに戻った。


『最悪は、私の体で…… 償わなくちゃかしら……?』

「ダメダメ、それは、なし~っ!」

『でも、正直に話すわ…… 伽耶ちゃんを守りたいコトとか、男の子への不信感とか、胸を見られてたコトとか』

「……見られてたコトは良くない?」

『伽耶ちゃんにはなかったんでしょ?』

「近距離ですら」

『それはギルティー。伽耶ちゃんにこそ向けてくれなくちゃ…… あ、メッセージが来たわ、話してくる』

「初穂ちゃん」

『え?』

「ゴメンね」

『……私こそゴメンなさい、鬱憤晴らしの、口実にして』

「明日の朝イチで、抱き締めるからネッ」

『うんっ、期待してる』



 ☆



 あっ、ちょっと待って。


「桂くんが誰かに告白をする、だったのよね……」


 この『カマかけ』を確かめるために私にメッセ送って、でも違ったら…… 誰かに、頼むとか、本当に告白をするとか、していたのかしら?

 ……ちゃんと確かめたい……。



伽「……ねえ、桂くん」


桂「あっはい」


伽「告白って、誰にする予定だったの?」


桂「いやそれは……」


桂「伽耶ちゃん待った」


伽「?」


桂「これは、イタズラだよね」



 え、あれ? カマかけってユードージンモン、じゃないの?

 桂くんに対してのイタズラ、だっけ?



伽「う、うん、そう」



 ……ノッておこう。

 なんかその方が良い気がする。

 うん。



桂「だから、仕掛人は罰則受けてもしょうがないんだけど……」


伽「初穂ちゃんに何をさせる気!? まさか…… まさかどエロいコトを…… 初穂ちゃんが逆らえないのを…… いいことに…… イイコトを…… 」


桂「そうだなぁ…… 対価を何かと言うなら、いつも通りに伽耶ちゃんと一緒に遊んでもらうよ」


伽「はっ、はい私もセットなのデスね」


桂「違うから、ちょっと待ってて」



 初穂&伽耶セット、お持ち帰り限定商品ですよ☆

 ……なんてね。

 そんな色っぽい話には、ならなそう。

 予感だけど、桂くんは真面目だから。

 たぶん、こんなに困らせたのに自分の負い目とか考えちゃいそうだし。


 ……でもね。


 あなたの声は、私を惹き付けて止まない。

 ………… まだ、私からは言えなさそうだけど。





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