崩壊
「これじゃないな。」
〈はい。〉
「これでもないな。」
〈はい。〉
「うーん。多すぎる。」
〈おそらくこの山には300以上の貴重な道具があるのですが、その中に魔力を放出しているものは一つしかありませんから…。見つけるのが難しいのは当然です。〉
なんか、突き放された感じがする。
「なんかいい探し方ないのか?俺の初期プログラムとかに。」
〈マップの詳細検索によって探すことが可能です。〉
俺は、この地味な作業から抜け出せると思って頰を緩めた。
「じゃあ、マップ起動してくれ。」
〈しかし、今回はマップは使ってはいけません。自分の力で探し出しなさい。〉
…。初期プログラムも俺の力なんじゃ…
〈違います。〉
は、はい。自力で探します。俺が始めた企画なのでしっかりします。
「うーん。これでもないな〜。」
ちなみに魔力が放出されているかどうかは、待ってみたら感覚でわかる、らしい。
魔力の流れをもっと正確に感じ取ることができればよかったんだが…今の俺にはこの宝の山の中にあるということを感じるのが限界だ。
「これでもないな〜。」
俺はそういいつつ、先ほどまでの道具と同様に持っていたナイフをストレージにしまう。
「崩れそうだな…。」
言葉の通り、山の下の方から宝をとって調べて行っているため、崩れそうな状況になっている。うーむ。
「あ、俺これにするぜ!!」
遠くの方からグランの声が聞こえてきたので俺は思わず声の聞こえてきた方角を見た。
ガラガラ…ズドーン!
後に驚き振り向いた時にはもうすでに遅い、宝の山が崩れてしまいもう目前まで様々な道具が落ちてきている。そこには武器も混じっている。しかもその武器はかなり強い武器がたくさん混ざっている。
そしてもう、避けられない!
俺のステータスでも死ぬかもな…。こんなしょうもない人生の幕の閉じ方なのか…。
異世界で、もっと充実した日々を送りたかった…。
俺がそう思い、目をつぶりかけた時、
〈ッ!『プロテクト』起動します!〉
セイバーがそう言うと共に俺の周りを青い光が包んだ。
そして、落ちてきていた道具はその青い光に触れたところから弾かれてどこかへ飛んでいった。
「へ?な、ナイス。あれも、俺の初期プログラムなのか?」
〈…。〉
「あれ?無視か?今回は『ノーコメント』って言わないのか?」
〈…。〉
「おいおい、しつこいぞ!」
〈…。〉
俺は、ここまできて異変に気付いた。流石にセイバーでも、ここまで俺を無視することはしないだろうということに。




