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第四章 狼の襲撃
夜半。
村を包む静寂が破られた。
――ウォオオオオオ!
狼の遠吠え。
続いて悲鳴。
「狼だ!」
「また来たぞ!」
村中に緊張が走る。
悟空は屋根へ飛び乗った。
月明かりの下。
森から数十頭の狼が現れる。
その目は赤く光り、
口から黒い瘴気を漏らしていた。
普通の獣ではない。
妖気に操られている。
「来たか。」
悟空は如意棒を構えた。
狼たちは村へ雪崩れ込む。
八戒が熊手を振るう。
沙悟浄が宝杖を回転させる。
しかし狼たちは恐れない。
むしろ死を喜ぶように襲ってくる。
「妙だな。」
悟空は眉をひそめた。
狼は本来、
危険を察知する生き物。
ここまで狂暴になる理由がない。
その時。
空から笑い声が聞こえた。
「ひゃははは!」
「人間どもが慌てているぞ!」
現れたのは二人の妖怪。
金閣。
銀閣。
牛魔王配下の妖怪だった。
「悟空。」
銀閣が笑う。
「久しぶりだな。」
「相変わらず悪趣味な連中だ。」
金閣は壺を抱えている。
銀閣は瓢箪を持つ。
「俺たちは命令を伝えに来ただけだ。」
「牛魔王様に報告するためにな。」
「この村は近々滅ぶ。」
悟空の目が鋭くなる。
「どういう意味だ。」
しかし二人は答えない。
狼たちをけしかけながら森へ消えた。
村人たちは震えていた。
戦いは終わった。
だが。
蛍が大量に死んでいた。
川面に無数の光が浮かんでいる。
まるで小さな魂のように。




