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第三章 消える光
村の宴。
囲炉裏には魚。
香ばしい匂い。
子供たちは悟空の尻尾を触りたがり、
八戒は酒を飲みたがる。
平和な夜だった。
しかし。
村長の表情だけが暗い。
「何かあるのか。」
悟空が尋ねた。
村長はため息をつく。
「最近、人さらいが出るのです。」
「人さらい?」
「はい。」
若者が消える。
旅人が消える。
そして。
蛍も減っている。
村人の一人が叫ぶ。
「あいつのせいだ!」
指差した先。
川へごみを捨てる男がいた。
名前は権蔵。
酒好きで怠け者。
村一番の嫌われ者だった。
「川を汚している!」
「蛍が減ったのはあいつのせいだ!」
権蔵は怒鳴り返す。
「知るか!」
「蛍なんぞ腹の足しにもならん!」
村人たちはますます怒る。
悟空は黙って見ていた。
何か引っかかる。
確かに川は汚れている。
だが。
妖気の匂いは別の場所から漂っていた。
もっと暗い。
もっと深い。
死の匂いだった。
その夜。
悟空は眠れなかった。
外へ出る。
蛍が舞っている。
光は幻想的だった。
しかし。
よく見ると妙だった。
蛍が川の上に集まっている。
まるで何かを守るように。
その時。
遠くから狼の遠吠えが響いた。
――ウォオオオオオ。




