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虹の彼方と異世界クロスオーバー 〜アニメの勇者+αと共同生活はじめました〜  作者: 高橋聖
第五章 タイムスリップ編

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5-11 幕末最終決戦

 真夜中の七王子宿は、静けさに包まれていた。その内の宿の一件で、ぐっすり眠っている男がいた。彼が寝返りを打った次の瞬間、屋根を突き破って、空からコスモが降ってきた。

 男は思わず驚いて飛び起きる。


「うわあっ! なっ、なんだぁ!?!?」


 二人を大きな影が覆った。男が恐る恐る上を見上げたら、巨大な白い三つ目の化け物がこちらを見下ろしていた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 叫びと同時に妖入道(あやかしにゅうどう)は拳を振り下ろした。


「危ない!」


 コスモは男を引っ張って、拳から逃れさせた。さっきセンチネルにしてもらったことを、自分も他の人に対してやったわけだ。


「さ、逃げて」


「逃げたいも逃げたいところだが、腰抜けちまって……」


「あー、じゃあ、センチネルー! この人連れて逃げて!!」


「了解した」


 男はセンチネルに首根っこ掴まれて、その場から退散した。周囲の宿にいた人々も、マコトたちの誘導で避難していた。


 スピカは妖入道の上からコスモを見下ろして言う。


「そこまでだな、春晴カナタ。もう逃げ場はないぞ」


 ――――いや建物の外に出ればいくらでも……


 そう思って格子窓からチラッと外を見ると、さっきの考えは一瞬で覆った。妖怪たちの群れが、建物の周りを取り囲んでいたのだ。

 だが、改めてよく考えてみたら……


「全部倒せば、逃げ場あるくない?!」


「それも……そうだな」


 折角追い詰めたと思ったのにそう言われれば台無しじゃないかと、スピカは苦虫を噛み潰したような顔だ。


 その時、スピカの背後に大きな黒い影が見えた。


 ――――なんか……いる?


 見上げていたカナタが、それに一番に気づいた。知らせてあげようかとも思ったが、まあ敵だしということでやめることにした。

 だが、彼女は直後に背後に佇む気配に気づいた。ハッと振り向いたのも束の間、頭を金棒で殴られ、意識を失った。足の力がふーっと抜け、頭から血を流しながら、妖入道の頭部から転がり落ちた。


 空から女の子が! な状況にコスモはパニックになりかけたが、咄嗟に両手を前に出して受け止める。


 ――――重っ……


 それでもなんとか抱えなおす。


「肩外れるかと思った……」


 ぽいっと部屋の隅にスピカを投げておいたコスモは、もう一度妖入道を見上げる。絶対にあの上で何かがあったに違いない、と思って。


 対する妖入道も、これまで以上に部屋の中を覗き込んだ。すると、ニイッと今まで無かった口を出現させ、喋り始めた。


『モウニンゲンノイイヨウニサレルノハ、ゴメンダ。コレカラマチニデテ、ニンゲンヲヒトリノコラズ、クイツクシテヤル』


「ちょちょちょちょちょ、ちょっと待って。急に何事? 人間滅ぼすつ・・・」


 そこまで言いかけた瞬間。


『オマエガサイショノヒトリニナレ!!』


 突如として自我を持った妖入道は、拳を幾度も勢いよく叩きつけてきた。その衝撃で宿は崩壊。コスモはスピカを抱え、壁を破壊して建物から飛び出した。


「あっぶねー……」


 そこにセンチネルやリゲルたち仲間が合流した。


「are you ok? mr.カナタ」


「うん、なんとか」


「それにしても、とてつもない化け物だな」


 レイカは片目をつむり、警棒をクロスさせ、こちらを見ている妖入道の頭に狙いを定めてみる。


「うん。アイツの狙いは……恐らく人を殺すこと、それもたくさん」


「それはthat's a problem。どーすっかね」


「そんなもの、倒すしか、ないだろう」


 センチネルの言葉で、彼らの方向性が固まりきった。


「俺は右、処刑人くんは左、カナタくんは正面から一斉に攻撃しよう。月海とリゲルさんは、遠くから援護を頼む」


「了解。拳銃と警棒でやれる範囲でやらせてもらう」


 リゲルもスピカのところから拾ってきたのだろうか、釘打ち機を構えて頷いた。


 次の瞬間、五人はそれぞれ動き出した。


 センチネルとマコトは妖入道を挟み込むように宿の屋根に上がり、コスモは瞬時にスピード+にフォームチェンジして飛び上がる。


「ニコーラー! 右足にパワーを集めて」


『ワかりました!』


 センチネルとマコトも屋根を蹴って飛び上がる。

 

 アイコンタクトで示し合わせて三人で同時に、スーパーキック(仮)を胸に叩き込み、両腕に深い斬り傷を刻んだ。


 両腕の斬った跡から血が流れるように、妖怪たちがぼとぼとと、大量に落ちる。彼らは立ち上がり、ゾンビのようにふらつきながら歩き始めた。


「来たな……」


 十数歩後ろに下がっていた二人も飛び出していき、レイカは慣れた手付きで警棒を振るい、リゲルもテクニカルな釘打ち機裁きを見せた。

 その時、彼らが戦っていたところに勘十郎が戻ってきた。


「一ノ瀬さん!」


「さっきは急に逃げて……すまなかった」


 一言謝って、一旦落ち武者妖怪との鍔迫り合いに集中。隙を突いて斬り倒すと、話を続ける。


「増援をもっと連れて来させてもらったぜ」


 刀を持った多くの千人同心の武士たちが戦場に飛び込んで来たのは、その直後のことだった。たちまち、十数分前までの光景が場所を変えて、戦士の数を増して戻ってきた。

 ただ、彼らと相対する妖怪が減り、武士たちが余るということにはならなかった。コスモたちが攻撃をすればするほど、新たにぼろぼろ落ちてくるからだ。


 そんな下の状況を横目に、マコトは再び刀を振るう。妖入道の肉体に刃が入る寸前、突如伸びてきた白く細い手に、刃を掴まれた。


「くっ……抜けない……」


『イタイイタイヨォ、ヤメテヨォ』


 その瞬間、刃に力が込められ、いとも簡単にパキンと折れた。


「なっ……!」


 マコトは言葉を失った。呆気にとられ、地面に無抵抗のまま引き寄せられていった。

 でも日頃の訓練の成果は発揮された。体が自然と、受け身を取っていた。


「釘原! 大丈夫か?!」


 レイカが少し離れた所からさけぶ。


「俺は無事だが、刀が……」

 ――――あとは君たちに懸かっている。頼んだぞ……


「タカトーっ! 釘原さん離脱したから、ここからは二人で行こう!」


「承知、した」


 二人は一斉に、といってもコスモが今まであったがカナタが知らなかっただけの『実質』新技、チャージショットを喰らわせた後、センチネルが『X』の字に斬った。


「いーね、ダメージ入ってるよー!」


 彼らは上記の過程をもう二度、ダメージを与える部分を変えて踏んだ。


『キサマラァ……』


 妖入道の肉体は削れに削れ、所謂「ガリガリ」巨人となっていた。胸、体の中央には、デーモンコアもうっすら露出していた。


「ここらで必殺技、いっちゃわない?」


「名案、だな」


 コスモはオーブリンク&スライドを一〇回引いた。センチネルは剣の柄と鍔の間に付いた鍵状のパーツを三回捻った。

 「「せーの!!」」の合図で二人は地面を蹴って高く飛び上がる。


『ショット・フィニッシュ・ショット/スピード/フィーバー!!!』

『Punishment:S.S.Slash』


 同時に放たれた巨大なエネルギーの球と、紫の横一文字の斬撃は合体し、凄まじい力を生み出した。コアを守ろうとクロスされた腕さえも突き抜け、コアに触れたその刹那、妖入道の胸で炎が咲いた。


『ア……アァ……』


 妖入道と全ての妖怪がどろどろに溶けて無くなるまで、そこまで時間はかからなかった。


「よし、勝った……」


 カナタは変身を解き、地面に大の字で寝そべった。


「ワタシも、やった方が、いいのか?」


「いいよ~。解放感エグいから」


「エグい……とはなんだ?」


「大抵『スゴい』みたいな意味……なのかな」


「そうか」


 同じく変身を解いたタカトも、カナタの隣に寝そべった。勿論、大の字で。


「……わっさー」


 カナタは左手を上げて、差し出した。


「わっさー、とはなんだ?」


「知らね。帰ったらエイタに聞いてみる」


「……そうか」


 タカトは右手でその手を取って、ぎゅっと、握った。

ついに次回、現代に帰ります!!


ちなみに、ノーマルショット→チャージショット→ショット・フィニッシュ・ショット→ショット・フィニッシュ・ショットフィーバー(各種) の順で威力が強いです。

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