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「アースドライブって一体何々ですか? 綾乃さんは一体俺の何を知っているんですか!」
表情一つ変えない綾乃から目線を逸らさないように俺は耐えた。
綾乃から放たれる雰囲気に飲まれそうになった時、彼女は口を開いた。
「いいわ。話してあげる。青空君、あなたに科せられた国家機密の事を……」
「…………」
俺に科せられた国家機密? この人は一体何を知ってるんだ……。
「まずはそうね。アースドライブの説明をするわ。青空君はアースストーンは知っているかしら?」
「えっ? はい、アメリカと日本で発掘された未知の鉱石ですよね確か……」
「そうね。報道されたこともあって青空君も知っているくらいアースストーンは認知されているわ。でもその情報には統制が敷かれているの。アースストーンの話には続きがある……。アースストーンには多大なエネルギーが内包されていることがわかったわ。そのことに着目してアースストーンを媒体として造られたのが永久機関アースドライブよ」
「……そのアースドライブと俺と何の関係があるんですか? 俺はそんなもの持ってないですよ……」
「いいえ。あなたは持っているわ。そこにね……」
綾乃は俺の胸の中心を指差した……。
「何を言って……」
「あなたには心臓がないの」
「……は?」
綾乃が何を言っているのかが俺には理解できなかった。
心臓がない?
じゃあ俺は何で生きてるんだよ……。
「青空君、あなたは幼い頃に交通事故で亡くなっているのよ」
「……綾乃さん、俺のことからかってます?」
馬鹿にするのもいい加減にしてほしい……。俺はそう思った。
「信じられないのも無理はないわ。話が突飛すぎるもの。でも実際あなたは死んだの……」
「…………」
綾乃の真剣な眼差しは冗談を言っているようには思えなかった。
「その頃、日本では戦争に巻き込まれた時の防衛力と戦争を起こさせないための抑止力の検討がされていた。そこで立案されたのがG計画……、ガーディアン計画よ。永久機関であるアースドライブをG計画に応用できないか模索されていた。そんな時、話に上がったのが人体転用だった……。そんな時に心臓の破裂した死体が候補に上がった。それがあなたなの……」
「そんなことって……」
言葉が続かない……。
不可思議に思えた記憶の数々に答えが出ていく。
俺は普通の人間じゃなかったってことなのかよ……。
「あなたは心臓のかわりに移植されたアースドライブの力を使ってあの化け物を殺したこれが全ての真相よ。これから青空君には国から特命が下ると思うわ……」
「……特命?」
「そうよ。あなたはその力で化け物と戦うことを強要されるってことよ」
「何々ですかそれ……。綾乃さんが何を言っているのか全くわからないですよ!」
「それが青空大地に科せられた使命であり義務なのよ……」
俺は不幸を背負う為に生まれてきたっていうのかよ……。
この世界は俺から大事なものを奪ってそれでもまだ俺のことをいじめるかよ……。
「勝手過ぎますよそんなの……。いじめられて、親が殺されて、次は俺に戦えだなんて……。こんなんじゃ生まれてきた意味がないじゃないですか! 俺は何でこの世に生まれてきたって言うんですか!!」
「生まれてきた意味なんて人にわかるはずないわ。でもね、あなたの生には明確な意味がある。今あなたにしかできないことがあるの」
「俺にはあんな化け物と戦うことなんてできませんよ……」
「そう……。残念ね……。いいわ。今日はゆっくり休みなさい。また明日答えを聞くことにするわ」
「何度聞かれても俺の考えは変わりません……」
綾乃は俺に一瞥をくれると何も言わず部屋を出て行った。




