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大地の身体は力を無くし、黒い生物が握りしめた首から下の全身をだらしなく垂らした。
黒い生物が大地の胸元に手を伸ばした時だった──不意に大地の身体が動きを見せた。しかしそれは人間の動きとは全く異なり、まるで操り人形が動き出したかのようなぎこちない動きだった。
そして黒い瞳をした大地の口が動き始めた。
「青空大地ノ、バイタルサインガ、危険領域ニ達シマシタ。現段階ヲ危険度最大ト認定。脅威トナル、対象ノ除外ヲ開始シマス。青空大地ノ意識不明ニ、ヨリ、サポートアビリティ・AI〈ガー・ディ〉ヲコンバート。ガーディアンシステム起動。OS読ミ込ミ開始──。アップロードノ完了ヲ確認。アース・ドライブ始動シマス──」
突然発せられた機械音声の後、甲高い電子音が辺りに響いた。そして大地の胸の中心から赤い閃光が溢れ出した。
赤く発光した光が無数の線となり、大地の全身を駆け巡る。その様相は、全身に張り巡らされた血管が赤く発光したかのようだった。
大地は首元を締め上げていた黒い生物の腕を手刀で切断し、間髪を入れずに右手に拳を作り、黒い生物に拳を突き出した。
黒い生物に拳が衝突した瞬間、黒い生物の左腹部が弾け飛ぶ。
しかし黒い生物の身体は瞬時に再生していく。大地は黒い生物の頭を鷲掴むと勢いよく壁面に叩きつけた。
黒い生物の頭部が壁面にめり込む。
大地は右手を黒い生物の胸元に伸ばした。
何かを察したのか黒い生物は大地に必死の抵抗を見せる。
しかし大地は黒い生物の抵抗を押しのけ、右手で黒い生物の胸元を抉り始めた。
もがき苦しむような動きを見せる黒い生物。
大地は黒い生物の体内から何かを引きずり出した。
大地が握っていた物は漆黒の色をした球体だった。
「……ダ、ダ、ダ、イチ」
不気味な音声が黒い生物から鳴り響く。
大地はその声に何の反応も見せずに球体を引き抜く。球体から黒い生物の身体に繋がった管が小気味いい音を立てて引きちぎれてゆく。そして抜き取った球体を大地は勢いよく握り潰した。
球体は砂状に形を変え、拳の指の隙間から地面に流れ落ちた。
同じくして黒い生物の身体も一瞬にして砂状へと変わり床に崩れ落ちた。
大地の全身に張り巡らされた赤い光は胸の中心へと収束を見せ始め、光の線が胸の光へ還ると胸の輝きはゆっくりと消えていった。
大地の身体は力を無くし地面に崩れ落ちた。




