067
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(50分前)
7時2分
帯渡島周辺海域、貨客船、船内
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【俺】
「………。………………。………………………。」
俺は二等船室を出て階段をあがり、デッキへと向かう。
〝自衛官募集!〟のポスターにはもう目を引かれない。二度目なのだから。
だが、すれ違った老夫婦の、
「ついこの間まで子どもだと思ってたあの子があんなに立派になってねぇ……」
「まったくなぁ……いい式だった。果報モンだよ、アイツは……」
という話には耳を立てる。一言一句だって聞き逃すものか。
【俺】
(やっぱり同じだ……! 前の世界と……!)
老夫婦の会話から確信を得た俺は、緊張に身を強張らせながら、釣り人らしき乗客に後ろからそっと近づく。
【釣り人らしき乗客】
「うおっ⁉」
【俺】
「……だいじょうぶですか?」
【釣り人らしき乗客】
「ととと。いやあ、ごめんねぇ。たすかったよ」
「あやうく転ぶとこだった」
【俺】
「いえいえ……それじゃ、失礼します」
【釣り人らしき乗客】
「うん、ありがとう」
俺は見知らぬおじさんのお礼の言葉を背に、強く――強く、拳を握りしめる。
間違いない。
これで、明らかになった。
【俺】
(俺は、俺は――)
俺は世界を変えられる。




