066
*━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━*
7時52分
帯渡島港
*━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━*
正直に言えば。
泣きそうだった。
目頭がカーッと熱くなり、涙腺が眉間の奥でグズグズと音を立てている。
【???】
「ナ、ナタロー……?」
わかっている。
振り返らずとも、わかっている。
そこにいるのが、誰なのかを。
……ミコトだ。
俺からすれば、数日前にいなくなってしまったはずのミコトなのだ。
また、会うことができたのである。
先ほどから必死にこらえている涙は、この再会に対する喜びに他ならない。
できることなら叫びたかった。抱き締めたかった。
だが、それでも俺は――
【俺】
「お、お前まさか……マコトか?」
そう言わなければならない。
【俺】
「じゃ、じゃあお前……マコトなのか? ほんとのほんとに、マコトなのか⁉」
そう言わなければならない。
【ミコト】
「オ、オマエ、まだボクのことを――っ」
そう聞かなければならない。
前の世界と同じように。
そのためなら、なんだってやる。
ソレが、俺の出した答えであり、覚悟だった。
だから、そう――
【俺】
「カァ~~~! まったく、胸にこんな詰め物まで仕込みおってからに! お前っちゅーヤツは――」
今こうしてミコトのおっぱいを揉みしだいているのだって、すべては計算尽くでの行動だった。
そこにためらいや後悔など一切ない。
……ましてや、よこしまな下心など。
【マコト】
「 死ねぇぇぇぇえええええええええっ! 」
俺は甘んじてミコトの鉄拳制裁を受け入れた。




