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【n=1】
1999年(平成11年)
7月4日(日曜日)、7時2分
帯渡島周辺海域、貨客船、船内
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【アナウンス】
『まもなく当船は帯渡島周辺海域へと入ります』
【俺】
「ん……」
【アナウンス】
『潮流により船体が大きく揺れますのでご注意下さい』
【俺】
「んんぅ……?」
【アナウンス】
『帯渡島でお降りのお客様は、下船準備のご案内まで今しばらくお待ちくだ――』
【俺】
「 んんん⁉⁉⁉ 」
次の瞬間、俺は弾けるように飛び起きた。
身体中の節々が痛い。 ――なんで?
床が揺れている。 ――なんで?
俺、寝てたのか。 ――なんで?
すべての疑問はたった一目で氷解した。
【俺】
「船……?」
船の中、である。
俺が今いるのは。
八尾姫神社の本殿でなく。
【俺】
「痛ッ――⁉」
突如として、胸に焼きゴテでも押しつけられたかのような痛みが走った。
だが今はそんなこと気にしていられない。
どうしてこんなとこにいるのか――新たに生まれ出たその疑問に対峙すべく、俺はmovaのモノクロ液晶で今日の日付を確認した。
するとそこには、
【俺】
「七月………………四日⁉⁉⁉」
この上ない、明白な答え。
疑いようのない、明快な事実。
俺が時をさかのぼった、とする何よりの証拠が示されていた――。




