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一方その頃、アサカは意気揚々と舟に乗り込み、海へと出ていた。
ヤオの残した眼球を放ると、あれほど荒れていた海が嘘のように静まり返る。
ソレを見たアサカは狂ったように笑いだし、故郷の島に向けて舟を進めた。
そろそろ夜も開けようかとする頃合いである。朝日を受け海が煌めいた――その時、
突如としてその色が赤く染まりだす。
まるで水面下に赤い大蛇が潜んでいるかのような光景。
アサカが驚き戸惑っていると、ついには赤い水が八つに分かれて立ち上がり、あっという間に舟を転覆させた。
溺れまいとするアサカだったが、足掻けば足掻くほど、その四肢は一本ずつ赤い水に絡めとられ、やがては海の底へと沈んでゆく。
その最中、アサカはたしかに耳にした。
あの女の、ヤオの勝ち誇った哄笑を――。




