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つまり、こういうことらしい。
――アツシがどーにかしてくれた。
結果、
【レイコ】
「 ぼのあいだば、ごべんばざい 」
この謝罪につながったらしい。
アツシの顔中に残るひっかき傷は、レイコを説き伏せるにあたっての負傷だとか。
……おっかねー女である。
ちなみに、いかにもシブシブといった感じだったが、
【シズク】
「……ごめんなさい、でしたー」
共犯者であるシズクもまた、レイコの背に隠れる形で謝罪の言葉を口にしていた。
【俺】
(アツシ……!)
(コイツ、すっげーな……!)
プライドがダイヤモンド級のレイコにあやまらせた、というのもモチロンだが、しかしそれよりも何よりも俺がおどろいたのは、
【俺】
(コイツにはまだ話しちゃいなかったってのに……)
例の彫刻刀事件のことである。
アツシを巻き込んだらますます話がこじれそうだったので、俺はその件を伏せていた。
にもかかわらず、コイツはこうして動いてくれたのである。
おそらくはここ数日の俺たちの微妙な空気から、不穏なモノを察したにちがいない。
正直、昔のアツシでは考えられないような気配りだった。
【俺】
(やっぱコイツも……変わってんだよな)
いや、というより成長か。
子どもからオトナへの。
一緒になってバカばかりやっていたはずのアツシが、いつの間にか遠くに行ってしまったようで、俺は感謝の気持ちを抱く反面、少しだけ――ほんの少しだけだが、さみしさを覚えずにはいられなかった。
【アツシ】
「……と、まあ、そーいうことじゃ」
【俺】
「ん⁉」
物思いからふと現実に引き戻される。
【アツシ】
「どうかのぅ、ナタロー、ミコト」
「この通り、二人とも反省しとるんじゃ」
「許してやってくれんかのぅ……?」
【俺】
「いや、そんなん……モチロンだよ」
「いがみあうより、仲良くやれた方がイイにきまってる」
「……だろ、ミコト?」
【ミコト】
「ウン、だね」
【アツシ】
「そっか」
「そう言ってくれてよかったわ」
「……いやぁ、ジャマしてしまって悪かったのう!」
再度ガハハハッと笑うアツシ。
「じゃあお二人さん、後はいいようにやってくれぃ」
「オレらは退散じゃ」
そのままレイコとシズクを連れて去ろうとする。
【俺】
「あ、ちょっと待てよ――」
俺は寸前でソレを引き留めた。
【ミコト】
「………。」
ミコトの方を見ると、小さくうなずき返してくれる。
よかった。どうやらコイツも同じ考えらしい。
俺は安心してアツシたちに呼びかける。
【俺】
「せっかくだし、みんなで一緒に遊ばねえか?」
「仲直りの証しに、ってことでさ」




