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正直言って、ちょっと気まずかった。
こうしてミコトと一緒にいるところを、他の人たちに見られるのと、コイツらに見られるのとでは、また少々意味合いがちがう。
ましてや、
【レイコ&シズク】
「「………………………。」」
レイコとシズク。
この二人に関しちゃあ、先日の彫刻刀事件以来、ろくにコミュニケーションがとれてなかった――
【俺】
(ん……?)
そこで俺は小さな違和感に気づく。
(あれ、コイツら……浴衣じゃねーんだな)
二人が着ていたのはごく普通の私服。
それも何やら動きやすそうなモノである。
【俺】
(ベツに場違いってワケじゃねーけど……)
(でもちょっと意外だな)
(ガキの頃なんかは、むしろ率先して着てたのに)
……どうしてだろう。
もしかして、これも例のオトナうんぬんの話か?
コイツらにしてみれば〝浴衣なんてガキくさいよね〟とか思ってるのだろうか?
【俺】
(いや、でもその割にいま着てんのは……普通だよなぁ)
(ハデでもねーし、オシャレってワケでもねーし……)
本当に、ごくごく普通の私服だ。
というか、むしろ見方によっては〝ヨゴレてもかまわない〟みたいなソレに思える。
【アツシ】
「いやぁ……ナタロー」
アツシが申し訳なさそうに言ってきた。
「すまんのぅ、二人でいるとこジャマしてしまって」
【俺】
「へ⁉」
「い、いやベツにかまわねーよ!」
「なぁ、ミコト⁉」
【ミコト】
「ウ、ウン!」
実際、どっかのタイミングで出くわすとは思ってた。
なにせこれだけ小さな島である。
一ヵ所に集まれば、顔を合わせない方がむずかしい。
【俺】
「てかどーしたんだ、いきなり?」
「それにその傷……だいじょぶなのか」
【アツシ】
「ん? おお、これか」
「こんくらい、なんともないわい。気にすんな」
アツシはガハハハッと豪快に笑う。
だがやがてその笑いも尻すぼみ気味におさまると、
「実は、のぅ……」
何やら言いづらそうに切り出してくる。
「なるべく早い内にカタづけときたいコトがあってな」
【俺】
「……?」
【アツシ】
「ほれ、レイコ……」
「シズクもじゃ」
アツシにうながされ、前へと出てくる二人。
特にレイコの様子はただごとではなかった。
顔面神経がクーデターでも起こしたんじゃないか、ってくらいにまぶたや頬をピクピクさせている。
そんな異様さでもって、
【レイコ】
「ぼ」
【俺】
「ぼ……?」
【レイコ】
「ぼぼぼ、ぼ」
【俺】
「ぼぼぼ、ぼ……?」
何やら未知の言葉をひねりだそうとしている。
一連のプロセスは、しばらくしてようやく次の一言に結実した。
【レイコ】
「 ぼのあいだば、ごべんばざい 」
俺の解釈が間違っていなければ、どうやらソレは謝罪の言葉のようである。
――このあいだは、ごめんなさい。




