004
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(15分前)
7時37分
帯渡島港
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俺は船を降り、七年ぶりとなる帯渡島の土を踏み締めた。
他にも数人が一緒に下船する。おそらくは釣り目的の観光客だろう。どうやらこの数年で島の観光業が栄えた、なんて話はないようだ。昔と何も変わらない。
うらぶれている。
ぴゅお~っと吹き抜ける潮風が、いっそうわびしさのエッジを立たせていた。
【俺】
「お……?」
ケータイがブルルッと震える。メールが届いたようだ。
【俺】
(すげー、本当に電波きてんのな)
事前に従姉から聞いていた通りである。
こんなイナカにもかかわらず、ちゃんと基地局があるらしい。
正直、今の今まで半信半疑だった。
【俺】
(で、メールはっと……ハツホからか)
俺はゲームボーイのようなmovaのモノクロ液晶を覗きこむ。
【斜崎初穂】
『わりぃ。用事ができてむかえにいけなくなった』
【俺】
「あんのヤロォ……」
ハツホ。島に住む俺の従姉だ。
こっちに戻ってケータイを買って以来、何度かこうしてメールでやり取りしている。
んで、今日はしきりにアイツが「むかえにいく!」と言ってたので、ここで落ちあう予定だったんだが……。
ま、いっか別に。かなり朧気な記憶だが、それでも昔住んでた場所くらい行けるだろう。そんなおっきい島でもないんだし。最悪、道に迷ったら誰かに訊けばいい。
そんな風に思ってたところ、
【斜崎初穂】
『べつのヤツがいくから待ってろ』
新たなメールである。
俺はすぐに
『いや大丈夫だって。そっち行くくらいなんとかなる』
と送ったが、少ししてハツホから届いた返信は、
【斜崎初穂】
『いいから待ってろ』
の一言だった。
……アイツは昔っから人の話を聞かねぇんだよな。
まあ、しゃーなしか。多分、ハツホの言う〝べつのヤツ〟は今頃もう家を出てしまっているだろうし。
ご厚意に甘えるとしよう。
そんなこんなで俺は旅行カバンを防波堤に下ろし、その横に腰掛け一人ぽつんと海を眺めていた。
しばらくして、
【???】
「ナ、ナタロー……?」
ふと背後から声を掛けられる。
振り向くと、そこにいたのは――




