035
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17時21分
帯渡島小中学校、校舎裏
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【俺】
「お、おいおいおい……!」
暮れなずむ夕日。
オレンジ色に染まる校舎。
その影と光の狭間にいる俺たち。
中々に絵になるシチュエーションではあった。
日本のゲームや映画でも、こういった場面は結構でてくるのかもしれない。
【俺】
「よ、よせよ……!」
ただしキャスティングには難があった。
大いに難があった。
むしろ難しかなかった。
【俺】
「やめろって、レイコ……!」
レイコ。
弐波令子。
同じ学年の同級生にして――友だちのカノジョ。
そのレイコの整った顔が今、目の前にあった。
互いの息遣いすら掴めそうなほど、すぐそばに。
身体もほとんど密着している――というより、密着させられている。
俺は校舎の壁を背に追い込まれ、まるで逃げ場のない状況だった。
ああ、首すじがゾクゾクする……。
【レイコ】
「やめろ、ですって……?」
「バカね。今さらやめられるワケないじゃない」
「もうここまで、しちゃったんだから……」
きっとアツシが目にしたら心臓が止まりかねぬほど驚く光景に違いない。
そりゃそーだ。
なんたって自分の大切なカノジョが――
【レイコ】
「一応警告しておくけれど……」
「 動いたら危ないわよ? 」
彫刻刀を手に、人を脅しつけているのだから。
【俺】
「カンベンしてくれよ……!」
レイコの彫刻刀が、ヘビのように俺の首筋を這いずり回っていた――。




