第34話 プラウタの手紙
フロウレラ・ティックナッカ 様
元気してますか? プラウタです。
訓練期間中は、なんでも僕も軍事機密に関わっているとの事でなんと外出禁止だそうです。ああ、せっかく主島にいると言うのに、名物のマグロの頭も食べられないなんて! 手紙も内容を検閲されるとか偉そうなヒトの秘書の人が言ってました。軍人さんってのは、どうしてこうも心配性なのか。
こちらにきて一週間。僕は元気に飛んでいます。僕の予想通り、単純にジェットエンジンの開発だけではなく、空軍も関係していたって事で少し気が重い部分もあるけれども、最新の技術で空を飛ぶとこうも世界が違って見えるのかと驚いていろいろな不安がはるか後ろに吹き飛んでしまいます。詳しく書くと、たぶん検閲にひっかかっちゃうんだろうな。どんなにすごいかと言うと、一緒に乗った蒸気飛行機がゴンコンゴンコンゴンコンゴンコンってくらいだとすると、ジェット飛行機はズギュゥゥゥゥゥゥンッ!ってぐらいです。わかんないか。
友達もできました。なかなかいい腕の持ち主で、ちょっときつい性格しているけれども正直な人です。真っ直ぐな人間です。名前くらいは、大丈夫かな? レイジ・ウインズ。パイロット候補生は僕もいれて5人いるんだけれども、みんな空軍の軍人さん。歳もベテランってところ。だけれどもレイジと僕だけまだ二十代。歳も近く、何かと話し掛けて来てくれる。
飛行訓練もおもしろいし、何よりジェット飛行機の操縦はものすごい。世界全体が僕の思うままに加速するって感じです。ただ不満と言えば、食事があまりおいしくない事、基礎体力訓練と言って走り回されてばかりいる事、私物を持ち込めなかったからライチ酒が飲めない事、かな。朝起きたら走って、昼間の暑い時は屋内でジェットエンジンの機械的な部分を机に座って勉強。お昼を食べて軽く準備運動して飛行訓練。夕方暗くなって帰ってくると、やっぱり走らされる。栄養は十分に考えられているんだろうけどあまりおいしくない夕食後、今日の訓練に関するレポートを作成。あとは何もする事がなくって眠るしかない。そんな毎日です。
フウさん、そちらはどうですか? カンゼオンジャの写真はうまく撮れていたかな? あの冒険旅行の成果がでるといいけれども。この飛行訓練が終わったら、またカンゼオンジャを探しに行こう。磁石をなくして遭難したり、生水にお腹をやられてしまったり、いろいろあったけれどもおもしろかったからね。
それじゃあ、このへんで。さようなら。
プラウタ・ラッツェル




