#27読書感想「怪談奇聞 憑キ纏イ」(小田イ輔)
本の題名:「怪談奇聞 憑キ纏イ」
著者:小田イ輔
出版社:竹書房怪談文庫
ジャンル:怪談
#読書感想、27冊目
表紙がとにかく怖い! 白目が黒いショートヘアの男性が、血まみれでこっちを凝視している謎の表紙が、とにかく、怖いです。怪談文庫の表紙として、もう、表紙だけで「この怪談は怖いんじゃなかろうか」とワクワクさせられる表紙です。夜中に目が合いたくない! はは……。
最初から最後まで、怖さはカレーで例えると甘さの強い中辛カレー(甘口と中辛の間)くらいでしたが、本書の魅力はとにかく、「ええっそれってどういうこと!?」からの「なるほど……!?」みたいな、内容の面白さ・ひいては怪談としての興味深さだと思います。
怪談を読んで、こんなに楽しい気持ちになったのは珍しいなと思うほど、素敵な本でした。
でも鳥……!!!! 鳥さんの話だけ、凄い形相で読みました。語り手さん、故意ではなかったにしろ、それは……そりゃあ、いかんだろ……と……。事故までは子供だし仕方ないところもあるかもしれませんが、その後にした行動が許せないです。
本当にあなたは鳥さんのペットを愛していたんですか? と問いたい。私は動物が好きなので、動物(特にウサギ、犬猫、鳥)がひどい目に遭う展開はものすごく憤怒を覚えます。なきがらが雑に扱われるのもイラッとします。
ですが、それもふくめて、忌避感を覚える話がふくまれるのも怪談の醍醐味なのかなとは思います。……鳥さん……。…………。……語り手さんめ……(鬼のような形相をしつつ)。
他の話は好きです。
あと、語り手の兄が消しゴムを焼いた話が印象的でした。第三者視点だと因果関係が見えてこないけど、でも妙な話と話の繋がりを感じてしまう……。無い因果関係を見つけてしまうのは、点が3つあるだけで顔に見えてしまう人間の脳のさがでしょうか……。
とにかく、怪談本として本書は魅力がありました。
なんというか、ただ怖がらせるだけではなく、多様な怪談があるので、まるで味が違うたいやきみたいに、こっちはカスタードクリーム、こっちはチョコレート、これはつぶあん、こしあん、あっちはまさかの焼いたひき肉!? みたいな感じで、色んな味(話)を楽しむことができます。
怪談の内容が、王道なのに新鮮な物が多くてとっても楽しかったです。なんというか、怪談として「こう来て欲しい」という流れというか文化をくみつつ、でもあえてここではちょっと違う展開でズラしてくる……。そんな感じがとても好きでした。
面白かったです!




