#21読書感想「バビロンの大富豪「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか」(ジョージ・S・クレイソン)
本の題名:「バビロンの大富豪「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか【文庫版】」
著者:ジョージ・S・クレイソン
翻訳者:大島 豊
出版社:グスコー出版
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かなり有名な本だけど読んだことがなかったのでどんな内容なんだろうと期待しながら読んだのですが、一番驚いたのは「収入の10%を貯蓄しよう」とか「投資詐欺には気をつけよう」みたいな常識的な原理原則が、大事な教訓として掲げられていたことです。
確かに、難しいですよね。欲望は再現なく膨らむから、気をつけないと収入そのままの支出をしてしまう、という話がすごく分かる、分かる……とうなずいてしまいました。
何があっても収入の10%を貯蓄する、でも、無理してたくさん貯蓄をしようとせずに、人生を楽しむことも忘れない。その教訓には人肌の温かみすら感じます。
他にもいろいろお金に関する教育・指南みたいなものが書いてあったのですが、私が心を奪われたのはバビロンに住んでいるという設定の人々の暮らしぶりです。兄が借金を酒と賭博でこしらえたので奴隷として売られてしまった男性や、大金持ちや、ラクダについて何でも知ってる男、あるいは逃亡奴隷など、くせの強い濃いキャラクターがたくさん出てきます。
また、作中に出てくる糖蜜ケーキのようなものや、ヤギの足を焼いたご馳走がやたらと異国情緒あふれていて、好きです。
あと、金銀財宝のたぐいがたくさんある裕福な街バビロンだったという話などが、知らなかったので「へえ……」という感じでした。
でもやっぱり一番好きなのは、熱い物語の展開です。何も悪いことは(たとえば当時のギャングみたいな盗賊団に入って窃盗したりとか)してないのに、可哀想に、借金のカタとして売られてしまった男性が、主人の妻に憐れまれて助けてもらう話とか、エモーショナルで、かなり感情を刺激される話がたくさんありました。
唯一気になる点があるとすれば老人の喋り方が「~じゃよ。~なのじゃ」という喋り方で、ちょっとアニメ・漫画みたいな感じがしたという点だけで、でもそういう部分もふくめて読みやすいのかもしれません。
群像劇みたいになっていて、多様な人々の生き様が書かれているのが、すごく楽しかったし教訓に満ちてもいました(ただし、古代のバビロンの時代やこの本が書かれた100年前の時代と今の時代は違うところも多いので、必ずそうとは言えないかもしれないけど、でも勤勉であるべきとか、ほとんどの場合においてチャンスを掴む準備をしていたものにだけチャンスと幸運は訪れるとか、真面目に職場で努力して仕事を丁寧にやれ、とか収入の10%貯金しろ、とか、現代人にも役立ちそうなことが書かれています。言うは易く行うは難し、かもしれませんが、確かに、まあ、そうかもな……と思う話がたくさんありました。たとえば、偶然ラッキーで遺産相続や、賭け事なんかで大金を手に入れた人々はだいたい不幸になる、――なぜなら、お金の正しい使い方もお金の守り方も知らないからだ――という話が納得しました)。
稼ぐことも大事だけど、守ることも凄く大事だ、という話や、旨味が強そうで簡単に儲かりそうな話はだいたい投資詐欺、という話などは現代人にも響くのではなかろうかと思います。100年前の本とは思えないほど、登場人物の感情の流れや出来事・展開が面白かったです。




