↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。  作者: 二十口山椒


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/92

87:ボーナス

『Congratulation!』


 アールバットは消え、俺たちの目の前には一階層の時と同じように文字が出てきた。


 そして部屋の中央には宝箱があり、階層主を倒した証拠でもあった。


「なんだか、拍子抜けするような相手だったね。強かったのは強かったけれど、僕たちの方がもっと強かったみたいだ」


 一回もアールバットから攻撃を受けていないからそう言っても何ら間違っていない。


 しかも一番厄介な闇も天音の力で完全に無力化してアールバットを弱体化させたから難所がなかったとも言える。


「レベルはこっちの方が低いけど、たぶん持ってる装備が強すぎたんだろうな。だから一方的な戦いになってるみたいだ」


 リリスは今回の戦いをちゃんと理解しているみたいだ。


「まあそれは俺以外の全員が自分の力で勝ち取ったものだ。何ら気にすることはない」


 俺と天音って言おうとしたけどそれを言ったらエイルに注意されそうだからやめておいた。


「そうです。別にここはゲームじゃないんですから強くて圧倒するなんて現実的でいいじゃないですか」


 テレイアもこの意見に賛同してくれた。だから誰も反論することはない。


 ここでのテレイアの意見は強いからな。


「あたしもそこで文句を言っているわけじゃないよ。あの宝箱からいいものが出るとも限らないからね」


 そう言ってリリスの視線はボスの宝箱を向いた。


「おぉ、あれがボスの宝箱だね! 確か全員に与えられるから誰が開けても関係がないんだよね?」

「あぁ、そうだな」


 誰が開けても個人の運の良さになっているから誰が開けても関係がない。


「ラストアタックのテレイアが開ければいい」

「まあ、分かりました」


 リリスの言葉に頷いたテレイアは少し軽い足取りで宝箱の前まで向かい、宝箱を開けた。


 一階層の時と同じように二つのものが出てきた。


 ボスを倒した時に出てくるドロップアイテムと、階層を初踏破した時のボーナス。


「うわ、いっぱい出てきた!」

「本当だね!」


 初体験の美琴と天音は驚いた声を上げる。


「軽く説明するぞ。宝箱から出てきたものはボス討伐時に絶対に手に入るドロップアイテムと階層を初踏破時にしか手に入らないボーナスだ。とりあえずドロップアイテムが何が出てきたのか言うか」

「それがいいな。視聴者も分かるし」


 俺がそう説明してそれぞれが手に入ったドロップアイテムを言うことになった。


 それぞれが手に入ったドロップアイテムを確認するから俺も確認する。


 ……ふぅ、どうやら俺の運はこんな美女たちに囲まれてハーレムになっているから尽きているようだ。


「あたしは籠手だ。『深淵の籠手』だって」

「私は『深緑の天弓』です。これで新しく弓を買わなくて済みますね」

「お! 僕は『神速のブーツ』だ! これはかなり僕のスタイルに合っているんじゃないのかな?」


 リリス、エイル、美琴がそれぞれに似合った装備を手に入れている中で、テレイアと天音が画面を見て固まっていた。


 天音はともかくテレイアは何だろうか。


「テレイア、どうした?」

「いえ……これは、何ですか? 『無限転生宝玉』で、装備ではありません」

「ん!?」


 それを聞いて俺はめっちゃビックリしてしまった。


「文字通り聞いたら何回でも転生ができるってアイテムだな。でもそんなことある?」

「転生ということは生まれ変わるということだね。使用用途があまり分からない」

「これはどういうアイテムですか? 優斗」


 俺は驚きながらもそのアイテムの説明をする。


「それは自身で使うアイテムじゃない。宝玉の穴が付いている装備に使うものだ。テレイアはその装備を持っているな」


 俺にそう言われたテレイアは腰に納剣している紅蓮の宝剣の柄を持つ。


「例えばその剣に無限転生宝玉をつけるとしよう。そうすればその剣が壊れた時に新たな剣として復活する」

「それなら壊れても問題がないんですね」

「実はそれだけじゃない。剣が壊れて新たな剣になった時、その剣は強化されて新生することになっている。だから前の剣よりも強くなっているわけだ」

「え、それ強くない?」

「あぁ、強いぞ」


 リリスがすぐに気が付いて反応する。


「……この剣が、無限に強くなるということですか?」

「そうなる。この二階層でそれが出るとは思わなかったら驚いているところだ」


 それを聞いたテレイアはマジマジと剣を見て少しだけ頬を緩ませているのが分かる。


 ただ視聴者や美琴と天音には分からない表情の変化だからすました顔で見ているとしか見えないだろう。


「それならよかったです。この剣をずっと使いたかったので」

「アイテムレベルはいくつなんだ?」

「890です」

「高いなー」


 だからこの二階層で出すアイテムじゃないんだよなー。


「それで、優斗と天音は何が出た?」


 テレイアの番が終わり俺と天音の番だとリリスが言ってきた。


「俺は『闇切』だ。ちなみにアイテムレベルは25だから低いぞ」


 まあ岩切よりも強いから悪い武器ではない、とポジティブに考えよう。


 他と比べても仕方がないことだ。今日の夜にそれでエイルに慰めてもらおう。


「それは残念だったね! あたしは『ピルの魔導書』だったから同じようなものだね!」


 俺のドロップアイテムを聞いた瞬間に生き生きとして答える天音。


 もう隠す気ないだろと思ってしまうが、天音がそれでいいのならどうでもいいか。


 まあ俺の闇切よりも確実にピルの魔導書の方がいいのは言うまでもないことだ。エイルたちと比べたら確実に劣っているけどね。


「ピルが強くなることはいいことだ」

「そうだね。もしかしたらいい装備よりもいいかもしれないからね!」


 リリスの言葉に美琴がふわっとしたフォローを入れる。


 何とも美琴らしくて笑ってしまいそうになるが我慢する。


「それじゃあそれぞれのボーナス選択に入ろうか」


 そしてもう一つ大事なこと、ボーナス選択に入る。


 むしろ装備よりも大切かもしれないからな。ここのボーナスでどれを選ぶか慎重にならないといけない、かもしれない。


 ぶっちゃけどうにでもなるから慎重にならなくてもいいからな。


「今俺たちの前にはスキルやアビリティ、魔法が手に入るボーナス選択画面が出ている。それをどれか一つ選択すればそれを手に入れることができるぞ」

「何でもいいのかい?」

「あぁ、どれでも一つ選んでくれ」


 それぞれがボーナスを選択する時間になるが、エイルはこちらを見ているからこちらもエイルを見れば微笑んできた。


 前回と同じで助けてくれってことだよな。分かっている。


 エイルは俺の隣にピッタリとくっついて自身の画面を見せてくる。


「今回はどれがいいですか?」

「そうだな……」


 俺はエイルのボーナス選択画面を見る。


『属性付与

 スキル

 自身かパーティメンバーの武器に属性を付与させる』

『狩人

 アビリティ

 速度+20%』

『エンゲージステータス

 アビリティ

 相手との合意の上、エンゲージは行われる。

 エンゲージの相手とステータスを掛け合わせることができる。

 ただし相手が受けるダメージもこちらが受け、逆にこちらがダメージを受ければ相手にもダメージを受ける。

 エンゲージの解消は両者の合意がなければ行われない』


 え、めっちゃ強いアビリティが出てる。


 ……これも運というわけですか。いや別にひがんでいるわけじゃないんだけど。


「この最後のアビリティは強いのでしょうか?」

「あぁ、滅茶苦茶強い。たぶんこの三つの中なら確実に三つ目を選んだ方がいいよ」

「どういうアビリティなのですか?」

「そうだな……もし、エイルがテレイアとエンゲージしたとしよう。そうすれば今のエイルとテレイアのステータスが掛け合わされることになる。だからエイルが上げている攻撃力と速度と器用がテレイアと掛け合わされてものすごくテレイアが強くなる、ということだ。もちろんエイルの矢も滅茶苦茶強くなるということになる」

「え、掛け合わせるのか?」

「そうだぞ。婚約だからそりゃ掛け合わせだろ」


 俺の説明を聞いていたリリスが反応した。


「え、それめっちゃ強いじゃん。それにすればいいよ、エイル」

「はい、そうします。これで優斗とエンゲージしますね」


 リリスの言葉にうなずいて俺とエンゲージをすると言ってきた。


「え、俺とか?」

「はい! 何かおかしいですか……?」

「おかしいと言うか、俺とじゃなくて俺や天音以外とエンゲージをした方がいいと思うぞ」


 俺はそもそも後方にいて俺が強くなっても意味がないし、天音は魔法使いだからエイルが上げていないステータスが特化しているから適していない。


 だから俺と天音以外と言った。


「ふふっ、優斗こそおかしなことを言いますね。私が優斗以外とエンゲージすると思っているのですか?」


 エイルは微笑みながらそう言ってくるが笑っていない目を向けてくる。


 うん……エイルはあれだな。ゲームとかだと効率とかそういうのは考えずにその人に合っているかどうかで装備を決めたりしそうだ。


 それは別に悪いことではないしむしろ愛があると言えるわけだ。


 だからここで俺が言うべき言葉は決まっている。


「あぁ、確かにそうだな。俺とエイル以外でエンゲージするのはあり得ないな」

「はい!」


 いやまあ今まで俺とセットみたいな考え方だったから間違ってはいないか。


 それならそれでステータスの割り振り方を少し考えないといけないかー。


 エイルがボーナスを選択したから今度は自分のボーナスを選択しないといけない。


『多重スキル

 アビリティ

 同時にスキルを使うことができる』

『居合斬り

 スキル

 居合に集中すればするほど威力が上がる』

『侍

 アビリティ

 刀装備時、全ステータス+50%』


 これまた……めっちゃ考えるものが来たな。


「侍があるのですね」

「あぁ、しかも強いな」


 正直どれも欲しいところだが、選ぶとしたら多重スキルか侍だ。


 いやここは侍か。そうすればエンゲージステータスとの相乗効果が凄まじいことになる。


 多重スキルがあれば居合斬りからの飛竜で攻撃力が下がる効果を打ち消せる。スキルは基本二つ同時には使えないからな。


 ただ、ここはやっぱりエンゲージステータスがあるから侍の方がいいだろうな。


 となれば俺はずっと刀を使うことになるなー。でもそれでもいいか。俺も一緒になって遠距離の方が確実にいい気がするが、もうそんな効率は考えないようにしよう。


「侍にするか。これならエンゲージステータスと相性がいいからな」

「確かにそうですね! これならどんなモンスターが相手でも倒せそうです!」


 エイルが嬉しそうにしているからもう何でもいいか。


「全員決め終わったね。じゃ、これも言っていこうか。あたしは『キャッスルブレイク』っていう大剣専用のスキルにしたよ」


 リリスから選んだボーナスを言っていく。


「私はスキル『リコイルバースト』です。強い一撃を放つことができるが武器の耐久度が減るというものです」

「それなら無限転生宝玉と上手くかみ合ったわけだ。いいな」

「はい、かなり良かったです」

「二人はそういうものなんだね。僕は少し違って『SP+100』にしたよ」


 あぁ、そう言えばそういうのも追加したな。


「そういうのもあるんだな。それならあたしたちもステータスがプラスされるボーナスがあってもいいんじゃない?」

「それなら追加しておく」

「ありがと」


 ぶっちゃけそれよりもスキルやアビリティの方がよくないか? と思ったがそこの幅は広げておいた方がいいか。


「次はあたしだね。あたしは『多重魔導』っていうアビリティだね。魔法が複数使えるようになるアビリティ」


 お、天音もそっち系があったのか。


 ただ俺の時よりもおそらく有効に使えるだろう。俺は威力が上がるだけだが、魔法は組み合わせによって効果が違うから魔法使いの多重系は強い。


「俺は『侍』だ。刀を使っていればステータスが上がる」

「私は『エンゲージステータス』です。優斗とエンゲージすることで優斗のステータスと掛け合わされます!」

「お、それなら二人ともかなり強くなってるのか。いいね」

「おー、そういうスキルも憧れるね。二人の力を合わせて戦うことはロマンチックだ」


 美琴はロマンチストだな。


「今回も次の階層まで行こうか」


 リリスの言葉に誰も拒否せず、入り口とは反対にある光っている扉に向かう。


 そしてテレイアを先頭に続々と入り、俺もエイルと手をつなぎながらその扉に入る。


「へ?」


 扉が出た先には一階層のセーフエリアみたいに小さな村のような場所だった。


 だが、明らかにそこにいる人形たちは怪我を負っており、普通の村の様子ではなかった。


「あれは……」


 さらにテレイアが向けた視線の先には、モンスターによって占拠されている城があった。


『サンライズ王国の周辺村』


 この村はそういう名前だった。


 つまりサンライズ王国があの占拠されている城ってことか。


「うわぁ、気になるけど今日はここまでだね。次いつやるか分からないけど、また見てねー」


 気になる光景を見せておきながらリリスはアラギに向けてそう言った。


 だから俺もエイルもアラギに向けて手を振った。


 ついでに美琴は同様に、天音は少し遠慮気味に手を振ったことで配信は終わった。

よければブックマーク、評価お願いします。


毎日気にするタイプです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。