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転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。  作者: 二十口山椒


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77:救出

 一旦、孕み袋にされていたギャルを置いて、残りの仲間を対処することにした。


 次の美琴の仲間がいる画面に切り替える。


 すると今度はさっき二つよりもだいぶマシな光景が目に入った。


 見たことがないイケメンな男性が全裸になっており、男性の目の前には全裸の女性がいた。


 その全裸の女性はよく肥えていて年も高齢と言ってもいいババアで、男性に向けて恥部をさらけ出していた。


『ほら、舐めな!』

『うっ……は、はい……』


 イケメンな男性は吐きそうで涙目な顔で女性の恥部に顔をうずめた。


 ……これもまた、地獄だな。


 でも殺人と孕み袋と比べたらちょっと弱く見えるのが怖いところだ。感覚がマヒしている。


『あんたらも来なぁ!』


 ババアが誰かを呼んだと思えば、様々な女性を呼んだ。


 ババアもいるが、美女やらメイドやら色々な女性がいるのが分かる。


 そしてそのすべてが全裸だ。


『もー、待ったんだからー』

『奥様は待たせ上手ですわ!』

『もうこんなに濡れちゃっているわぁ』

『ひぃ……!』


 イケメンな男性はその光景を見て悲鳴を上げた。


 ……男性の精神がブレイクする可能性はあるが、とりあえず今は別の仲間を見よう。


 次に映し出された画面はかなりヘビーなものだった。


『あー……あああああああああああ!』

『うるさいんだよ、まったく。たかだか足が別のモンスターのものになったくらいで叫ぶんじゃないよ』


 ベッドというか手術台のような場所に寝かせられている全裸の女性がいた。


 あの転移の場所にいたその女性は、足が全く別の物になっていた。


 肌の色は緑色になっており、女性の物とは思えないほどの太さだった。


 しかも女性の変化は足だけではなかった。


 右腕は触手のようにうねうねとなっており、左腕は毛だらけになって手が獣のそれになっていた。


 さらに胸には赤い目玉が埋め込まれておりギョロリとしている。


 ……さっきのギャルは孕み袋になっていたが、この女性はモンスターに変化させられているのか。


 変化? それとも移植されているのかは分からない。だけどモンスターの力を使おうとしているのは確かだ。


 さっきの男性には悪いがこっちから片付けさせてもらう。


 非人道的な実験が行われているそこはヨロズ帝国ではなくどこかの山にある施設だった。


 実験を受けている女性をチートな箱庭の時間停止している空間に転移させた。


『な、なんだ!? どこに消えた!?』


 驚いている実験をしていた男の胸に同じように剣を突き刺し、その施設にいる全員にも同じようにする。今回は崩星の剣ではなく別の武器を使う。


 その施設の上空に剣を出現させ力の解放を行えば、まるで天罰が降りてくるようにそこだけ雲が存在していなかった。


 その剣の名前は『雷霆の剣』。


 一切合切を灰にする雷がその山一帯を焼き焦がすように轟音と共に降り注ぐ。


 雷が降りやめば、指定した一帯はすべて消滅していた。


 それを確認してから、どうやら最後であろう美琴の仲間が映っている画面に切り替わった。


「これは……」


 最後に映ったのは見たことがある中年の男性だった。


 全裸の男性は磔にされていた。両手のひらに釘を刺され、足は重ねて釘が打ち込まれて磔にされている。


 そこはヨロズ帝国だが、貧民街のような場所だとすぐに分かった。


 その貧民街の場所でどうして磔にされているのかと思った次の瞬間、磔の男性は薄汚い身なりの男に剣で貫かれていた。


『このゴミが!』


 そして剣が抜かれれば、瞬く間に傷が治っていた。


『この、この! 死ね死ね!』

『おい、一人一回までだぞー』

『そうだそうだー。二回目はまた並び直せー』

『一回じゃなくて時間にしろよー』


 磔の男性の前には多くの身なりが汚い人が並んでいる。


 そして次の女性に順番が回ってくれば、男性の股間目掛けて殴った。


『この! 短小が見せつけてんじゃねぇよ!』

『ぷはっ! 確かにな!』

『ほら代われよー。いっぱい並んでるんだからー』


 股間は潰れていたがこれも瞬く間に治った。


 そして順番が回ってくれば、磔の男性の近くにある武器を使うか殴るかで男性を死んでもおかしくないレベルの攻撃をするという状況だった。


 だけど磔の男性はどんな傷でも治っている。


 ……サンドバッグのようにされているのか。しかも誰でも自由に列に並べば暴力を振るえるようになっている。


 こうして貧民街のストレスを発散させているのか。まあ普通に考えてこれが許されるわけがないが。


 さっさとこの男性を戻そうと思ったが、何か違和感を覚えた。


 この男性が殴られても体を潰されても、一切の声を発していなかった。


 しかも白目をむいて舌をだらしなく出し、よだれや鼻水、涙が垂れ流しになっている。明らかに正常な顔ではない。


 再生しているし体が動いているから生きてはいる。だけど詳しいことは分からなかったから全知の具を使って男性の状態を確認した。


「……そうか」


 男性はもう死んでいる状態だった。


 再生している状態では生きていると言えるんだが、もうこれは人ではない。


 肉体を再生するためだけに存在する物だ。


 魂はそのエネルギーに消費され、脳を含めた臓器はほぼ機能していない。ただ再生するためだけに存在する死体だ。


 ……こんな残酷なことをして、貧民街の奴らはただストレス発散だけしか考えていない。


 それどころかこれをやったのは帝国だ。


 決して許せるようなものではない。


 それに五人の仲間は全員人質ではなく帝国のいいように使われていることも腹が立つ。


 美琴の立場になればなおさらだ。美琴は仲間を救うために一生懸命だったのに、それを帝国は嘲笑っているんだ。


 だから天罰を与えないとな。


 これは正義ではない。ただ俺が与えたいと思うだけの八つ当たりで、帝国が好きな理不尽だ。


 すべてを壊してもいいが輝夜は神を殺して試練をなくしても頑固に動かなさそうだからそれはやめておく。


 だが、それまでに何もしないのはない。


 まずは美琴の仲間たちを救い、無念を晴らさないとな。


 とりあえず女たちに囲まれているイケメンと、ただ再生するためだけにいる中年の男性から対処しないといけない。


 すぐにすべてを破壊しなかったのは美琴の意思を尊重したからだ。


 もし本当に関係のない人、本当に関与していない人などがいる可能性はある。


 だから俺は新しい魔道具を作り出した。


 天秤と剣を合わせて剣の柄に天秤をつけた『審判の天剣』。


 この剣は刺されただけでは何も起こらない。


 だけどこの剣を使う際には罪と罰を設定する。


 刺された人はその罪を犯していないかを過去まで遡り裁判にかけられる。


 もしその罪を犯していなければ剣は何も起きない。


 ただし、もし罪を犯していれば罰が執行されるようになっている。


 さすがに国全体にやるのは面倒だから範囲を決める。


 イケメンな男性がいるところはその屋敷全体の人間に。


 中年の男性がいるところは貧民街の人間に。


 それを定めた後にまずはイケメンを回収して二人がいる時間停止した空間にいてもらう。


 驚いている屋敷のババアどもや対象にしたすべての人間に向けて審判の天剣を胸に刺した。


 かなり多かったがそれでも俺の魔力量や魔力の貯蔵から考えれば海からコップ一杯の水を取るくらいなものだ。


 審判は一瞬にして終わり、結果が出た。


『あああっ! ああああああああああぁっ! く、来るな、来るなああああああ!』


 最初にイケメンに命令していたババアがそう発狂して走り出した。


 屋敷にいる数人以外は突然発狂し始めた。


 さらに貧民街では赤子以外はすべて発狂していた。


 もれなく発狂しているのは審判によって罰を受けている者たちだ。


 彼ら彼女らには個別に見えているものがある。


 審判によって奴らのエネルギーによって出現した罰を与えるための存在、鬼が。


 鬼はその人物にしか影響を与えないがその分強くなっている。


 罰を受けている奴らが鬼から逃げている状況はまさに鬼ごっこ。奴らにはちゃんと鬼に捕まればどうなるのか教えてある。


 すべてを喰らい尽くされると。


 それが転移者たちをいいように扱ったお前らへの罰だとも伝えた。しかも鬼がそのことを伝えながら追いかけているから分かるだろう。


 その鬼は追われている本人なら倒すことができる。


 ただ神殺しができるほどの強さは必要だがな。鬼は鬼神と言ってもいいほど強い。


 その光景を最後まで見ることはせず、次に中年の男性に手を付ける。


 こちらに持ってきたとしても何もすることはできない。持ってきたとしても美琴に証拠として見せる以外にできることはないし、そんなことはしない。


 だから再び雷霆の剣で雷を降り注いで消し飛ばした。


 今回はその男性だけだったから範囲は狭いし一瞬だ。でも周りに運よくいた貧民街の連中は一緒に消し炭になった。


 苦しまずに逝けたことは幸運だろうな。


 さて、あとはヨロズ帝国全体に対する八つ当たりだが、これはやらないでおくか。


 これに関しては天音に話してやった方が彼女は満足するだろう。


 となれば今は時間停止している空間にいる三人だ。


 チートな箱庭に病院を作り出した。


 本来作る普通の病院ではない。体を治すための魔道具の一種で個室ごとに体を元に戻すための魔道具が備え付けられている、いわば魔道具の箱と言ってもいい。


 そこに三人それぞれの個室に送り、治療を行う。


 その個室に備え付けられている魔道具は患者によって作り直されるものだから絶対に治るし、俺が一々魔道具を作らなくていい。


 三人を治療している状況は俺は把握できる。


 一番軽いと思っていたイケメンだが、軽そうに見えて軽くなかった。


 色々と体がいじられているのが分かる。


 例えば走れないようになっているし、寝るという行為を完全にできないようになっている。もちろん気絶もできない。


 ただそれはギャルや大人の女性にもされているのが分かるから、人質になっている転移者には全員していたのかもしれない。


 さらにイケメンは二人とは違って精神をいじられている。


 多重人格のようになっているように細工されている。これは色々と治さないといけないから大変だな。


 まあ、このチートな箱庭で不可能なことはないしすべての事象において特効を突くことができるんだから生きているのなら全く問題はない。


 ただ今回は体をかなりいじくられていたから巻き戻しの魔道具を使った様子だ。そっちの方が速いしエネルギー消費が少ないと踏んだのだろう。


 そして一分もしないうちに三人のすべての治療が完了した。


 時間がかかった分は魂の回復だ。魂までもエネルギーとして消耗していたからそこを治すのに時間がかかっていた。


 でも三人の精神状態はよくはないからいつ目覚めるかは分からないところだ。


 こればかりは精神の問題だから起きるまで様子を見るしかない。


 目覚めさせることはできる。でも今まで意識を失う状況にしばらくなれなかったんだから今くらいは寝かせてやった方がいいだろうな。


 エイルからスマホに通話がかかってきているから今日のところはこれで帰ることにした。


 少し人質の様子を見るだけだったのに嫌な予感が的中して救出まですることになるとは思わなかった。


 人質がいなくなったことでヨロズ帝国が輝夜に手を出す心配も考えたが、そもそも人質を殺している時点であっちが悪いし、それをすれば全員を殺すようにはする。


 とりあえず今は家に帰る。

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