69:通話
ダンジョンから何事もなく出て瞬間移動で家に帰る。
エイルと一緒に夕食の用意をして、四人でご飯を食べる。
ダンジョンに行っていたから全員がお腹が空いていたから多く作っていればちゃんとなくなった。
特にテレイアがよく食べていたがそのテレイアは少し様子がおかしかった。
帰ってきてからずっと俺をチラチラと見てソワソワしている感じだ。
俺が何かしたとか気まずいことではなさそうだからテレイアが切り出すまではこちらから聞かないでおこうと思った。
みんなでリビングでいる時にはリリスが今回の配信の反響を教えてくれたり、母さんから電話が来たりとしている間にエイルがテレイアに呼ばれてリビングから出た。
少しすればエイルだけが戻ってきてこちらに声をかけてきた。
「優斗、テレイアさんが呼んでいます」
「俺をか?」
「はい、優斗を呼んでいます」
なんだ、もしかしてここを出ていくみたいな感じか? いやそれならみんながいる時に言ってくるか。
「今回のことは私は許可していますから、テレイアさんのやりたいようにしてあげてください」
「あぁ、分かった」
何のことか分からないけどそれだけを理解してテレイアがいるテレイアの自室に向かう。
扉をノックすれば「入ってください」と言われたから遠慮なく扉を開けた。
すると黒のエロいパンツだけを身に付けたテレイアがいた。
「えっと……」
なんだ、どうしてテレイアがこんなことをしているんだと思ってしまう。
リリスならともかく、テレイアは絶対にエイルがいないところではこんなことはしない。たまにリリスから俺を守るために天然なことをするけど。
「早く扉を閉めてください」
「あぁ」
テレイアの言う通りに俺は後ろ手で扉を閉めた。
いやまあ、俺は節操がないからパンツだけの女性、しかも一度やっている女性がいたら遠慮なくたつ男だ。
それもエイルとリリスとやりまくったせいではあるんだが。
ていうか立っているのをテレイアにガン見されているから言い訳のしようがないところだ。
「前に、ダンジョンに入るために体を好きなようにさせていたことは言いましたよね?」
「あぁ、聞いたな」
さすがに何度もは聞いていないが一回でそんなインパクトがある話は覚える。
それにそんなテレイアのためにファーストダンジョンを作ってステータスというシステムも作ったんだ。
……この話が来るということは、お礼で体を俺に差し出すとかなのか?
「もとの世界にいた時はダンジョンに行ったあとは必ず犯されていました。別にそれを期待していたわけではありませんが、ダンジョンに行ったあとは必ず濡れてしまうようになりました。エイルさん曰く体の防衛本能だと先程言われました」
……テレイアの体をこんな習性にしてしまうとは、かなりキレそう。
ん? ということは今もそうなっているということか?
「もうダンジョンに行くために体を差し出さなくていいと分かっていますし、今まで感じていたストレスも綺麗サッパリなくダンジョンを楽しめたのでもうその防衛本能は消えていると思っていました」
「まだあるのか?」
「……今までとは少し違っている感じがします」
この言い方は確実に濡れているということは分かる。
「その、前までは気持ち悪い感じがしていたんですけど、今はとても優斗さんに抱かれたいと思っています」
あぁ、さっきのエイルの言葉はそういうことだったのか。
「ダンジョンに行ったあとに、優斗さんの感謝とか好きとかそういう感情が悪い習慣とごちゃごちゃになって、今はとてもすごく優斗さんに抱かれたいと発情しています」
言いにくいことを言葉にして俺に伝えたテレイア。
さっきのエイルの言葉もあるし、ここまでまっすぐと伝えられたら応えないといけない。
俺はテレイアに近づいて肩に触れる。
ずっとこちらを見ていたテレイアは驚いた感じはせず、むしろ期待している目を向けてきた。
そんなテレイアの頬に触れる。
「綺麗だ、テレイア」
「それはエイルさんにだけ言ってください。そういう雰囲気作りは私ではやらなくて結構です」
「雰囲気作りじゃなくて、思っていることを口にしただけだ」
「そうですか」
そう短く返してきたテレイアはまんざらじゃない顔をしていた。
そんなテレイアの唇に触れるようなキスをする。
唇をついばむようにしていれば、テレイアが我慢できずに彼女の方から舌を口内に侵攻させてきた。
今までのテレイアなら騎乗位以外は攻めが苦手だったが本当に我慢できなかったようだ。
お互いの舌を、お互いの口内を味わいながら俺はテレイアをベッドに優しく押し倒す。
唇を離せばテレイアは耳まで赤くさせており、完全に続きを期待しているメスの顔になっていた。
……配信の視聴者たちはこんなテレイアの顔を一生見ることはないだろうな。
ずっとツンツンと塩対応のテレイアしか見ることしかできない。
まあほぼ視聴者がキモいのが悪いんだが、それでもこんな顔を見る男が俺だけだと思ったら優越感が半端なくなりながらも、舌を出しながらテレイアに顔を近づけたら、テレイアも舌を出して口外で舌が触れあった。
外で乾かないようにとろけあってから、口内に戻る。
「優斗さん……」
もう我慢できないといった顔をしているテレイアに俺も我慢できなかった。
☆
「……ヤバ」
俺を中心に、エイルたち三人が全裸で寝ている男なら嬉しい光景が広がっていた。
両隣にはエイルとリリス、それから俺の息子を枕にしているテレイアが寝ていた。
テレイアは俺の股間の臭いを嗅ぐのが本当に好きらしく、フェラも好きだが息子を鼻に当てて何度も深呼吸している。
だからベストポジションを本能で探してここに行き着くのだろうな。
昨日はテレイアとの交わりから始まり、想像以上にずっとやっていたことでエイルが怖い顔をしながら入ってきて、それに入ってこないリリスではなく結局四人でやった。
ちなみにベッドが大きくないから急遽テレイアの部屋を大きくした。
さすがにエイルも昨日はダンジョンに入ったからぐっすりと寝ている。
俺はいつも通りの時間に起きたから体力はマックスで起床している。
この気持ちのいい空間を自撮りして顔を分かるようにしつつもモザイクで投稿したら炎上するんだろうなぁと思いつつも、また二度寝をしようとした。
だけど一階にある俺のスマホが鳴っていることに気がついた。
何だかデジャヴを感じる状況だな……え、嫌な予感しかしないんだが。
俺に電話をかけてくるのは神か母親くらいだ。それに母親はこんな時間に電話はかけてこないだろ。
だから無視したいところだが、誰から電話がかかっているのかは見れるかどうか分からないけど見ておく。
「ん?」
電話をかけてきていたのは大穴でテミスだった。
テミスをカノナス領地に送り出してからすでに二ヶ月くらいが経過していた。
その間テミスから連絡はなかったから何事もなく領地は無事に戻ったのだと思っていた。
そのテミスから連絡が来ているから出なければいけない。
ただこの状況で起きれば確実にエイルは起きそうだしテレイアを起こさないといけない。
それにできるだけこの空間から出たくないという気持ちもある。
だから電話には出るけどテレパシーでテミスからの電話に出ることにした。
『はい、こちら優斗』
『ゆ、優斗? わ、私はテミスよ……き、聞こえてる?』
少し不安な声色のテミスの声が聞こえてきた。
一応通話の仕方を忘れないように触れればやり方が分かるようにしていたが、初めての電話だから不安ということもあるのだろう。
『あぁ、聞こえているぞ。久しぶりだな、テミス』
本当に久しぶりだ。何事もなかったのだろうからそれはそれでよかったとは思う。
ただ何かやってほしくてまた差し出そうとしているマゾな電話だったらかなり困るところだ。
『そ、そうね……この通話? は変な感じがするわね。……耳元に声が聞こえて、くすぐったい感じ』
やっぱり変な感じがするのか。エイルもそんなことを言っていたな。
『使い続けていれば慣れる。それよりもあれから領地は大丈夫だったのか?』
テミスのことは調べていなかったから本当に何も知らない。
テミスのことを忘れていたわけではない。でもテミスのことを一々心配するほど俺はテミスと関係値があるわけではない。
いやテミスの処女やら色々な権利を持っているわけだから気にする方が普通なのだろうが。
むしろ放置したらしたでテミスが可哀想ではあるのだが、何せエイルに辛い思いをさせた場所の相手であるからそういう会話はうちでもなかった。
『えぇ、優斗のおかげで領地は立て直すことができたわ。色々と通話をして報告しないといけなかったと思っているのだけれど、忙しくてできなかったわ。ごめんなさい』
『まあ忙しいのなら仕方がない。気にするな』
あの状況から立て直すんだから忙しくないわけがない。
そこに関しては別に責めたりは全然しないしこちらが謝りたいくらいなんだからな。
『あぁ、領地のことで報告しないといけないことがあったわ』
『なんだ?』
『カノナス家はノモス王国から独立したわ』
『は? 独立?』
『ノモス王国より独立して公国として建国したわ』
え……な、なんだ!? 何をどうやったら独立することになるんだ!?
『ま、待て。そんな簡単に独立できるものなのか?』
『そんなわけないわよ。ちゃんとしっかりとノモス王国と敵対関係になっているわ』
それは大丈夫ではなさそうだな。
いやだけどカノナス領地には俺が作った滅却の神殿がある。それがあれば確実に戦いにはならないはずだ。
『優斗があの神殿を設置してくれて、さらに豊穣の宝杖を貸してくれてからカノナス領地は死の一歩手前まで来ていたのが瞬く間に復活していったわ』
『食料は一年分もいらなかったか?』
『いいえ、それは非常時に使えるから全然いるわ』
非常時って、ちゃんとした使い方だな。
『復活したのはいいけれど、今度は予想通りその神器を狙ってくる輩が現れ始めた』
『あー、やっぱり来たか』
『えぇ。魔神病を治すということは神すらもできないこと。だからカノナス領地にある神器を狙おうと侵入してきたけれど、優斗の対策のおかげで相手は戦いどころか敵意すらも失ってしまうほどよ。しかも侵入者を色で識別することができたから簡単に対処できたわ』
『それならよかった』
ちゃんと作用しているようでよかった。
そもそもそれができているかどうか確認すべきだったのに俺はそれを放棄していたからなー。
できていなかったらアストレアから連絡は来ていそうだし、結果オーライではある。
『だけど問題なのはそのあと。国王がカノナス家が保有する魔神病を消す神器を献上せよって言ってきたのよ』
『あー、そっちの問題もあったのか』
『さすがにこればかりは優斗に頼れない。だってこれは貴族としての問題だから』
その問題を生み出したのは俺なんだが、でも元凶は魔神病をカノナス領地に蔓延させたやつか。
『でも国王に渡す気なんて全くなかったからこう言ってやったわ。馬鹿か? 寝言は寝て言え。これが欲しいなら国をよこせハゲ、ってね』
『国くらいで渡せるのか?』
『そんなわけがないわ。でもタダで受け取ろうとしているなんてもってのほか。だからこう言ってやれば宣戦布告として見なされたわ』
『だろうな。それで独立したのか』
『そうよ。カノナス領地は不可侵の神器があるからノモス王国は一切手出しすることができない。何より豊穣の宝杖によって食料の心配も一切なく、カノナス領地で十分に生活ができている。だからこの独立は一切の憂いもないから安心して』
『そうか。まあ何か助けてほしかったら言ってくれ』
これまで何も気にかけてこなかったからそれくらいはしないとな。
『えぇ、ちゃんと差し出して助けてもらうわぁ……』
うわ、絶対に恍惚とした表情を浮かべているぞ、このテミス。
『というか今はテミスがトップなのか?』
『そうよ。父も母もおかげさまで生きているけれど、私にすべて任せてくれているわ』
『へぇ、それは大変だ』
『大変だけど、今までよりしがらみがなくなったから楽しいわ』
これは……お祝いとして武器や道具を送った方がいいかもしれないな。
新たな門出に関わっているんだからそれくらいはしたい。
『あぁ、それから公国の名前をユウト公国にしたわ』
『……え?』
い、いきなり変なことを言い出したから反応が遅れてしまった。
『じょ、冗談だよな?』
『冗談じゃないわよ。もう周りにもユウト公国だって伝えたわ。領地のみんなも救ってくれた人だと伝えればすぐに納得してくれたわよ』
え、えー……なんで勝手に名前が使われているんだ……?
いや、これは俺が放置した結果だと甘んじて受け入れよう。ここでは何も言えない。
『安心して、ちゃんと使用料は払うわ』
『いや、大丈夫だぞ』
『それでは気が済まないわ! 今度はメイドを差し出すわ』
『あー、うん、考えておくよ……』
考えておくが適切な答えかは分からないけどとりあえず言っておく。
『あ、それよりも用事があったんだったわ』
『近況報告じゃなかったのか』
『えぇ、そうではないわ。実は優斗に会いたいと言っている人たちがいるのよ』
『俺に?』
え、俺に会いたい人?
しかもこうして連絡が取れるテミスのところに来ているのは……ダメだ、全く想像がつかない。
『たぶん、優斗と同じ異世界人よ』




