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転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。  作者: 二十口山椒


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68/92

68:ボーナス

 俺たち四人それぞれに二つの表示が出現した。


 一つはボスを倒したドロップアイテムが表示されている画面。


 もう一つは一階層を踏破したことによるボーナス選択画面。


 この二つが出ていた。


「これは……?」

「その階層のボスを倒せばまず絶対にドロップアイテムが全員に出るようになっている。ちなみにそれぞれ違う」

「へぇ、あたしは『女王の鎧』」

「私は『ステルスマント』です。これを使えば先ほどの状況でも私は狙われにくいですね」

「確かに。それで言えば今手に入れた『剛力無双の腕輪』を使えば一撃でボスを倒せるかもしれません」

「うん?」


 リリス、エイル、テレイアがそれぞれゲットしたドロップアイテムがおかしい。


「優斗は何だったんだ?」

「俺は……『ロックガントレット』だ」

「なんでそんな言いにくそうにしているんだ?」


 リリスが素直にそんな疑問をぶつけてくるから俺も素直に答えるしかない。


「俺以外の三人が激レアドロップアイテムを引き当てているからだ」

「え、これも確率なのか?」

「そうだ。しかも階層主討伐のプールはかなり大きいしかなり下までそのプールは同じだ。だからアイテムレベルが高いだろ」

「ホントだ、700ある」

「ステルスマントは660ですね」

「腕輪は730です」

「ちなみに俺のロックガントレットは15だ。一階層で一番出やすいものを引き当てたわけだ」


 え、どういうこと?


 俺が操作して有利な武器を手に入れるというのはまだ分かるけど、どうして三人が激レアを引いているんだ。意味が分からない。


「もしかして優斗が何かやってくれた?」

「そんなつまらないことはしない。ちゃんと確率で三人は引き当てている」

「つまり、優斗が普通だったということ?」

「そういうことになるな。まあこれは確率だから気にしなくていいぞ」


 そもそもすべて俺が作っているものなんだからな。何も羨ましくなんかない。


「大丈夫です! いざという時は私が優斗を守りますから!」

「あぁ、ありがとう」

「私は剣がありますから腕輪を優斗さんに差し上げます」

「いや、大丈夫だぞ。それはテレイアが自分で勝ち取ったものだ。ぜひ使ってくれ」

「確率でめげそうになったらよしよしこしこしてあげるぞー」

「めげたらな」


 ていうか絶対に何かやってると思われても仕方がない。俺だって思っている。


 でもやっていないと俺自身が分かっているから本当に三人の確率で出たということだ。


「それよりも次のボーナス選択画面が重要だ。その階層主を全プレイヤーの中で初めて倒した時、スキルやアビリティ、魔法が手に入るボーナスが与えられる。今画面が出ているだろ」


 全員が全員の画面を見ることができるから画面が出ているのは分かる。


「三つか四つ出ていると思うが、その中でどれか一つを選んでゲットすることができる」

「ジョブステータスでもですか?」

「そうだ。これは全ステータス共通のボーナスだ。それぞれ好きなものや強そうなものを選んでくれ」


 かくいう俺も選ばなければいけないが、よく分からない顔をしてこちらに助けを求めているエイルがいるからエイルから決めることにした。


「エイル、何か困っているのか?」

「はい、三つ出ているのがよく分からなくて……」

「それなら俺が説明するよ」

「はい! ありがとうございます!」


 エイルは嬉しそうに俺の隣にピッタリとくっついて俺に自身の画面を見せてくる。


 エイルが出現しているボーナスは三つ。


『多矢

 スキル

 器用によって一度に撃てる矢の数が増える』

『魔矢

 スキル

 魔力を消費して一撃の威力を上げる』

『狩人

 アビリティ

 速度+20%』


 かなりいいスキルとアビリティがボーナスとして来ているな。


「エイルはどのボーナスが気になるとかあるか?」

「いえ……それが全く分からなくて」

「それなら簡単に説明すれば、一個目は今まで一発ずつ放っていた矢が何発にもなる。だからさっきのボス戦みたいに雑魚モンスターが出てきても一発で片付けることができる」

「それは便利ですね」

「二個目はさっきのボスの足止めじゃなくて倒しに行ける威力がある矢を放つことができるようになる」

「この説明はそういうことだったのですね」

「最後は単純に常時速度が20%上乗せされる。だから強くなればなるほど速度も上がると言うことだ」

「速度ですか……」


 あ、もう反応だけでどれを選ぶのか分かってしまうなこれ。


「エイルは一個目の多矢がいいか?」

「分かりますか?」

「そりゃ俺はエイルの夫だぞ? それくらい分かる」

「ふふっ、そうでした」


 そう言って俺と恋人つなぎをしてくるから可愛らしいことこの上ない。


「では多矢にしますね」

「あぁ、分かった」


 エイルが多矢にしたのを確認してから、俺は自分のボーナスを選択することにした。


『飛竜

 スキル

 斬撃を飛ばすことができる。ただし攻撃力の半分の威力に下がる』

『居合斬り

 スキル

 居合に集中すればするほど威力が上がる』

『明鏡止水

 スキル

 相手にクリティカルな一撃を与える』


 俺も俺でかなり選びにくいスキル三つがボーナスとして並んでいる。


「やっぱり優斗は侍としてボーナスが出ているのですね。私も弓使いとしてだったので」

「あぁ。さすがに的外れなボーナスは上げないようにはしてある」


 さて、どれにしようか。


 さっきの戦いで考えれば飛竜が一番使いどころがあるスキルだ。


 今の俺は遠距離がないからエイルから離れられないでいた。まあ離れてもいいんだがさすがに防御に割り振っていないエイルを一人にはできない。


 だけど居合斬りも使いたいし明鏡止水はクリティカルが何度も放てて実質攻撃力が上がるのと一緒だ。


 ……いや、飛竜かな。居合斬りも明鏡止水も後で行けるだろ。


 俺は飛竜を選択すればリリスとテレイアもちょうど選び終わったところだった。


「二人も選び終わったか?」

「選んだ。あたしは『黒騎士』。アビリティで敵を集めやすくなるから選んだよ」

「私は『剣士』のアビリティを選びました」

「剣士のジョブなのに剣士のアビリティを選んだのか?」

「あなたには言っていません」

「まあ悪くはないだろうね。ジョブとアビリティの効果は重複されるから剣士として一段と強くなる」

「ふーん、そうなんだ」


 一応アビリティを選んだ方が長い目で見れば強くなる。


 でも俺やエイルみたいなポジションだとスキルの方がいいこともある。


 だからそれぞれ自分の役割を理解して選んだと言えるな。


「これでボスを倒した後の説明は終わりだ。行くだろ、二階層」

「……一階層のサブクエを消化していきたいところですが、行った方がいいんですか?」

「あぁ、一度でも足を踏み込んでおけばダンジョンに入る時に二階層から入れるからな。例え攻略する気がなくても入っておいて損はないよ」

「それなら、行きます」


 俺の説明で俺たちはテレイアを先頭に二階層につながる扉に開けて足を踏み入れれば瞬間移動した。


「ここが、二階層……」


 二階層のセーフエリアに瞬間移動すれば、そこは先ほどの村とは違いたくさんの家が並んでいる町だった。


『ニーナの町』


 二階層のセーフエリアはニーナの町という名前らしくその文字が俺たちの前に出てきた。


 NPCが町を歩き、商業施設も見て取れる普通の町だった。ただ文化レベルは低い町だが。


「さ、今日の動画はここまでだ」


 セーフエリアに入ったところでリリスがアラギに向かってそう言った。


「続きを見たかったらチャンネル登録と高評価よろしくー。それじゃーね」


 リリスが手を振っているから俺もついでに手を振っておく。


 なおエイルとテレイアは一切手を振らなかった。


「はい、終わったよ。今日はここまでにするでしょ?」

「そう、ですね。さすがにこれ以上はやりすぎですか」


 リリスの言葉に反発せず、俺とエイルの方を見てテレイアはそう答えた。


「あぁ、ダンジョンは逃げないんだからまた明日とかに行けばいい」

「一度にやっても楽しみが減るだけですからね。まったりと行きましょう!」

「はい、そうします」


 急ぐことはないし楽しみはもっとくすぶらせた方がいい。


 だから今日はこのくらいにしてダンジョン攻略を終わることになった。

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