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転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。  作者: 二十口山椒


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49:テレイアの事情

「どうしてテレイアさんがパンツだけなのですか?」

「なんでエイルさんを連れてきたんですか? まさかそういう趣味ですか?」


 おや、おかしい。二人から責められている。


 俺は最善策を選んだつもりなのに。いや説明しなければそうなるよな。


 だってお嫁さんがいるのに今日出会ったばかりの女性に手を出そうとしていると見えなくもない。


「まずテレイアに言っておく。俺はエイルが好きだ! 愛している!」

「へ!?」

「……いきなりなんですか」


 俺のいきなりの発言にエイルは顔を赤く染めて驚き、テレイアは訝しげな表情をした。


「だから俺はエイルが悲しむようなことはしない。エイルに不義理なこともしない」


 テミスの時の件はさておき、俺はエイルが好きだからな。


「テレイアがそうやって体を対価としてきても、俺は受け取ることができないよ」

「対価……」

「……そんなこと、あるんですね」


 まるで信じられないと言った感じでテレイアは俺の言葉を受け止めてくれる。


「それでエイル。テレイアに何もしなくても休んでいいことを伝えてあげてほしい。俺は信用されていないからエイルの方がいいと思ったんだ」

「そういうことでしたか。それなら分かりました」


 事情を理解してくれたエイルはテレイアに近づき、ベッドに腰掛けた。


「テレイアさん。今まであなたの身に何があったのかは分かりません。ですが優斗なら大丈夫です。実は私も追放されてここに迷い混んできたのですが、その時も優斗は私に優しくしてくれました」

「……そうだったんだ」

「はい。優斗は決してすべてを助けようとしているわけではありませんが、目の前で倒れていると放っておけない性格です。テレイアさんに何かを求めて助けたわけではありませんよ。ただ、その優しさを受け止めてください」


 ……意外にエイルに俺のことを理解されているんだな。少し恥ずかしい気分になるが、さっきのこともあってお互い様か。


「……信じられないです」

「はい」

「……私が知っている男は、何かを求めたらその対価として体を求めてくるようなやつらばかりでした」


 やっぱりそういう感じだったか。


「何があったのか、話してみませんか?」


 エイルの優しい問いかけにテレイアは少しの間黙っていたが、口を開いた。


 テレイアが話し始めるとエイルはテレイアに気づかれないように加護を使ってテレイアを癒している。


 さすがはエイルだ。俺のお嫁さんなだけはあるし、聖女だ。ん? 順番は逆の方がよかったか? どうでもいいか。


「……私には、冒険者としての才能がありません。魔法の才能もなければ、加護も受けていません」


 冒険者にはそういう才能が必要なのか? でも加護持ちが強いのは分かるから冒険者にはなりやすいか。


「でも、私は冒険者になりたかった。色々なところに行って、冒険したかった」


 そういう一面は東京を見ていた時に分かっていたが冒険者というのはそういうものなのかな。理解できなくはないから頷いておく。


「だから、荷物持ちとしてでもパーティに入ることにしました」


 次第に顔色が悪くなっていくテレイアだが、テレイアは続ける。


「そのパーティには男三人と女一人がいました。リーダーの男は、最初は私を快く受け入れました。ですがその夜、寝ている私のところに来たリーダーの男は私を襲いました。私は抵抗しましたが、リーダーの男はパーティから追放してもいいんだぞと言ってきたので……私はされるがまま犯されました」


 ……何となくは想像していたが、こうではなかった方がいいとは思っていたところはある。


「それからリーダーの男から時間問わず犯されました。……その代わり、私は冒険者として荷物持ちができていました」


 荷物持ちをしているのに犯されるとかふざけているな。ちょっと腹が立ってきた。


「ある時、ダンジョンでモンスターに襲われそうになったことがありました。そこでパーティメンバーの男に助けられましたが、その対価として男に体を許しました。ある時、荷物がモンスターによって破られバッグが台無しになったことがありました。その時はパーティの男三人に許しを請うために男三人に犯されました。私は、性欲処理としてそのパーティに存在していました」


 エイルを見ればエイルも辛そうな顔をしていた。


 もしかしたら自身もそういう未来になっていたかもしれないと思っているのかもしれない。


「……そしてご存知の通り、私はあっけなく囮にされたわけです」


 都合がよく使われ、都合がいいように捨てられた。それがテレイアの受けてきたこと。


 ……テレイアはただ冒険をしたかっただけなのに、その尊厳を渡さなければそれができなかったわけか。


 なんとも、腹立たしいことこの上ない世界だ。しかもパーティの男たちにも腹が立つ。


 俺がここからそいつらを殺すことは可能だが、それは筋違いだ。女性一人の尊厳を踏みにじったことは許されることではない。


 だがそれを俺が裁いていいことではない。これはテレイアがやるべきことだ。


 まあ、テレイアが俺の大切な人になったのなら遠慮なくすべての尊厳を奪い尽くしてやるが今はそうではない。


 このテレイアの話を聞いて、エイルの時とは違ってどうしてこんなにも腹が立つのかと思ったら、そういうジャンルが嫌いで、自分たちのことしか考えていないやつらが何の罪もない女性を汚したからだ。


 あぁ、とても納得した。


「話してくれて、ありがとうございます」


 そう言ったエイルはテレイアを抱き寄せた。


 さすがにここに来る時にエイルの体を綺麗にしていたが、全裸であることに変わりはない。でもエイルは美人でスタイルがいいから、この光景はどこかの聖女が子供包み込んでいる絵画に見える。


「ここではもう大丈夫です」


 テレイアに優しい声色でそう言い聞かせるエイル。


 胸に顔をうずめているテレイアの表情を見ることはできないが、離れようとはしないからもう落ち着いているのだろう。


「ここにはテレイアさんの尊厳を踏みにじる愚か者も、テレイアさんを利用する人もいません。ですから安心して休んでください」

「……そう、します」

「それにここはとてもすごい場所です。きっとテレイアさんもとても気に入ってくれると思います。ですから、今日は休みましょう。今までのことを忘れるくらいに、楽しいことが待っていますから」


 エイルの今までの経験からくる言葉だろう。


 ……エイルもそう思ってくれているのなら、本当に良かったと思える。


「……寝ちゃったみたいです」

「それならよかった」


 エイルの母性を受けたことでテレイアは安心して寝たようだ。


 もしかしたら一度目の眠りが浅かったのかもしれないから、今回でぐっすりと眠ってくれるのなら何よりだ。


 ……これが男だったら完全にエイルに惚れているだろうな。男に対してこんな状況にはさせないがな。


「ありがとう、エイル。俺ではテレイアに何も言うことはできなかった」

「ふふっ、そのようなことはありませんよ。すべて優斗の積み重ねで、テレイアさんを安心させることができたのです。私も、リリスも」

「ありがとう。そう言ってくれると助かるよ」


 俺は絶対的にエイルとリリスを助けられた! とは言わないし言えない。


 このチートな箱庭を使えば分かるのだろうが、そんなせこい真似はしない。俺は彼女たちと触れ合って知りたいと思うし、そういうところを感じ取りたいと思っている。


「私はこのままテレイアさんと寝ます」

「あぁ、分かった。それなら俺はリリスのところで寝るよ」

「はい、おやすみなさい。優斗」

「あぁ、おやすみ。エイル」


 部屋を出て扉を閉めて、リリスが寝ている部屋に戻る。


「お疲れ」

「うお」


 部屋に戻って扉を閉めれば、ベッドで横になっているリリスから声をかけられた。


「……起きていたのか」

「そ。エイルを起こした時にあたしも起きた」

「ということは、全部聞いたのか」

「聞いたね。とんでもない事情を抱えていたものだー」


 別にリリスに隠しておく必要はなかったから聞いていても問題はないか。ただセンシティブな話ではあったから後日にわざわざ別で話すことはなかった。


「あたしも、エイルも、そうなっていたかもしれないと思うとゾッとする」

「……エイルもそういう顔はしていたな」

「でもそれを優斗が助けてくれたからよかったよ」

「そうか?」

「そうでしょ。だってあたしもエイルも今が一番幸せなんだから」

「それならよかった」

「優斗も幸せ?」

「あぁ、とんでもなくな」


 そう反応したリリスはこっちに手を伸ばしてきた。


「ふふっ、それならその気持ちごと気持ちよくなろ」

「さっきまでやってただろ」

「起きたらリセットでしょー」

「どんな理論だ」

「いいのかー、これだとあたしは寝ないぞ!」

「どんな脅しだ」

「ほらほら、今度は優斗を求めて誘っているぞー」


 M字開脚をして恥部をくぱくぱとさせてこちらを煽ってくるリリスの発言に違和感を覚えた。


「……今度? ん? もしかして寝ていなかったのか?」


 この発言をテレイアが体を対価にしようとした行為を前提としておけば、理解できる。


「ふっ、寝ている優斗のそれを咥えようと頑張った」

「……頑張る方向が違うだろ」


 何だこのサキュバスは。まあ今更なことか。


「あんな話を聞いた後によくやろうと考えるな」

「分かっていないな、優斗は。悲しくてもお腹は減るだろ? それと一緒だ」

「空腹を一緒にするな。あれは生存本能であって繁殖本能とは別だろ」

「一緒だってー。こんなに待っている穴があるのに、優斗は食べないの?」


 食べるってそういうことか。


 でもこうして誘ってきてもリリスに対しての精液しか溜まらないと思うんだが、それは俺が考えることではないか。


「どうなっても知らないぞ」

「おぉ、すっごいやる気だ。悲しい話を聞いた後だとは思えない面構えだ」

「……ほら、俺が興奮するように煽ってみろよ」

「後悔しないでね」


 すまん、エイル。どうやら俺たちはリリスを飼い始めたからこういうことになるみたいだ。

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