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転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。  作者: 二十口山椒


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43:性女

「エイルなら荒れはしないだろ。エイルはどうだ?」


 異世界人チャンネルとしては問題ないだろう。


「嫌です」

「え」


 珍しくハッキリとした否定がエイルから聞こえてきた。


「優斗と一緒じゃないと出ません」


 エイルを見れば、ほんのりと顔を赤くしているのが分かった。


「そしてそこでこう言ってやります。私は優斗の妻で、リリスは優斗の愛人です。あなたたちには絶対に機会は訪れません。と」


 ……ん? もしかして。


「エイル、酔っているのか?」

「いいえ、酔っていませんよ?」


 あぁ……これは酔っている。いつものエイルなら素直に答えてくれるのに、今は嘘をついてくる。


「それにこう言ってやります。リリスの胸で妄想をしているあなたたちでは決してできないようなことを、優斗がやっています。吸って、揉んで、挟んで、包んで、優斗を気持ちよくしています。サキュバスだからリリスの技術はすごいです。あぁ、でもあなたたちには関係のないことでしたね。と」

「うわー、めっちゃ酔ってるねー」

「……あぁ、驚きだ」


 いつものエイルが聖女という性格なら、酔っているときのエイルは悪女みたいな性格だな。


 エイルはまたお酒をあおって口を開く。


「あ、どうせだから私とリリスさんで優斗をご奉仕している姿を見れば、無様に自分を慰めている人たちがいっぱい出てくるんじゃないですか?」

「楽しそうだ」

「さすがにそれはBANされるだろ」


 リリスが乗り気なのがたちが悪い。


「それならBANされないところでやればいいじゃん」

「そこまで見せたいか? 母親が見たらどうするんだよ」


 俺がそう言えばエイルはピタッと止まった。


「……そうですね。それは、よくありませんね」


 お、酔っていてもそこはとどまるんだな。


「でもさ、晩酌以外でも優斗とエイルに出てもらいたいのは本当なんだよね」

「どうしてだ?」


 まだ始まってひと月なのにネタが尽きたのか?


 リリスが配信でやったことは、リリスがいた異世界について話すというものだった。


 異世界がどういう場所か、異世界はどういう世界なのか、異世界にいる種族とあちらの世界の創作作品の種族の違いは何か、とかを話していた。


 リリスは今まで監禁されていたが、そういう知識はその世界の常識程度には知っていたから十分に話すことができていた。


 そういう世界の話をすれば、ちゃんと設定を練っているなみたいな感じで思われているようだ。


「配信でそこが異世界なのか証明して見ろ的なコメントがあるから、優斗にこの箱庭の主として出てほしいんだよね」


 前に言っていたことか。


 このままリリスをそういうキャラとして売り出していくのはいいが、それだと視聴者に飽きられてしまうかもしれない。


 だからこういうチートな箱庭を見せることはアリだ。


「あぁ、いいぞ」


 俺はリリスのことを応援しているからな。それをやって伸びるのなら喜んでする。


「それなら私も出ます」

「それは大歓迎。あたしの異世界の常識だけじゃかなり不足してるからなー」


 あぁ、なるほど。そういう意図でエイルに出てほしかったのか。


「そしてそこで優斗と私が結婚していることを宣言します」


 うん、酔ってる。また言ってるよ。


「それはいいんだが……」

「何か問題でもあるの?」


 世間では行方不明になっているものたちは名前しか出ていないはずだ。


 でももしものことを考えれば、顔出しはしない方がいいだろう。


「顔出しはしない。顔を認識させない魔道具を作って出るよ」

「あー、あの行方不明事件ね。分かった」

「お母様にも私の雄姿を見てもらいます」

「そうだな、見てもらおうな」


 そんなに母親のことが気に入っているのかよ。


「でも、エイルが知らない男のお嫁さんって言っているのをお母さんに見てもらうの?」


 母親視点ではそうなるのか。


 そしてそれを想像したエイルは今まで見たことのない、しかめた顔をした。


「優斗、お母様にだけ分かるようにして。私の旦那様は優斗だけだから」

「分かった」


 いつもとは違うエイルは遠慮という言葉を知らないしやってと言ってくるが、悪くない。


 早速、俺の母親にだけ俺だと分かるように設定した眼鏡を作る。


「これで認識を阻害することができる。他の人には一定の姿には見えない代物だ」


 つまりはこの俺の容姿だけでも、話題に上がるということだ。


 あのエイルとリリスと一緒に出ていたデブの男は誰だ!? デブ!? イケメンだったろ? 節穴か? 地味男がイケメンなわけないだろ! 的な感じで。


「これから細かいネタについては考えるとしても、大まかなネタは箱庭と異世界常識についてだね」

「そうだな。異世界常識については俺はいらないな。役に立たないし」

「私は優斗がいないと出ません。優斗の隣に座って説明します」

「だそうだよ」

「はいよ、分かった」


 酔っているとわがままが出るからいいな。


 こういう晩酌を定期的にやるのもいいかもしれない。リリスも存分に飲めるわけだし。


「んー……」


 俺の隣に座ってお酒を飲んでいたエイルだが、俺の肩に頭をのせてきた。


 エイルを見れば上目遣いのエイルと目が合った。


「ふふ、優斗。かっこいいです……」

「ありがとう。エイルは可愛いぞ」

「どれくらい?」

「俺の人生で絶対にエイルよりも可愛い人が出てこないくらいだ」

「それならよかったです」


 エイルは俺の肩に顔をうずめる。


 今までこんな甘え方をしたことがなかったからかなり新鮮だ。


「お酒っていいよね」

「あぁ、いいな」


 俺たちを見ていたリリスがそんなことを言ってきたから同意する。


 お酒は良くも悪くも普通ではなくなる。だからこういう状況はお酒のおかげではある。


「優斗……リリスさんと話したらダメですよぉ」


 エイルは俺の首に両腕を回して、そのまま後ろに倒れる。


 俺はエイルの力に負けてエイルの方に倒れこむ。


 その際に俺の頭はエイルの胸に挟まれる形で収まった。


「ふふ、極上の枕ですよー」

「リリス、このエイルヤバくないか?」

「……これは予想外だ」

「もう、また話してる。私の胸で他の声が聞こえないようにしてあげますねー」


 酔っているエイルは自身の胸に挟まっている俺の頭を、自身のおっぱいで強く挟んだ。


「ぎゅー、ぎゅー」


 うーむ、これは定期的に晩酌をやらないといけなくなったなー。


 ☆


「うー……!」

「いつまでそうしているんだ、エイル」


 ベッドで布団に潜り込んでうなっているエイルに話しかける。


「だってぇ……あのようなことを……!」


 昨日三人でお酒を飲み、自身が酔ったことをエイルは覚えていた。


 昨日のエイルはいつものエイルではなかった。


 俺にダダ甘えをしたあげく、熱烈に誘ってきた。


 いつもなら清楚なエイルのイメージ通りに、控え目に誘ってくる。


 あろうことかエイルはM字開脚をして、恥部を開き俺の性欲を煽ってきた。


『ここは優斗しか挿入を許さない場所ですよー。ほら、魔法をかけました。他の気持ち悪いものを絶対にどう転んでも挿入されないように。そんな場所が、くぱくぱと寂しそうに喋っていますよー。ほーら』


 それをエイルは覚えていて、今更ながら恥ずかしくなって布団にくるまっているわけだ。


 ちなみに布団をひったくられたリリスは全裸で寒そうにしている。


「俺は好きだったぞ」

「優斗が喜んでくれているのなら……ですが……!」

「でも楽しかっただろ?」

「……はい」


 酔っていたとは言え、エイルは性への欲望をむさぼっていた。


 それをエイル自身も分かっているから、俺の言葉に蚊の鳴くような声で返事をした。


「いつものエイルも好きだけど、淫らなエイルも好きだぞ。だからまたしような」

「うぅ……どんどんと堕落していきます……」


 聖女からすればこの状況は堕落していると言えるか。


 リリスもエイルも堕落してくれて何よりだ。堕落は欲望によって生まれるからな。


 今までの生き方よりも欲望的に生きているということだ。


「それで、今日は俺だけで朝御飯を作っていいのか?」

「だ、ダメです!」


 俺とエイルは何をするにも一緒だからご飯を作るときでもそれは変わらない。


 だからエイルは少しだけ止まってから、モゾモゾと出てきた。


 未だに顔は真っ赤で、俺を見ないようにしているエイルは愛らしい。


「行こうか」

「……はい」


 ベッドから出たエイルは俺と一緒に部屋から出る。


 一応すぐに起こすことになるが、寒そうにしているリリスに布団をかけてやる。


 こんな話を近くでしていても起きないリリスは図太いというか、監禁されていたからこういう感じになったのか分からない。


 ……いや、図太いだけな気がする。


 ☆


「今日の夜にさ、昨日言っていた配信をしてもいい?」


 三人で一緒に朝御飯を食べているときに、リリスからそう言われた。


「どっちだ?」

「この箱庭」

「俺は構わないぞ。エイルはどうだ?」

「はい、私も大丈夫です」


 昨日の晩酌のときに言っていた、俺の箱庭についての配信と、エイルの異世界知識の配信を早速やりたいようだな。


 その喋っていたときもエイルは覚えているらしい。


 つまりはいつもとは違うハッキリと拒否するエイルも、本心ではああ思っているということなのだろうな。


「ですが、夜に配信をするということは配信が分かりにくくなりませんか?」

「そこは優斗がどうにかしてくれるでしょ?」


 俺を信じているのかよく分からないリリスだが、俺はどうにかすることができる。


「あぁ、できるぞ。そもそもこの箱庭には時間の概念はない」

「どういうこと?」

「俺の世界を基準に太陽や月を出しているだけで、本来なら明るい場所のままなのがこの箱庭だ」

「へー」

「そうだったのですね」

「だから配信の時間が夜だったとしてもここは昼にできる。何なら太陽を早送りのように動いているところを見せることだってできる」

「おー、いいね。あっちの世界は巧妙な偽物動画とかCGがすごいからな。それを超越するものを見せたかったんだよね」


 確かに向こうのそういう動画は真に迫る勢いで発展している。


「あっちの世界では全く信じないやつらは一定数いるからな」

「分かっているよ。そういうやつらは誹謗中傷するやつらでしょ。でんのうおうでしょっ引かれるよ」

「それもそうだな」


 ……というか、俺が箱庭の主として出演するのはいい。


 世界遺産やらを並べて見せるのはいい。


「それで、箱庭で何を見せるかは考えてくれるのか?」

「ん? あたしは箱庭で何ができるか分からないよ?」


 ……やっぱり、俺任せということか。


「大丈夫です、私も一緒に考えますから!」

「ありがとう、エイル。深く考えてもウケない可能性があるからな。ある程度だけ考えるか」


 リリスに期待しているわけではないから気にしていない。


「優斗とエイルはどういう自己紹介で行くんだ?」

「エイルはそのまま聖女ってことでいいんじゃないか?」

「いいえ、今の私は聖女ではありません。ですから……優斗のお嫁さんと自己紹介します」


 それを言ってどういう反応をするのかが……いや、最初からそう言えば大したことはないだろう。


 処女厨がいれば話は別だけど。ていうかいるだろうから不可避だ。


「それなら優斗は?」

「箱庭の謎の管理人でいいだろ」

「謎の管理人のお嫁さんがエイル?」

「そうなるな」

「あたしが愛人って言ってもいい?」

「いいわけがないだろ。母親が見るかもしれないんだぞ」

「こういうのをやっていたら分かるでしょ。いつ言うかの問題だよ」


 絶対に母親からエイルを悲しませるなって言ったでしょ! って言われるに決まっているだろ。


「愛人云々は置いとくとして、今日の夜にやるんだったらサムネとかSNSを準備しなくていいのか?」

「そんなのシステムにお願いすれば一発だ。……ほら」


 リリスは俺にスマホの画面を見せてくる。


 タイトルは『サキュバスが住んでいる箱庭の管理人が出演します!』と書かれており、サムネイルも俺のシルエットが出ていた。


 ……今後ずっとこうやってしていくんだろうが、俺はそのことについて何も言わない。


 何せ、その実力がリリスになかったとしても、俺がそこを補完するのだから何一つ問題にはならないからだ。

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