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転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。  作者: 二十口山椒


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31:二度目の異世界へ

 テミスさんに許可をもらって俺たち三人でカノナス領地に向かうことになった。


 そのために万全な準備を整えないといけなかった。


「俺は外では弱いからしっかりと準備しておかないと」


 ここでば全能的な立ち位置である俺だが一歩外に出ればそうではなくなる。


「それほど魔力があれば弱くはならないと思いますが」

「俺は魔力の使い方がこの箱庭以外だと分からないからなー」

「こんなものを作れても魔力の扱い方は分からないんだ」


 俺たちの前には俺が作り出した武器や装備品が置かれていた。


 まずカノナス領地に入るために必須なのは魔神病から身を守るためのもの。


 それは完治したテミスさんでも必要なものであるから絶対に用意しなければいけないものだ。


 俺は腕輪型の魔道具『拒絶の腕輪』を作り出した。


 これは病気や魔法、はたまた物理攻撃すらすべての外的効果を受け付けなくなる腕輪だ。回復魔法すらだ。


 ただこの拒絶の腕輪を持っている同士ならその限りではなくなる。だから俺たち四人はお互いにダメージを与えることができる。


 それから元々あった加護はその限りではない。


「……すごいわね、この腕輪」


 拒絶の腕輪を見ながら絶賛するテミスさん。


「テミスさんから見てもそうですか?」


 俺はここにあるものしか知らないが神殺しができる武器が作れるからそれが強いと思っているが、客観的な意見は欲しいものだ。


「当り前よ。こんなもの売ろうとしたら城一つ買えるわ」

「おぉ、それはすごいですね」


 ぶっちゃけそんなことを言われても興味がない。


 このチートな箱庭でほしいものは大体手に入るし何なら金すらも作り出すことができる。だからお金になるとしても興味がない。


「その言い方は気に食わないわね。まるでそんなお金いらないみたいな言い方ね」

「実際そうですよ。ここでは何でも作ることができるのでお金なんてどうでもいいんですよ」

「え、ほ、本当に何でも作れるの……?」

「大体は作れますよ。さすがに人間は作れませんけど」


 たぶん人間も作れる。でもそんな業を背負いたくはないからやらないけど。


「へ、へー……」


 うわぁ、なんかめっちゃお願いしたい顔だなぁ。


 でも今は魔神病が蔓延しているカノナス領地に行くことが優先だからな。他にも魔道具を作っておかないといけない。


 テミスさんはたぶんアストレアから加護を受けているとは思うから俺を除く三人は加護持ちということになる。


 前に聞いた話だと加護持ちは加護持ちでしか戦うことができないと聞いた。


 だから外に出た俺はこの三人よりもかなり劣っていることになる。


 ……やっぱりロマンを求めていくか。俺の戦闘能力が低いのならそれを補う防具を作ればいいだけの話だ。


 しかも外に出たとしてもこの箱庭とつながっているからそこから武器をいくらでも射出して殲滅することができる。ただ箱庭の中にいた方が俺は強いという話だ。


 心配だから色々な武器を作っておく。俺が色々と思い浮かべるだけで俺の知らない種族に特攻の武器や個人に対して特攻の武器すら作り出すことすら可能だ。


 数多の武器の創造と同時に俺専用の装着型武器を作る。


「エイルとリリスは何か作ってほしいものはあるか?」


 加護持ちとは言え追われてきている身だから強いわけではないだろうからそう聞く。


 戦いに行くわけではないから強くする必要はないんだけど。


「私はこの腕輪だけで十分です。何かあればみなさんを回復します」

「そうか。それならエイルのことは俺が守る」

「はい!」


 エイルの嬉しそうな顔はいつ見ても綺麗だ。


「あっ、それならあたしはカメラがほしー」

「動画のネタにするつもりか?」

「そうだよ。ストックはいくらあっても足りなさそうじゃん。それに一気にやって一気にぐーたらしたいし」

「分かった。カメラとあとサキュバスだとバレないようにするための魔道具だな」

「そうだね」


 サキュバスだとバレない魔道具は簡単だ。


 普通の女性に見えるようにする機能とサキュバスの能力をリリスの意思がない限り表には出ない機能が付いた眼鏡を作る。


「できたぞ」

「おー、どう? 知的に見える?」

「それを言うやつは大体知的には見えないだろうな」


 眼鏡をかけて満足している様子のリリス。


 あとはカメラだ。


 どうせ作るなら普通のカメラを作っても面白くはないだろう。


「普通のカメラか、自分の思うままに動かせて変形できるカメラ。どっちがいい? ちなみにもれなく高性能でタダだ」

「そんなの後者一択でしょ。カメラ持ちたくないし」

「了解」


 俺はリリス専用のカメラを創造した。


 俺の手にはソフトボールほどの大きさの鉄の塊があった。


「できたぞ」

「これが……?」


 リリスがそれを持てば自動でカメラの所有者として登録された。


「もう登録されたから説明が始まる」

「え」


 カメラには一つの目が開き音声が出てくる。


『はじめまして、リリス様。私は優斗様より生み出された自立式自在変形カメラの<アラギ>と申します』

「どーも」

『それでは簡単に私の機能を説明いたします。まずリリス様からテレパシーを受ければ私がどこを撮影したらいいのかを理解します』

「声にしなくてもいいんだ」

『はい、その通りです。さらに自然に紛れれるように変形することも可能です。このように』


 アラギは丸い球からスズメに変化してリリスの肩に乗る。


「へー、それなら周りから怪しまれることがないね」

『はい。さらにこの状態ですと他の動物との会話も可能となっております』

「それいる?」

「あっても問題ないだろ?」


 俺に聞いてきたからそう答えた。


『以上が大まかな説明となっております。それでは失礼します』


 説明が終わったことでアラギは球体状態に戻った。


「……すごすぎてどう反応したらいいのか分からないな」

「難しく考える必要はない。ただ撮りたいものを撮ればいいだけだ」

「そうだな、分かった」


 エイルとリリスの準備が終わり、テミスさんに話しかける。


「テミスさんは何か必要なものはありますか?」


 拒絶の腕輪以外に必要なものがあるか分からないが一応聞いてみる。


「……いえ、今はないわ」

「そうですか」


 さすがにテミスさんもそこは弁えているようだ。


 でもテミスさんと今後会うとは思えないからな。たぶんテミスさんの願いは叶えられないと思う。


「戦闘力皆無な優斗は腕輪だけでいいのか?」


 ニヤッとしたリリスがそう聞いて来たから俺は自信満々に答える。


「これだけじゃないさ。俺にはこの箱庭にある武器をすべて外に出すことができるし、空に待機させているからな」

「どういうことだ?」


 不思議そうにするリリスだが気にしない。


「行きますか」


 三人にそう言って一緒に外に出る。


 テミスさんの靴もちゃんと新しいものを創造しておいた。


「俺の最大の武器を見せてやろう」


 そうして俺が上空に指させば全員が上を見る。


 俺のロマンあふれる武器は空に浮いていた。


 飛行機以上の大きさを誇る、超巨大な戦艦が待機していた。


「装着!」


 音声認識によって戦艦より射出されたそれは俺の背中に装着した。


 登山用リュック並みの大きさの銀の箱が俺の背中に装着されていた。


「おー、ロボットアニメに出てきそうだ」


 アニメにも手を出しているリリスは俺の背中にあるそれを何となく理解していそうだった。


「ロボットアニメ……?」


 逆にエイルはアニメにはあまり触れていないからそのジャンルについて理解していない。


 童話みたいなアニメなら見るがそれ以外は基本ドラマや映画が主だからな。


「そうだ。これは俺専用に作った無限変形魔道具だ。こうして羽になって飛んだり、腕になって攻撃ができるものだ」


 三人に見せるように羽にしたり腕にしたり変形させて見せた。


 ただこの無限変形魔道具の真価はここではない。どんな攻撃でも対応して、どんな相手にも対応することができる。


 そういう変幻自在の性質を押し込めたからこれを持っているだけで神殺しだって可能だ。


「……すごいわね。ほしいくらいだわ」

「優斗は本当に色々なものを作りますね」

「異世界人はこういう想像力が発達しているのかもしれないね」

「それはあるかもな」


 こんな力を得てロマンを持っていたらこれは絶対に作るだろうと分かる。


「テミスさん、どこに出るかはあなたに任せます」

「……どこに出ればいいのかしら」

「神殿はそれなりの土地が必要になりますが、領域の範囲は設置した後に決めることができます」


 それこそ神殿が中心であれば楕円形でも行けるようには設定できる。


「……カノナス家の屋敷の隣に広い空き地があるわ。そこに出たい」

「分かりました。それなら思い浮かべてください」

「……思い浮かべたわ」


 テミスさんがしっかりと思い浮かべたことでハッキリと出る場所が確定した。


「行きます」


 そして俺たちはチートな箱庭の外に出た。


「……なんだ、ここ」


 一年以上ぶりで二度目の異世界はとてつもなくおぞましい光景だった。


 目に入るものすべてが黒に染まっていた。


 まず目に入ったのは地面だが、まるで墨汁が溜まっているかのような黒に染まっている地面だった。


 それに少し遠くにある建物も輪郭は分かるが黒に染まっていてこの空間すべてが黒に支配されていた。


「ここまで広がっているのはあたしでも初めて見るなー」

「かなり侵攻している状態ですね」


 リリスとエイルもその光景に圧巻されている様子だ。


「これは、魔神病なのか……?」

「はい、これも魔神病です」

「生き物だけに感染するんじゃないのか……?」

「感染しなくても空気中に魔神病は存在し、この黒が魔神とされています。この魔神から生物に感染するとされています」


 おいおい、そんな状態で薬を量産とかいうレベルじゃないだろ。


「早くやってちょうだい。領地が死に切る前に」

「あぁ、そうだな」


 俺たちが立っているこの場所も何か建物があったのか?


 地面にデコボコとしている場所があったからそう思った。


 とりあえずこの空き地の広さなら十分だからアストレアが崇拝対象になる滅却の神殿を取り出す。


 俺が起動の意思を込めればこの場にあるすべての魔神病が消え去るほどのオーラを放ち、オーラが形作られていく。


 俺たちが立っていた場所も段々と高くなり、周りが装飾で賑やかになっていく。


「凄まじいオーラね……!」

「アイテル聖王国の教会と変わりない聖なる力を感じます……!」

「この腕輪つけててよかったー。そうじゃないと死にかけるところだった」


 俺たちが立っている場所は神殿の中央になった。


 ただ、あるべきものがこの神殿にはないが。

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