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転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。  作者: 二十口山椒


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10:新たな生活

「わぁ……知っているものと全く違います!」


 エイルさんは回っている洗濯機の中を覗き込んで興奮している様子だった。


「冬の洗濯は大変だと聞きましたが、これなら全く大変ではありませんね!」

「俺がいた世界はそういうことを解消しようと発明をしてきましたから」

「……すごいです。魔法の発展がない世界で、科学の発展がここまですごいとは思いもしませんでした」

「もしかしたらこちらの世界でもいずれ発展するかもしれませんね」

「……そう、ですね」


 俺の希望的観測をあまり強く肯定しなかったエイルさん。


「何かあるんですか?」

「……優斗様は私がいた世界のことを何かご存知ですか?」

「いや、あまり知らないですね」


 興味がなかったから異世界にきた時から全く異世界に触れていないからな。


「それなら少しだけ私がご説明しますね」

「おぉ、お願いします」


 この話になって知らないままだともやもやが残るからな。


「人間と魔族。この二つの種族は長らく争っています」


 それなら前の世界でも国同士で争っていた時期はいつもある。平和になったのも百年も経っていないし。


「これは人間と魔族の問題ではないのです」

「というと?」

「人間側の神々と魔族側の神々による代理戦争となっているのです」

「は? 人間と魔族の争いは最初からそうなっているんですか?」

「いえ、最初は違っていたと聞きます。ですが神々が加護を与え始めてからその色が見え始めたみたいです。なので加護を失うことを恐れた者たちは便利な文明よりも殺傷能力がある魔法の展開を望むと思います」


 う、うわぁ……なんかめっちゃやばいよな、それ。


 先祖の誇りもない戦いはしんどいものだろう。


 ただ魔法の発展もまた現代文明のように新たな道につながるかもしれないがそうなるまでにどれほど時間がかかることやら。


「アイテル聖王国はどうだったんですか?」

「アイテル聖王国は保守的だったので戦いには進んで参加はしていません。何より加護を神聖視していますのでむやみやたらに使おうとはしません」


 おぉ、そこはいいところだな。だがまあもう少しでアイテル聖王国が潰れるかもしれないってのを考えると感慨深いものだなぁ。


 それにしても神々の代理戦争か。それはあまりにもばかばかしい感じがするな。


「それがいいことなのか悪いことなのかは分かりませんけど、ここではその話を聞くことはないです」


 ここには普通の人では入ってこれない。


 まあ神が誘導すれば入ってくるが今のところ神を殺すという対策をとっているからひとまずは安心している。


「はい、今は少しだけ離れていたいと思います」


 いつか出るその時にでも世界のことを考えたらいい。


「さ、それよりも朝ご飯を食べましょう」


 そんなじめっとした話はここで終わりだ。


「はい! 今日はお手伝いします!」


 料理もやったことがないんだろうがそれは教えればいい。


 そうすれば女の子の手料理を食べれるんだからな。


 エイルさんに具材を切ってもらう手伝いをしてもらった。


 エイルさんは包丁を持つのも初めてだから少したどたどしかったが俺がサポートすることで無事に乗り越えることができた。


「どうでしたか? 自分が作った料理は?」

「私は切ることしかしていませんけど……美味しかったです」


 手伝った料理を食べたことで少し嬉しそうな様子のエイルさん。


「あの、掃除も教えてください」

「そんなに一斉に覚えなくてもいいですよ。今日は料理を手伝ってくれたんですから、明日にしましょう」


 ここはスローライフをするところだ。


 俺ができるし何ならこの箱庭では俺の意思一つで何でもすることができるのだからゆったりとしていればいい。


「ですが……申し訳ないです」

「一つずつ覚えていけばいいですよ。今のエイルさんにはゆったりとまったりとするということが大切ですから」

「ゆったり……そんなことをしてもいいのでしょうか?」

「いいんですよ。今までは頑張りすぎていたんですから今は休む時です。体を鍛える時でも休ませる時間が必要なんですから休むのは重要ですよ」

「……はい、分かりました。ではお言葉に甘えさせてください」


 説得することができてよかった。


 まあ聖女に戻るとしたらスローライフから抜け出せるのかは分からないんだよな。いやエイルさんなら何とかできると思うから大丈夫か。


「好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時にテレビを見ればいいです」

「そ、そのような自堕落なことはできません!」


 さすがに流れでだらけさせることは無理だったか。


「まぁ今日は好きにしてください。テレビを見ていても構いませんよ」


 それを言われたエイルさんはテレビの方に目が吸い寄せられていて分かりやすくて笑みを浮かべてしまう。


「エイルさんはもう少し欲望に忠実になってもいいと思いますよ。今まで聖女として頑張っていた分、これくらいしても神様は許してくれますよ」

「……神が」

「はい、神が。まあそれでも何か働きたいと言うのなら作物を育てますか?」


 今できる異世界でも共通していることは農業くらいしかない。それをエイルさんがするかどうかは分からないけど。


「はい! やりたいです!」


 この感じはやりたかったと思っていたのかな?


「それなら行きましょう。着替えを今から用意しますね」

「はい、ありがとうございます」


 俺はカッコをつけて指パッチンをしてエイルさんの近くに農作業にピッタリな麦わら帽子と服装とタオルが現れた。


「こ、こんなこともできるのですか?」

「ここは俺の世界ですよ。ですからこんなことは簡単にできます」

「……この世界で優斗様は本当に神様なのですね」

「この箱庭に関して言えばそうですね」


 何でもできるが今は言わないでおく。


「着替えてきます!」


 エイルさんは早足で二階にある自室へと向かった。


 俺も動きやすい格好に着替え、エイルさん用に運動靴も用意しておく。

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