第27話 時空探偵事務所
秋葉原からほど近い神田の裏道。
古びた雑居ビルの最上階に、その事務所はあった。
天女様は、お気に入りのメイド服姿だ。
「時空探偵事務所、、?
天女様、またまた変な事はじめて、、。
これでは、天界に戻るのが、ますます遅くなってしまいます。
天女様、まさか、地上にこのまま居座るつもりじゃないですよね?
最近、なんとか系ラーメンとか、お好み焼きとか、いろいろ縄文姉妹と食べ歩いているみたいだし。
カラオケにも、エージェントピンクも加わってちょくちょく、。」
「それが何か?
お前、最近うちの母親みたいなことを言うようになったな。」
「いやいや、ただ、天界にも仕事溜まってるし。」
「それは問題ない。
時空運輸と時空オフィスに頼んで、必要な器材は、全てここのバックオフィスに持ち込んでもらったしな。
お前、リモートワークも知らないのか。」
「はあ。」
「それに、地上に来て分かったことがある。」
「何がですか?」
「いや、お前も薄々気づいているだろう。
この地に、いる筈のない者が時々歩いていることを。」
「確かに。
私も、何回かおかしな者を見かけました。
確証はありませんが、この世界の者とは到底思えませんでした。」
「そう、この地では、我々時空管理局が把握していない異常事態が起こっている。
彼らは、自ら来たのか、何かの拍子で来たのか。
これは、絶対に調べなければならない。
我々の知らない、時空間移動のファクターXがあるやも知れぬ。
それが1つ目の理由だ。」
「それは確かに。」
「それとな、我が街を歩いていると、時々話しかけられるのだ。」
「えぇ~、スカウトですか。
変なお店には、気を付けてくださいね。」
「違うわい。
それは、人には見る事が出来ない、彷徨える者からだ。」
「確かに、そういう者が存在していることは、私にも分かります。
まあ、私には話しかけてはきませんが。」
「我は気づいたのだ。
彷徨える者の声を、聞かなければならない。
そして、じっくり話を聞ける安心できる場所が必要だとな。
それが、2つ目の理由だ。」
「そして、3つ目の理由、、それはな。」
「それは、、?」
「ふふっ、こっちの方が面白いからだ。」
「全く、、天女様、、ついに白状しましたね。」
「天界など、ちっとも面白くない。」
「天界羽衣舞踊団とか天界奇想天外歴史絵巻とか、いろいろエンタメあるじゃないですか?」
「お前、あれ、本気で面白いと思ってるのか。
ちょっと、時空病院行ってきた方がいいと思うぞ。」
「すみません、、おっしゃる通りです。」
「それに、我は気づいたのだ。
至極当たり前で、簡単なことだ。
それは、、。
生きることを楽しんでも、いいのだとな。
これは、あの姉妹、家族から教えてもらったことだ。」
「、、、天女様のお気持ち、わかりました。
しかし、こんな町中に探偵事務所兼秘密基地を構えて大丈夫なのですか?
時空探偵事務所とかって看板出して。」
「それは心配いらぬ。
ここには、強固な結界を張り巡らせてある。
本当に必要がある者にしか見えないし、普通の人間など到底入ることも出来ない。」
〜チャリン〜
「じゃーん、ホタテちゃん、お待ったせ!
回転寿司にホタテ食べに行くよっ!
2人とも、朝ごはんちょっとにして、お腹ペコペコにしてきた。」
「、なんか、普通に入ってきてますけど。」
「当然、我のお友達はフリーパスだ。
それが何か?」
「まあ、お前もそろそろ気づくことだ。
生きることを楽しんでも、いいのだとな。」




