第二百五十話、ポッ、祝言でございます。
神有月。
水没した出雲の地に、神たちが集まる。
氏子防衛用打撃神社群、総旗艦、航空母艦型神社、”出雲大社”。
その左右には、
関東方面軍旗艦、超々弩級戦艦型神社、”大和猛”。
その姉妹艦である、
関西方面軍旗艦、超々弩級戦艦型神社、”金毘羅八幡宮”。
他、大和型戦艦である、”厳島神社”。
航空戦艦型神社、”伊勢神宮”
など、名だたる神社が集結していた。
その中に、航空母艦型神社、”お松大権現”、通称、”ネコガミサン”も停泊していた。
◆
今、お松大権現で、ティーガとマリアの祝言が行われている。
神前式だ。
白無垢に角隠し。
白粉をはたき、紅い口紅をした口元だけが見える。
女は、陰、または陰とも呼ぶ。
鬼はパワーの象徴だ。
茨城童子や酒吞童子の童子は、幼子独特の元気なパワーを表す。
女性の嫁入りは、家と家の間の強力なパワーの受け渡しと同意である。
だから、
花嫁行列で、嫁入り道具が、”百鬼夜行”した後に、鬼である花嫁が、角隠しをして家に嫁入りするのだ。
畳の間。
片側に大河の両親と兄弟たち。
もう片側には、ゴッドファーザーとウエイター。
マリアの母は小さいころに死別していた。
紋付き袴のティーガ、その横には、白無垢のマリアージュが並んで座っている。
三々九度の誓いの盃の後、
ニャ~~ン
二人の膝に、オオネコとコネコが乗った。
”お松大権現”の神社内には、ネコサマであふれているのだ(←結構事実)。
「ああ、ネコサマがっ」
神職や巫女がざわめく。
”ネコサマ”は神使、神の使いである。
「ん、とっても縁起が良いっ」
ネコミミ、ネコシッポの巫女が言う。
無事、山本家とコルレオーネ家の祝言が終了した。
◆
航空母艦型神社、”お松大権現”の飛行甲板に披露宴の会場が作られていた。
立食式のガーデンパーティーだ。
空は晴れている、
周りに神社の艦艇がたくさん停泊していた。
白いタキシードとウエディングドレス。
ティーガとマリアの披露宴だ。
「おめでとうっ」
シズクだ。
「結婚おめでとうでござる」
栞子である。
「ん、おめでとう」
ミャオだ。
周りにはリンクスと、”NEKOMIMI”の海賊たち。
「おめでとうよね」
ナスチャだ、隣にはアレクサンダ。
「おめでとうございます、ですヮ」
マリーである。
「おめでとうございますっ」
アリスだ。
「「おめでとう」」
キュウタとオリエだ。
「私を幸せにするのでございます……」
「俺の生涯をかけて、幸せにするっ、んだぜえ」
ティーガの横に立ったマリアが背中越しにブーケを投げる。
「大河っ、結婚おめでとうっ」
モヒカンだ。
「マリアお姉ちゃんっ、結婚おめでとうっ」
ブーケは放物線を描いて櫻子の手の中へ。
その上を、
ゴオオオオ
群青色の飛行艇、”水無月が、背面飛行で低空をフライパス。
レントが手を振った。
白いスモークが青い空に線を引く。
レントのアクロバティック飛行だ。
青い空に、大きなハートマークを描いた。
「サクラコッ」
「モヒカン様っ」
櫻子の胸にはウエディングブーケ。
モヒカンが櫻子の腰に手を回しそっと抱き寄せた。
青空に金髪のモヒカンが揺れる。




