表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒須お嬢様、VRMMOゲームを御遊興されるご様子でございます。  作者: トウフキヌゴシ
最終章、テロリストをやっけろ、でございます。(リアルファイト)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

249/254

第二百四十七話、装着ですわっ。

 清涼感のある香水の香り。

 マリアージュが愛用している香水ですわ。

 耳に触る彼女の髪がくすぐったいのですの。


櫻子さくらこお嬢様……」

 ポンポンと背中を叩いたのですの。


 わたくしは、抱きしめていたマリアージュを離しましたわ。


櫻子さくらこ様」

 みどり様ですの。


「ね、助けに来てくれたでしょう」

 わたくしは、ウインクしたのですわ。

 少し涙がこぼれましたの。


「はいっ」

 ほかのお嬢様達も言いましたわ。



 月灯りが、高い窓から斜めに入る。


「皆様、少し離れるのでございます」

 マリアージュが、倉庫の部屋の真ん中を開けさせた。


 パッ


 床に丸と×字印が、赤い光で空間表示される。


「下ろすのでございます」

 

 ブン、ブン、ブン、ブン


 屋根の上から重低音。


 ズドオオン


 屋根を突き破って黒い人影が落ちて来た。

 地面につく瞬間にふわりと一瞬浮く。

 重力制御のため、丸く周りにほこりが立った。


 ズシュシュン


 大きな黒い人影が円の真ん中に立った。

 月灯りが、床に人型の影を落とす。


「こ、これはっ」


「……KS(黒須)-06J」



「”にび黒色の竜”……”鈍竜どんりゅう”でございます」 



 軽MA、”不知火しらぬいをまとい、頭には通信機能も備えた鋼鉄製のホワイトプリム。

 透明のスカートを両手でつまみながら、完璧なカーテシー。


 そのななめ後ろに、



 烏帽子の様なヘルメット。

 アイコンタクトにより一つ目に見える。

 積層構造の重厚な肩アーマー。

 銀色の十字を意匠された胸部装甲。

 装甲されたウエストはきゅっと締まり、胸部装甲と共に、女性的なシルエットをかもしだす。

 細かい板を連ねたスカートアーマーがひざ下まで伸びる。

 細い太ももにピンヒール。


 左腕には盾と、巨大杭打機パイルバンカー



わたくし鈍竜どんりゅう……!!」


「ささ、まとうのでございますよ」


 櫻子さくらこがおそるおそる、黒いMAに近づく。


 ブシュウウ


 胸部と腹部装甲が上に。

 アーマースカートが左右に、腰部アーマーが下に開いた。

 柔らかそうなクッション状のインナーが見える。


「スカートを脱ぐのでございます」


「!?」

 膝丈の制服のスカートだ。

 MAに巻き込む。

「……分かったのですわ」


 ストン


 少し顔を赤らめながら、スカートを足元に落とした。

 月灯りに白い太ももが浮かぶ。

 黒いローファーを脱いだ。

 下半身はショーツと三つ折りの白いソックスだけになる。


 背中向きに、まず足を入れ、次に腕を入れた。


「起動パスワードは、ゲームと一緒でございます」


「はいですわっ」

「”櫻の下には何かが埋まっている”」


[起動パスワード確認]

「装着者を、黒須くろす櫻子さくらこと認定]

[”鈍竜どんりゅう”、起動します]

 女性のマシンボイスが響く。


 シュウウウ


 ゆっくりと上に跳ね上げられていた、胸部と腹部装甲が下りて来た。


[各関節位置、調節]

 櫻子さくらこの体に合わせて関節の位置が微調整される。


 ズシュシュン


 一歩前へ。

「動いたのですわっ」


 ズシン


 ピンヒールがコンクリートの床に穴を空けた。


「ひええ」


[パワーアシスト、重力制御、再調整]


 ズシュシュン


 二歩目は普通に歩けた。


 タタタタタタ

 バウウウウウ


「こ、これは、銃声ですわっ」

 ――こ、怖いのですの

 でも、後ろを振り返ると震えて座り込んだお嬢様達。

 ――守らなくてはっ


「目は……」

「つむりませんわっ」

 

櫻子さくらこお嬢様、扉を巨大杭打機パイルバンカーで壊すのでございます」

 マリアージュが、入口の厚い金属製の扉を指差した。 


「はいですわっ」


 巨大杭打機パイルバンカー用の火器管制プログラムを起動。

 視界に丸いレティクルが出た。


「こうですわっ」


 ガチャン


 チャージングハンドルを引いて薬包を薬室に。


 ア:アンゼン

 タ:タンパツ

 レ:レンパツ

 エ:エンキョリ


 ”ア・タ・レ・エ”と書かれたセレクターレバーを、アからタへ。


「…………(なんだ、どうした)」

「…………(中で音が)」

「…………(正門に襲撃を受けた)」

「…………(人質にしろっ)」

 英語でもなく中国語でもない話し声が、扉の向こうから聞こえてきた。


 黒い大きなMAが扉の前で中腰に。

 盾と巨大杭打機パイルバンカーを構えた。


「撃つ、のですわっ」


 櫻子さくらこが引き金を引いた。


 ズドオオン


 1メートル近い長さの杭が、火薬の力で撃ち出された。

 先端が帯電し、空気がイオン化。

 青白く光る。


 ガチャッ

 ピイイン


 缶コ-ヒーと同じくらいの空薬莢が飛び出て、床に落ちた。


 金属製の扉に、杭の周りがひしゃげ、大きな穴が開く。


「…………(うわっ)」

「…………(なんだなんだ)」


「もう一回ですのっ」


 ズドオオン


 ギイイイ

 バ――ン


 ついに、扉全体がむこう側に倒れたのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ